日本光合成研究会ワークショップ
パルス変調と蛍光を用いた光合成の測定
パルス変調を用いたクロロフィル蛍光測定は、近年発達した手法です。光化学系IIの最大量子収率、電子伝達の量子収率、エネルギーの熱放散の効率などを簡便に測定できるため、急速に使用例が増えています。また、植物体の葉をそのまま非破壊的に測定できること、海水中のプランクトンの光合成活性をそのまま測定できることなどから、野外での測定などにも応用例が広まり、さまざまな解析方法が発達してきました。
一方、測定自体は「ボタンを押すだけ」に近く簡単であるにもかかわらず、その原理は十分に理解されているとは言えず、測定はしてみたもののデータの解釈がわからない、などという声も聞きます。そこで、本ワークショップでは、簡単な原理の解説と、測定機器を使っての実際の測定によって、パルス変調法を研究の上で使いこなせるようになることを目的とします。
5月31日までで申し込みを締め切ったところ、30名以上の応募がありました。実際に機器の操作の実習を行う関係上、人数については20名程度を上限としたいので、考えた末、2回に分けて開催することに致しました。
第1回、第2回とも無事終了しました。遠いところから来てくださった参加者の皆様に感謝します。
日時:
第1回 2002年7月10日(水)13:30−17:00、7月11日(木)9:30−13:00 (参加者19名)
第2回 2002年7月29日(月)13:30−17:00、7月30日(火)9:30−13:00 (参加者20名)
場所:
東京大学柏キャンパス新領域生命棟
内容:
簡単な蛍光測定の原理の説明、実際の機械を使ってのデモンストレーションです。今回は、あくまで初心者向けです。装置の購入を現在考えている方、または装置を購入したけれども、使い方に疑問をお持ちの方を対象とします。 ご自分の材料で測定してみたい方は 、試料を持ってきて実際にいろいろな機械で測定してみることを歓迎いたします。
使用機種:
Waltz社 PAM 101/102/103 (Old PAM): 生葉での測定用
Waltz社 高感度測定ユニット: 藻類、シアノバクテリア、チラコイド膜の測定用
Waltz社 キセノンPAM: ポンプ&プローブ測定用
Waltz社 二波長P-700測定ユニット: P-700測定用
PSI社 二重変調蛍光光度計: QA再酸化キネティクス測定用
PSI社 二次元蛍光イメージングシステム: 変異株のスクリーニング用
Licor社 LI-6400Fクロロフィル蛍光・光合成蒸散測定システム
Hansatech社 クロロフィル蛍光測定システム