光合成の質問2025年

このページには、寄せられた質問への回答が新しい順に掲載されています。特定の知りたい情報がある場合は、光合成の「よくある質問」(FAQ)のページに分野別に質問を整理してありますので、そちらをご覧下さい。


Q:ハムスターを葉緑体を入れた時に4日後にチラコイド膜が崩れ、葉緑体の活性が低下したと仰っていたと思うのですが、その後のハムスターの活動への影響はどうなっていたのですか?(2025.9.2)

A:おそらく僕たちの論文に関しての質問だと思いますが、紹介記事を見ていただくとわかるように、移植したのはハムスターの個体ではなくて、ハムスターの培養細胞(細胞をバラバラにして培養したもの)です。なので、「活動」を調べるような実験は、今のところやっていません。培養の条件などを変えて葉緑体が細胞内でより長く保持される条件を探す研究はしてますが、僕自身はこの研究の光合成解析の部分を担当しているので、細胞の培養については最新の情報を持っていません。(2025.9.3)


Q:葉緑体を人為的に細胞内共生をさせることは可能でしょうか?(2025.6.27)

A:「共生」というのがどの程度の時間のものなのかによると思います。植物では、細胞が分裂して増えていっても、葉緑体はそれぞれの細胞に維持されますが、そのような共生は実現できていません。ただ、細胞内に活性を保った葉緑体を2日程度維持することは可能です。そのような例については、僕たちの論文の紹介記事をご覧ください。(2025.6.27)


Q:『トコトンやさしい光合成の本』を読んでいる園芸好きの読者です。正誤表に書かれていなかったので質問いたします。23ページの図の「クリスマスローズの花は緑色を帯びている」とありますがクリスマスローズの花弁だと思われているものは園芸的には萼片であり、花弁は退化して蜜腺となっているとされていますが、植物学会、あるいは光合成学会では花弁として扱われているのでしょうか。もしくは蜜腺が緑色をしているものもあるということを示しているのでしょうか。教えていただけると幸いです。(2025.4.3)

A:本を読んでいただきありがとうございます。おそらく「花=花弁」と考えてのご質問なのだと思います。一方で、この本の中では、花弁、萼片、雌蕊、雄蕊を含めたすべてを花と考えています。一般的にも「花」は、いわゆる「花器官」を指すことの方が多いかな、と思います。まあ「花吹雪」の花は花弁ですが。花器官を見たときに、全体として緑色っぽく見える、というのが記述の趣旨です。(2025.4.3)