植物の栽培に西日は悪いか?
全ての植物に西日が悪影響を与えるわけではなく、強光・高温・乾燥に弱い植物の場合が比較的多いでしょう。例えば畑のトウモロコシなどでしたら、西日も含めてなるべく日射時間が長い方が良いはずです。西日は真昼の太陽に比べると長く空気の層を通るためスペクトルの青の領域で若干光が弱くなり(若干赤みがかって見え)ますが、それほど大きな差ではありませんし、それをいうなら朝日もそうです。ですから光の質(スペクトル)が原因ではありえません。ある程度差があるのは西日が当たるときの温度でしょう。光は真昼に一番強くなりますが、温度は午後の方が高くなります。また、一般に午後の方が乾燥も進むことが多いでしょう。光は強すぎると植物に害を与えますが、別のストレス、例えば高温・乾燥などが加わると、さほど強くない光でも害を与えることが知られています。ですから、高温・乾燥状態に弱い植物では、そのようなストレスを受ける時間帯(=午後)に強い光が当たらない方が生育が良くなると思われます。ただ、真昼の直射日光より悪いのか、というと植物の種類にもよると思いますし、北国で気温が低い場合は、むしろ温度が上がってからあたる西日の方が植物にとって良い、という場合もあるかもしれません。