代謝生物学 第8回講義
いくつかの研究例
第8回は、実際の研究例をいくつか紹介しました。具体的には、昔生態研で学位を取った石橋さんの雨ストレスの研究、今生態研の准教授となった野口君の光合成と呼吸の関係についての研究、現在僕のところでやっている、蛍光を使ったポストゲノムの研究、の3つについて紹介しました。研究の進め方についての意見・質問がいくつか寄せられました。講義は終わりましたが、そのような一般的な質問でも、光合成に関する質問でも、いつでも受け付けますので、お気軽にどうぞ。
Q:光合成の変化のしくみがよくわかった。特に、葉の濡れによる光合成速度の減少が、気孔の閉鎖によるものだということは非常に興味深かった。確かに2分程度の短いタイムスケールで、光合成のメカニズムそのものが変化するというのは考えにくい気もするが。しかしながら、自分としては葉が濡れることで、なぜ気孔の閉鎖が起こるのかが知りたかった。浸透圧などが関係しているのだろうか?また雨処理を長く行うことで、処理をやめたあとでも光合成速度が回復が鈍くなるのは、おもしろい結果であると思う。それが、じつは雨のRubisco活性に対する影響であるというのも、興味を引かれた。雨処理により葉の内部の二酸化炭素量が変化し、光合成速度に影響を与える。したがって、一次近似的には雨処理と二酸化炭素による処理は非常に似ている言える。雨による光合成速度低下を考えると、植物は雨が降り続けると死んでしまいそうだが、実は明るいところでのみ、葉が濡れることでそういった現象が起きるらしい。一方、暗いところでは、葉が濡れても光合成速度がほとんど変化しない。これは、当然と言えば当然のことで、自然界では雨が降るときは一般に暗く、植物は雨の光合成に対する影響を受けない。実験において、光度を一定とし雨を降らす時間のみを変化させたことは、生態学的にはあまり意味のないことであったと言わざるをえない?
陽生植物と陰生植物における呼吸速に関する差異も理解できた。ホウレンソウなどの陽生植物では、光合成と呼吸は呼吸基質を介してリンクし、クワズイモなどの陰生植物では、呼吸はどうやらエネルギー要求が影響しているらしい。また、シアノバクテリアにおいては、光合成系と呼吸系が一部共有されているということもわかった。
この講義を通して、光合成や代謝のことがよくわかった。研究を例に挙げることで、より理解が深まったと思う。しかし、生物学をあまり知らない自分にとっては、全体的に少し難度が高かった気がした。また、メール送るのが面倒であまり送らなかった。評価方法は試験、もしくは出席点によるものにしたほうがいいと思う。今のやりかたでは、授業に出ないでメールだけ送る学生もいるだろうし、逆に出てもメールしない学生もいるだろうし。
A:特に後半、用意したことを全部しゃべろうとして急ぎ足になったことをお詫びします。メールについてはどうでしょうかねえ。「今のやりかたでは、授業に出ないでメールだけ送る学生もいるだろうし、逆に出てもメールしない学生もいるだろうし」というのは、単位の認定が不公平になりかねない、という趣旨だと思うのですが、単位ほしさにこの講義を聞いている学生さんはどれだけいるんでしょうか。90分の講義をみっちり8回やって1単位ですから、単位がほしいだけなら、他の講義を取るのではないでしょうか。メールによるレポートは、送ると復習にもなるし、他の学生がどのように考えているかを知ることもできる、ということで、むしろ学生向けのサービスのつもりなのです。毎週毎週、全ての学生のメールに対して答えを書くのって、僕の側からすると大変なんですよ。試験や出席点の方が圧倒的に楽です。
Q:今回の講義で紹介された3つの研究のうち、雨の植物に与える影響を調べるという研究の、雨によってRubisco量が減少するということは個人的にかなり驚きでした。これはどのような理由によって引き起こされているのかはわかっているのでしょうか。
ちなみに、最近生態研の実習があって光合成の測定をしたのですが、非常に誤差が多く苦労しました。それを考えると、このような光合成活性の研究は非常にきれいにデータが出ていて驚きます。測定が厳密に行えるようになるには何かコツがあるのでしょうか。気になりました。
P.S.先週出し忘れてしまったので、少し先週思ったことも書いておきました。結局出席はしてもレポートを半分近く出し忘れてしまい、申し訳ありませんでした。今までどうもありがとうございました。
A:Rubiscoの破壊のメカニズムについては、よくわかっていませんが、活性酸素が関与しているようです。データをきれいにとるコツは、「繰り返すこと」です。研究室に入りたての学生さんはたいてい実験誤差が大きいものですが、1,2ヶ月実験をしていると、だんだん誤差が小さくなります。本人に聞いても、たいてい理由は特にないのですが、1つ1つの手順が頭に入って、操作を体で覚えると、自然と誤差は小さくなるようです。
Q:2番目の研究の話で、陽生植物では呼吸基質が呼吸の律速となり、陰生植物ではエネルギー要求が律速となるということでしたが、陰生植物の生長が遅いのは光合成速度が小さいからですよね?光合成産物が少なくなれば生長の材料が少ないために生長に必要なエネルギーは小さくなると思いますが、同時に呼吸基質も少なくなり、陽生植物と同じように基質が律速になり得る気がします。陰生植物は陽生植物に比べて、光合成産物が生長の材料よりも呼吸基質に回される割合が大きいということなのでしょうか。
A:呼吸と光合成というと何となく1対1の関係のように感じますが、光合成の速度は呼吸の速度に比べておそらく数十倍は大きいと思います。つまり、夜の始め(光合成が停止してすぐ)に光合成産物である呼吸基質が陽生植物では律速になる、というのが不思議なぐらいです。陽生植物では、呼吸のキャパシティーが非常に大きいということでしょうね。
Q:後半の話題で、クロロフィル蛍光から変異体(遺伝子)を分類するという話がありました。蛍光挙動で遺伝子がグループ分けできるというのは面白かったのですが、遺伝子破壊と蛍光の変化の間がブラックボックスというのはいかがなものでしょうか。これでは機能未知の遺伝子の機能を調べるという最も重要なアプローチにほとんど役に立たないように思えますが、その辺はどうなんでしょうか。
A:機能未知の遺伝子の機能を調べるにあたって、一番問題になるのは、何を調べたらよいのかが分からない点です。蛍光による遺伝子の網羅的カテゴリー化によって、何の関連の遺伝子かがわかれば、個々の遺伝子について詳しく表現型の解析をすることになります。もちろん最初から個々の遺伝子について、蛍光の時間変化の原因を詳細に調べてその原因を探るという手法もありますが、それでは網羅的な解析はできません。別にどちらの方法がよい、という問題ではないのですが、まずは、ブラックボックスのまま、網羅的に解析を進め、引っかかったものについて(蛍光変化と表現型のつながりも含めて)詳細に解析するのが効率的なのではないかと思っています。
Q:先日の講義で印象に残ったのはポストゲノム解析の話の部分です。光合成や蛍光に関係したものを解説していただきました。様々なアプローチが試されているのがわかりました。最近教官や院生さんと話していて「〇〇の時代はゲノム解析も終わったし面白い発見をするのが難しくなり、もうすぐ終わると思うだから次は××を使って実験したい」というような内容をよく耳にします。こういう対象の切り替えについて先生がどのような考えを持っておられるかを教えて下さい。
A:ゲノム解析が終わって面白い発見をするのが難しくなる、と思うのは、遺伝子のクローニングとシークエンスばかりをしていたような人だけではないでしょうか。むしろゲノム解析は出発点だと思います。さる先生がついこの間、将来はある実験材料で研究を始めようと思ったら、まずお金を出してゲノム配列を決め、それから研究をスタートする時代が来るのではないかとおっしゃっていました。僕も全く同感です。今までは、ゲノム解析自体が研究対象でしたが、今後は、ゲノム解析も、電気泳動やPCRと同じに、研究にあたって必要不可欠な研究手法という位置づけになるのではないかと思います。
Q:雨の降ったときの光合成の測定というテーマはすごく面白いと思いました。遺伝子とかそういうミクロな生物の仕組みを研究することは、視野が狭くなっていてじゃあ、それがわかったら実際に生きている植物の何がわかるのか考えてみると、私にはそういう研究は面白そうにはまだ思えません。(きっと植物の生態と遺伝子とかたんぱく質がスムーズに頭の中で連動して考えられるようになればそういう研究も面白そうになるんでしょうが))もう植物の生態に関する研究はとっくにされ尽くしてしまっているんだと思っていましたがかえってそういうシンプルな研究がなされていないのではないかと今回はお話を聞いていて感じました。
A:生態学の分野は、現在の遺伝子全盛の生物学にあって、いわば取り残された分野です。昔ながらの手法をそのまま使ってできる生態の研究は、もしかしたらかなり「され尽くして」しまったのかも知れませんが、一方で、新しい手法を取り入れて研究しようという意志のある人には、生態学は研究材料の宝庫になると思います。
Q:葉の濡れる時に、日照の低下も同時に起こっていれば、光合成の阻害は避けられるというところに、生物がこの地球という特定環境において適応的に進化してきたということが感じられた。代謝というとき、生物はエネルギーの有効利用ばかりを目的としていると感じていたが、いかに捨てるかということにおいても巧みに進化してきたことを知った。これは、人間の現代社会についても考えさせるものだった。
A:植物の場合は、いわば無限の太陽エネルギーを捨てるだけですが、現代日本人の場合はわざわざコストをかけて作ったものを捨てているわけで、これは生物の進化からは許されないことですね。
Q:今回の講義では,いくつかの研究例について聞くことができ、こういう研究もあるのかと大変興味深かったです。研究テーマを決めたあとどのような実験をやっていけばよいかを計画することはとても難しいことのように思えます。ところで植物の発熱についてもう少し知りたいのですが、植物が発熱するのはシアン耐性回路のためなのですか?
A:植物の発熱の研究をしている人は必ずしも多くないので、まだ、確立したことではありませんが、シアン耐性経路で発熱する場合と、アンカップリングタンパク質で発熱する場合があるようです。アンカップリングタンパク質は、ミトコンドリアの膜を脱共役することにより、作られたプロトン濃度勾配を解消し、結果として熱を発生します。
Q:実際の研究に即した内容で,とても参考になりました。テーマを自分で見つけて,実験可能なものなのか,どのような方法が効率的なのか,など実験に入る前に考えなければならないことはたくさんありますが、パズルみたいで楽しそうです(実際は本当に大変だと思いますが...)。CCD蛍光カメラを用いた遺伝子のcategorizeの実験系についても,シンプルな原理を実用化に発展させることの重要性を感じました。私も自分のオリジナルな実験系を確立できるようになりたいです。ところで、このような方法でより簡便に各遺伝子の機能が解明されることが期待されるわけですが,その先に先生はどのようなことを考えてらっしゃいますか?解明された遺伝子の機能やその他の研究成果を利用して私たちはどのような形で社会や地球に貢献できるのでしょうか?例えば現在一般に行われているように、ただ人間に有用な遺伝子組み換え植物を作り出すのでは何かが違う気がします。授業とは直接関係無いのですが、もしよかったら園池先生の考えを伺いたいです。私の中で長い間解決が得られない問題なのです。最後になりましたが,大変中身の濃い授業でした。本当にありがとうございました。
A:僕自身はどちらかというと基礎科学志向で、応用は目的ではなく結果だと思っています。数学や理論物理では、おそらく研究者個人の能力が99%をしめており、どれだけ頭がよいかが勝負だと思います。一方、生物学の場合、頭で考えて、こうなるはずだと実験をしてうまくあたった結果というのは、まあ、論文になるでしょうが、世界の人をうならせる結果にはならないことが多いでしょう。ところが、実験の結果、全く思いもかけない結果がでた場合は、それがすばらしい仕事に結実することがあります。生物学者に求められる能力は、そのような思いがけない結果が新しい仕事につながるかどうかを判断する能力だと思います(ただの実験ミスの場合だってあるでしょうし)。逆に言えば、思いがけない結果というのは、ねらって得られるものではありませんから、生物学の研究の目的は、その研究成果の利用とは分けて考えるべきだと思います。もちろん研究成果の利用は非常に重要なことですし、得られた成果の用途を考えることは常に必要です。
Q:雨が降るとどうなるだろうか、というふとした疑問から研究は始まるのだと聞いて感心した。植物におけるゲノムプロジェクトがどういう経路をたどっているのかをかいまみれてよかった。遺伝子とは直接関係のなさそうな、クロロフィル蛍光がこのように利用されていることに驚いた。
A:自慢じゃありませんが、クロロフィル蛍光を遺伝子機能の網羅的な解析に使えると考えたのは世界でも僕だけではないでしょうか。
Q:雨の影響の研究は面白かったです。天気雨が降るとルビスコは壊れてしまうということですが、電子伝達が動いているときに低CO2様状態になって、基質が減り、電子伝達の余分なエネルギーが悪さをするんでしょうか?実際雨が降るときは暗いから阻害されないとのことでしたが温室で植物を育てるときに、光を当てながら上から水を与えると悪影響が起きるのだなあと思い、技術が進んで人工的環境で育てられるようになったからこその問題点というのは、やっぱりあるんだなあと思いました。まあ、わざわざ温室で上から水をかけようなんて思わないかもしれませんが。でも、全く水が葉にかからないのもそれはそれで、問題がでるかもしれないし、難しいものです。どんな変異でも、ほかのところに大なり小なり影響が出るんじゃないかと今まで疑問に思ってきたのですが(遺伝学で物事を考えるとき問題になるきがしたのです。)シアノバクテリアのクロロフィル蛍光解析はその疑問とリンクしていて面白かったです。簡単に差を検出できる方法さえ思いつけば、光合成じゃない他の因子でも同様のことが出来るのではないかと思いました。他の研究でも感じたことですが、やっぱり技術は重要ですね。結局検証できないことは科学的ではない、という考え方からすると技術の開発なしに科学は進歩しないという感を強くします。(微)生物をうまく使って、革新的な方法を何か作り出してみたいなあと毎度思うのですが、まだまだ頭が足りないようで。まあ精進します。
最後に。わかりやすくて面白い授業で、楽しかったです。2単位分やってくれても良かったように思います。ありがとうございました。
A:「電子伝達がはたらいているときに...余分なエネルギーが悪さをする」というのは、まさにその通りです。完全に講義を理解していますね。生物の研究も、今は人が面白そうなことを見つけるとわーっと集まるようなところがあります。その際に、自分独自の技術、ないしはアイデアを持っているかどうかは非常に大きいですよ。講義はちょっと詰め込みすぎましたね。かなり基礎的なことから研究例まで入れてしまいましたから。本当は、3年生と4年生相手に別々に一単位ずつの講義をするのが一番理想的かも知れません。
Q:低二酸化炭素ストレスではRubiscoの活性が下がるが、雨ストレスだとRubiscoが壊れてしまうとのことでしたが、葉が濡れると結局何が違うのでしょうか?湿度は葉内だとそう変わらないのではないかと思うし、温度が下がるせいで酵素が壊れるというのも変な話だと思うのですが…また、光が弱い時には阻害が起こらないということは、これは直接的には光阻害なのでしょうか?だとすると低二酸化炭素でRubiscoがなぜ壊れないのかわからなくなります。
A:低二酸化炭素ストレスと雨ストレスの違いは解決していないのですが、1つ可能性としてあげられるのはリーチングという現象です。葉が濡れると、葉から水の層へ、かなりイオンなどが流れ出すことが知られており、これをリーチングといいます。通常の条件では、多少イオンが流れ出しても問題はないのですが、もしかしたら、Rubiscoの活性化率が下がった状態ではリーチングが悪影響を与え、結果としてRubiscoの破壊につながるのかも知れません。
Q:今回の講義を聞いて、光合成という観点から、多様な方向性の研究ができるのだという事がわかりました。植物にとって最大の特徴である光合成は、きっと植物の解明における最大の課題でもあるのだなと思いました。さらに、「雨が降ると植物はどうなるか」などというこんなに漠然とした、しかも非常に素朴な疑問と思われることも、科学的に証明していく事が可能なのだということに少し驚きました。私自身はまだ自分が知りたいことや研究したいことなどが全く見えていないところですが、こういう何気ない疑問をきっかけにしていきたいです。
A:もし将来研究者になるのでしたら、自分が面白いと思うテーマを選ぶというのは非常に重要なことです。いろいろな話を聞いて、いろいろな研究例に接して自分の適性についてみて考えてみるのがいいでしょう。そして「何気ない疑問」というのは重要ですよ。
Q:一部で試みられているスーパーRuBisCOの創作について。RuBisCOによる二酸化炭素固定が遅いのは酵素側・二酸化炭素側どちらに原因があるのでしょうか。二酸化炭素のような極性の低い化合物は反応に利用されにくいのでしょうか。園池先生自身はスーパーRuBisCOの創作は可能とお考えでしょうか。またそれはどういう理由に基づいていますか?
A:RuBisCOの活性は、光呼吸がない条件下でも他の酵素に比べれば低いです。また、二酸化炭素を基質とする酵素は他にもありますが、これほど遅いのはRuBisCOだけでしょう。スーパーRuBisCOの作出は可能かも知れませんが、それが作物の生産なり、生態系なりにインパクトを持ちうるかどうかはわからないと思います。二酸化炭素濃度を上げれば光合成活性はあがりますが、長期的に二酸化炭素濃度を上げると気孔の閉鎖が起きて結局は光合成がさほどあがらなくなってしまうというような報告もあります。特に長期的な影響を見た場合、複雑な代謝系の一点だけを変えてクリアーな結果を期待するのは少しむしがよいかも知れません。
Q:授業としては、毎回、興味深い内容で充実したすばらしい授業だったと思います。敢えて不満点をいえば、研究手法だけでなくて、今後の学習の発展につながるような参考文献を示して欲しかったです。また、他の研究室を含めて、現在、この分野で他にどのような研究が行われているのか、知りたかったです。すばらしい講義をありがとうございました。
A:そうですね。参考文献を紹介しませんでしたね。反省します。光合成研究の夢を語ったような良い教科書があるといいのですが、どうもありません。朝倉書店の植物生理学講座の新しいシリーズで「光合成」の巻がでて、最新の成果はそこで知ることができます。ただ、「夢を語る」というわけにはいきませんが。
Q:雨が植物にどう影響するのか、不思議に思うことは自然だ。だがそれと、自分の研究テーマにできることとは違うと思う。具体的な実験方法が思いつかないかもしれないし、何より指導教官に難しいといわれたら、一歩引いてしまうだろう。それでも進めていくタフさ。実際の環境条件におけるものとは少し違う条件における結果が出たとはいえ、今まで知られていなかった現象を明らかにできたのだから、そのタフさは大事なものなのかもしれない。
A:そうです。研究者にとって「頑固さ」というのは重要な資質です。学生実習と違って実際の研究は結果がでるかどうか必ずしもわかりませんから、その中で自分を信じてねばり強く研究を進めていくのにはある程度の頑固さ、タフさは必要不可欠です。
Q:8回にわたり分かりやすく楽しい講義をありがとうございました。先生の講義のすばらしい点は、この講義後にメールを送るというシステムと毎回のプリントだと思います。ほかの講義では、テストのためにノートをとるという感じになりがちですが、この講義では大体のことはプリントに書いてあるので話を集中して聞けますし、メール課題はそのはげみにもなります。プリントも話の流れにそってまとまっていて、「この結果が出たから次はこうした」みたいなものがとても分かりやすかったです。密度に差があるような気がする回もあったので、毎回1つのトピックにしなくても、濃い内容のところは二回に分けたりしてもいいと思います。毎回遅くなってしまって・・・申し訳ありません・・
A:話したいことが先にあって、それを8回の講義に押し込んだので、回によって詰め込みすぎのところがどうしてもでてしまいました。結果的には、光合成の測定の話をやめて、そこへうまく割り振れば良かったかも知れませんね。メールはだいたい来た順番に載せていますので、下の方にあるということは...
Q:今回の話は具体的に実験がどのように行われるかの概要がつかめて参考になりました。今回疑問に思ったのはルビスコが雨が降るとなぜ活性が落ちるのかということ。酵素が不活性化する直接の原因はなんでしょうか?
A:直接の原因についてはわかっていません。たぶん、低二酸化炭素のせいで過剰になった還元力が活性酸素の発生につながり、活性酸素がルビスコを阻害するのではないかと考えています。