C4型の光合成の特徴は何ですか?
一般的な光合成では二酸化炭素の固定をカルビン・ベンソン回路という代謝経路で行ないます。この部分はC3でもC4でも共通なのですが、C4では外から取り入れた二酸化炭素が直接カルビン・ベンソン回路に入らずに、まず炭素原子を4つ含む(これが名前の由来)リンゴ酸などの有機物へと固定されます。できたリンゴ酸は、最終的な二酸化炭素固定を担う別の細胞に運ばれて、もう一度二酸化炭素を放出し、その二酸化炭素がカルビン・ベンソン回路に入ります。このように説明すると、C4光合成は二度手間をしているように思えますが、実際には、このような形で二酸化炭素をいわば「濃縮」して光合成の効率を上げているのです。温度や水分条件などがその植物にとっての最適条件である場合、植物の光合成の律速段階は二酸化炭素濃度です。従って、通常の大気条件(0.04% CO2)での最大光合成速度を強光条件で比べると二酸化炭素濃縮系を持つC4光合成の方が一般的に高くなります。なお、C4光合成を持つ方がいつも有利というわけではありません。リンゴ酸の輸送などにはエネルギーが必要ですから、暗い環境などで使えるエネルギーが少ないときには、かえってC4植物の方が不利になります。