大気の二酸化炭素濃度が増えているということは、酸素は減っているのか?

光合成では二酸化炭素を吸収して酸素を発生する一方、呼吸や燃焼では酸素を吸収して二酸化炭素を発生します。二種類のガスの濃度は、おおざっぱに言えばこの光合成と呼吸・燃焼のバランスによって決まりますから、質問にあるように、大気中の二酸化炭素濃度が増える場合には、酸素濃度は減少しているはずです。ただ、今のところ、酸素が減って呼吸ができなくなる心配はしなくとも良いと思います。それは、大気中の酸素と二酸化炭素のもともとの濃度が大きく異なるからです。大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命以前には0.028%程度でした。今は0.04%ぐらいまで上昇しましたから、割合にすると、0.04/0.028=1.43となって43%も増加したことになります。しかし、増加の幅は0.04-0.028=0.012となって0.012ポイントです。一方で、酸素はもともと空気の21%を占めますから、ここに0.012ポイント分の酸素が減ったとしても、元の濃度からの割合で見ると減少はほとんど無視できる幅です。もともとたくさんある酸素は、二酸化炭素と違って濃度が変化しづらいわけです。