水草も気孔から二酸化炭素を取り込むのか?
水草の多くは気孔から二酸化炭素を取り込んでいないようです。そもそも、陸上植物がなぜ気孔から二酸化炭素を取り込むか、というと、気孔以外の部分から二酸化炭素を取り込めないからです。なぜ取り込めないかというと、表皮にクチクラ層という構造があって、気体の出入りを妨げているからです。では、なぜそもそもクチクラ層を作るかと言えば、細胞から水が失われてひからびるのを避けるためです。とすれば、水が失われる心配のない水草では、厚いクチクラ層を発達させる必要はありませんから葉の表面から直接二酸化炭素を取り込むことが可能になります。ただ、葉の細胞層の重なりが多くなると、どうしても中心部の細胞まで二酸化炭素が拡散していくのは大変ですが、水草では葉の細胞層の重なりが少なくなっています。その意味では、水草ではありませんが、常に水しぶきがかかるような場所にはえるシダでも、細胞層が薄く、気孔をほとんど持たないものが知られています。また、水の中の単細胞藻類も光合成をするわけですが、これらはもちろん気孔を持ちませんし、細胞表面から、二酸化炭素(もしくは炭酸イオン)を取り込むことが知られています。