どの程度の光だと植物にとって強すぎるか?
これは植物の種類によっても違いますし、同じ植物でも明るいところに育っていた植物と暗いところに育っていた植物で違いますので、一概に言えません。さらに、同じ植物で、同じ光環境に育っていた植物でも、他のストレス、例えば乾燥ストレスなどが加わると、ストレスがない時に比べてより弱い光領域で阻害が起こるようになります。これは、なぜ強すぎる光は光合成によくないのか?で説明した「光を使わない反応」の速度がストレスによって低下して、結果として同じ光が当たっていても、余分になるエネルギーの割合が大きくなるためです。従って、植物の種類、育った光環境、そしてストレスの有り無しの情報がないと、光合成が正常に進行する光の範囲はわからないのです。ただ、一般的には、ストレスがない時には、それまで生育していた環境の光の明るさの程度までは問題なく光合成できるはずです。従って、強すぎる光によって光合成が阻害される光阻害がおこるのは、(1)それまで生育していた条件の光が急に強くなった場合(例えば室内に置いてあった鉢植えを急に外に出した場合)、(2)光の強さは同じでも、例えば温度が急に低下した場合、などが考えられます。