なぜもやしは白い必要があるのか?
これは、緑色のところで光合成をするのだったら、暗いところでも明るいところでも、いつでも緑色をしている方が簡単なのではないか、という質問でしょうね。確かに、その疑問には一理あって、実際に植物の種類によっては、真っ暗な条件でも緑色の葉を出す種類もあります。しかし、多くの植物は、真っ暗な条件にすると白いもやしになります。この理由は、植物にとって、光合成ができるように「緑色になる」ためには、多くのエネルギーと物質が必要だという点にあります。何の出費もなしに緑色になれるのでしたら、当然、いつでも緑色になっていた方が得なのですが、実際には、いわば大変な仕事なので、光のあたらない、光合成の必要のないところでは、白いままにして、光があたると、初めて「スイッチが入って」緑色になるような仕組みを作っているのです。そのようにして、いわば無駄を省いているわけです。植物は、そのために、光を感知するための、いわばセンサーを持っています。このセンサー(実際には光を吸収する色素)が光を受けると、その信号がいろいろなところに伝わってタンパク質やクロロフィルが合成されて、緑色になり、光合成ができるようになります。