光呼吸とは何ですか?
通常の光合成では、ルビスコという酵素が、炭素5個からなる物質に二酸化炭素(炭素1個)をくっつけて炭素3個からなる物質を2分子作ります(二酸化炭素固定)。ところが、二酸化炭素が足りないような条件では、同じルビスコが炭素5個からなる物質に酸素をくっつける反応を行ない、その結果出来た物質が還元力とエネルギーを使いながら、様々な反応を経て二酸化炭素と炭素3個からなる物質を作ります。この過程では、炭素の酸化が起こり、またATPと還元力が消費されてしまいます。この一連の反応が光呼吸です。光呼吸では、「無駄に」還元力とATPが使われ、しかも炭素同化とは逆に有機物の一部が二酸化炭素に分解されてしまうことになりますので、百害あって一利なし、という気もします。しかし、光が過剰な(もしくは二酸化炭素が足りない)条件では、還元力を使い、かつ二酸化炭素を作る反応は、還元力の過剰による活性酸素の生成を抑えるのに働くのではないかと考えられています。