読書記録2015
最近、一度読んだ本でも忘れていることが出てきて年を感じます。ひどいときは、新しく読む本だと思って、面白く読み進めていくうちに、何だか知っている気がしはじめて、読み終わる頃に、そういえば昔読んだことがあったと思い出すこともありました。「常に新鮮な喜びが味わえてうらやましいこと」などと言われる状態です。そこで、新しく読んだ本を忘備録としてここに書いておくことにしました(平成14年3月開始)。「新しく読んだ」というだけで、別に新刊の本とは限りません。
「したたかな植物たち あの手この手のマル秘大作戦」 多田多恵子著、株式会社SCC 平成27年10月読了
書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。
「生命の星の条件を探る」 阿部豊著、文藝春秋 平成27年9月読了
書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。
「寺田寅彦 わが師の追想」 中谷宇吉郎著、講談社学術文庫 平成27年9月読了
寺田寅彦の弟子で、自身も科学者・随筆家である中谷宇吉郎の寺田寅彦に関するエッセイをまとめたものです。面白いのは、線香花火の科学的解析実験。科学の実験の進め方のエッセンスが詰まっています。
「ファンタジーと言葉」 アーシュラ・K・ル=グウィン著、岩波現代文庫 平成27年9月読了
ファンタジー作家、SF作家として有名な著者のエッセイ集。声やコミュニケーションに関するエッセイがユニークです。平田オリザの書いたものを思い出しました。
「身近な植物に発見!種子たちの知恵」 多田多恵子著、NHK出版 平成27年7月読了
書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。
「棒を振る人生」 佐渡裕著、PHP新書 平成27年6月読了
指揮者の佐渡裕の三冊目の単著。三十台の時に書いた最初の本と、四十前後に書いた二冊目の本を読んで、信念と情熱が感じられるその語り口のファンになりました。でも、五十代前半までが書かれた三冊目には、どうも以前の勢いが感じられません。同い年なので人のことは言えないけど、年はとりたくないものだと感じます。
「素数の音楽」 マーカス・デュ・ソートイ著、新潮文庫 平成27年6月読了
数論を中心とした数学史の本で、多くのエピソードは他の本にも書かれていることなので新しみはありませんが、音楽(波)という切り口でうまくまとめてあり、600ページを超す本を飽きさせずに読ませます。
「「昭和天皇実録」の謎を解く」 半藤一利著、文春新書 平成27年6月読了
もともとは複数の雑誌の対談企画であったのを、まとめて本にしたもののようです。面白いのは幼少期のエピソードで、多くの人が注目していたであろう戦争関連の記述では、それほど新しい情報がなかったという所でしょうか。作家2名と学者2名の4名が対談していますが、戦争関連の部分は、作家2名だけの対談になっているのには、何らかの背景があるのでしょうかね。
「巨大ウイルスと第4のドメイン」 武村政春著、講談社ブルーバックス 平成27年6月読了
書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。
「京都に残った公家たち 華族の近代」 刑部芳則著、吉川弘文館 平成27年6月読了
明治維新後の公家について、奈良華族を含む京都在住公家の状況がわかりやすく解説されています。多くの公家の貧乏生活がよくわかります。
「絶対音感神話」 宮崎謙一著、化学同人DOJIN選書 平成27年6月読了
絶対音感について、便利ではあるけれども音楽的にはマイナス面の方が大きい可能性があるという立場に立って書かれています。実験結果に基づいた議論なので、理系の人間にとっては説得力がある構成になっています。
「御歌所と国学者」 宮元誉士著、弘文堂 平成27年5月読了
これも御歌所関連の資料の一つとして読んでみたのですが、章ごとに記述の重複が多いのが気になりました。すでに発表した論考をまとめる際の問題でしょうね。また、資料が紹介された後「改めて検討を要する課題である」で終わってしまう例が多く、著者の主張がいま一つわかりませんでした。
「植物の体の中では何が起こっているのか」 嶋田幸久、萱原正嗣著、思文閣出版 平成27年5月読了
書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。
「日本の樹木」 舘野正樹著、ちくま新書 平成27年4月読了
書評を生物学関係の書籍の書評の所に載せておきました。
「近代日本における書への眼差しー日本書道史形成の軌跡」 高橋利郎著、思文閣出版 平成27年3月読了
御歌所関連の資料の一つとして読んでみたのですが、論理構成がしっかりしていて面白く読めました。
「日本の蹴鞠」 池修著、光村推古書院 平成27年1月読了
蹴鞠の本といえば、東京大学出版会の「蹴鞠の研究ー公家鞠の成立」が有名ですが、こちらの本はコンパクトな中に蹴鞠の歴史がやさしく説明されていています。