薄層クロマトグラフィー(TLC)の原理は?

薄層クロマトグラフィーの場合、シリカゲルの層にスポットされた光合成色素は、シリカゲルの細かい粒にくっついたり、離れたりしながら動いていきます。ですから、粒に強くくっつく場合は遅くなり、弱くくっつく場合は速く移動します。洗濯物の繊維にくっついた汚れを洗濯機で落とす場合を考えてください。水で洗ってもなかなか落ちない汚れも、汚れを溶かす洗剤の溶液を使うと落ちます。同じように、色素をより溶かす溶媒を使うと、シリカゲルとのくっつき方が弱くなって速く動きます。光合成色素は、ものによって水に溶けやすさ(極性といいます)が異なり、水に溶けにくい溶媒(つまり極性の小さな溶媒)を使うと、水に溶けにくい色素ほどシリカゲルとのくっつき方が弱くなって速く動きます。それで、違う色素を分離することができるのです。