ルビスコはなぜ量が多いのですか?
ルビスコは二酸化炭素を固定する酵素(カルボキシラーゼ)ですが、確かに、「地球上で一番多く存在する酵素である」と言われています。実は、ルビスコの二酸化炭素固定速度はタンパク質あたりで見ると極めて遅いのです。二酸化炭素との親和性も他の酵素の基質に対する親和性に比べると低いですし、基質回転速度をみても極めて低い方です。この反応の遅さをカバーするために量が必要になるのでしょう。反応速度が遅いこと自体の理由というのは難しいのですが、奈良先端大のグループが、ルビスコは、昔、別の代謝系に使われていた酵素が進化の過程で二酸化炭素固定能力を獲得したらしいことを明らかにしました。とすると、元々は二酸化炭素固定とは全く別の酵素だったわけで、それを改造しても限度があった、ということかも知れません。新しく何か別の酵素を土台に新ルビスコを作れば、もしかしたら、もっと効率がよくなるかも知れませんね。