光合成産物をデンプンにするかショ糖にするかは何によって決まるのですか?

植物の多くは光合成の産物をデンプンとして蓄積しますが、種類によってはショ糖の形で蓄積するものもあります。例えばサトウキビやサトウダイコンなど砂糖の原料となる植物がそうです。イネ科のものが多いようです。光合成産物がショ糖になるかデンプンになるかは、ショ糖を合成する酵素であるショ糖リン酸合成酵素(SPS)の活性に依存します。葉緑体で作られた糖は、細胞質でSPSによってショ糖に変えられます。SPSの活性が高い時はどんどんショ糖が合成されるますが、活性が低い時は、ショ糖の原料となる初期光合成産物が葉緑体に蓄積し、それが、葉緑体の中でデンプンに変えられます。植物の種類によってデンプン量に差がある場合、SPSの活性とデンプン量の間によい相関があるとのことです。ですから、デンプンをほとんど貯めない植物でも、デンプンを合成する能力がないのではなく、SPSの活性が高いために同化産物がショ糖にまわってデンプンにはまわらない、ということでしょう。