植物生理学I 第9回講義
実際の研究例−導管の太さとエンボリズムの関係
第9回の講義では、導管の太さとエンボリズムの関係について、東京大学日光植物園の舘野さん、種子田さんのご研究を中心に紹介しました。導管が細い方がエンボリズムが起こりにくいが、今度は水分供給の面で不利になり、そのかねあいで、ある導管の太さを持った植物がどのような分布域を持つかが決まってくる、というお話でした。今回を最後とする一連の講義の中で、繰り返し、「なぜ」という質問の重要性に触れてきましたが、これは実は、僕が館野さんから学んだことでもあります。今回は返事の部分はまだ工事中です。
Q: 最後の講義は導管の太さとエンボリズムについてだった。講義では凍結融解によるエンボリズムは導管径が大きいと起こりやすい。また、冬期の冷温帯では、暖温帯の種は導管径が大きく、強くエンボリズムを受けていたのに対して冷温帯の種は導管径が小さく、エンボリズムを回避していた。その結果、もともと暖かいところに育っている常緑樹のほうがエンボリズムが起こりやすいことがわかった。導管径が太くても生育できる植物は太いほうが光合成がより有利であるが、導管が太いといってもクラスで配られたグラフによれば150ミクロメートル位に全体的にとどまっていた。これはなぜ?って先生もまだ発見されていない疑問であるとおっしゃっていましたが、もしかしたら150ミクロメートル以上になってしまうと、植物が自分を支えていられないとか、水を吸い上げるのが無理になってしまうや、水のcohesionやadhesionの性質がなくなってしまうとかなのでしょうかね?で、講義の結論としては常緑樹では北に生えてるものは導管が細く、南に生えてるのは太くて、導管径の細いほうが、光合成を抑えることができ、南では他の種に負けてしまう。また、南に生えてる太い導管径を持つ植物はエンボリズムが起き、北では生育できないということであった。この導管の太さの違いって人間でいえば北極とか寒いところに住んでいるエスキモー人の体系が低くてまるく、脂肪がたくさんついていて、逆に暑い国に住んでいる人は細くてスレンダーな体系をしてるのと少し似ていると思いました。今回で今学期の授業はすべて終了しましたが、とても楽しい授業をありがとうございました。いままで受けてきた大学の講義とは違い、今後このような講義が増えるといいなと思います。少人数だったからこのようは授業が可能だったのかもしれませんが、ただただ授業を受けるという感じではなく、たくさん考えさせられた授業でした。学んだことも多く、授業が終わったら忘れるではなく、今後のためにもなると思い、充実したクラスでした。これからも楽しい授業を続けてください。
A:凍結の心配がないところでの導管径の上限は、毛細管現象を起こす管径で決まっているんでしょうかね?クラスの中では、答えられていない、と言いましたが、今回紹介したデータによっては答えられていないと言うことで、もしかしたら水分生理の専門家にとっては、自明なのかも知れません。
Q:冬にエンボリズムが起きてしまう、導管の直径が大きいとエンボリズムは起こりやすく、だから常緑樹では太い導管を持つと北に分布できないというのは分かったのですが、そもそもエンボリズムはどうして起こるのですか?
導管に気泡が入ってしまうのは構造上物理的に仕方のないことなのですか?エンボリズムを起こすことで植物にとって何かメリットがあるのですか?
ということをプリントを読み返していてふと思いました。常緑樹が北の方に行くと導管が細くなるというのはエンボリズム
対策だけのために進化したのでしょうか。(なんか?が多くなってしまいましたが…)そして、今回はたまたま常緑樹の導管という組織に着目した結果北と南での棲み分けを知ることが出来たわけですが、もし他の組織に着目したとしてもより北に向いている、などという特徴は現れてくるものなのでしょうか。導管一つに着目してもこんなに自然はすごいと感じる一方、まだまだ発見されていない植物の組織の適応のすごさというものはたくさんあるのではないかと感じました。
短い間でしたがどうもありがとうございました。後半の実例みたいな講義は特に良かったです。具体例を一つ一つ見て行く毎に植物や自然界の偉大さみたいなものを感じました。
また何かありましたらEメールさせて頂くと思います。今後ともよろしくお願いします。
P.S. 今日は夜中の2時までの準備、お疲れ様でした!!(^O^)
A:エンボリズムが起こって植物が得をすることはないでしょうねえ。構造上仕方がないのではないかと思いますが。導管以外にもこのような例はいろいろありますよね。陰葉・陽葉などは皆さんも知っていると思いますが。
僕は、電話はあまり好きではないのですが、メールに関しては気安いたちなので、話題は何でも構いませんので、気軽にメールでご連絡下さい。
P.S. 講義の準備もなかなか大変だとわかっていただければそれで...
Q:導管内に気泡が進入するために水分の通導を妨げてしまう現象であるエンボリズムは、導管径が大きいほど起こりやすいことを学んだ。加えて常緑樹の場合は、葉を残すために冬期でも蒸散は避けられず、よって地球北部に生息するものの導管は細くなり、地球南部に生息するものの導管は太い。従って、後者は北部では生息できないし、前者は南部では他の種に負けてしまうのである。このように、それぞれの植物がその生息する場所に適応し、導管径のサイズを適応させ、植物の多様性を図っているのである。導管の太さの調節まで、適応の範囲に入っているとは今まで考えたこともなかったため、「なるほど」と納得してしまった。
また、落葉樹の場合は冬期に葉を落とすために蒸散が抑えられ、よってエンボリズムの影響も少ないこと、そしてそのために導管径が緯度の広範囲でほぼ一定に太いことも学んだ。しかしそれは150μm周辺で一定となっていて(南部の落葉広葉樹とほぼ同じほどの太さ)それ以上の値にはならない。この理由について、例年よりも寒い冬や、また毛細管現象に適した大きさであるのではないか、などが挙げられた。なぜなら、毛細管現象は管の内径に反比例するからである。この太い導管により、落葉樹は大きい通導性を得ることができ、したがって夏期には光合成を効率よく行うことができる。このようにして、構成コストおよび維持コストを「稼いで」いるのである。
さて、今日の授業で疑問に思ったことは、落葉針葉樹の場合である。カラマツはとりあえず置いておくにしても、メタセコイヤなどはどうなのだろうか。メタセコイヤはその背の高さと数千年にもなる高樹齢で有名だが、日本の関東北部とほぼ同緯度にあたるアメリカのカリフォルニア州に多く生息している。その背の高さから、導管は細くなければ毛細管現象による水分供給は不可能となる。しかし、落葉樹であると言う点から、導管は太い方が夏期の光合成は有利なのではないだろうか。それとも、メタセコイヤはその幹の太さから、細い導管をいくつも持っているのだろうか。考えてみると、この説明が一番妥当なように思える。
A:樹高が高ければそれだけ導管が細くなくてはいけないのか、それとも、ある一定の細さ以下であれば、樹高が変わっても水分供給には影響がないのか、それをよく知りません。今度は、同じぐらいの気候帯の樹木について、樹高と導管の太さの管径を調べれば答えが出るかも知れませんね。
Q:植物と動物の適応における比較(より複雑で柔軟な適応はより低い確率で起こる?)
樹木における凍結融解によるエンボリズムは導管径と関係があり、導管径が細いと寒冷条件でもエンボリズムを起こしにくいが、光合成において導管径が太いものに比べて不利であり、落葉樹や針葉樹はこれらの相反する要求に葉からの蒸散を抑えることでこたえ、寒冷地により適応した、という話しでしたが、動物のように自らの意志?で移動することのできない樹木の場合、異なる環境に移動したときに適応による多様化が進んだと考えるより、(より受身な適応→)永年にわたる環境の変化に耐え切れず自生地を少しずつ移す(非多様化)のと並行して落葉や導管径の変化による適応(多様化)も起きていたのではと思いました。もしかしたら植物の種子は風に乗って、動物の大移動なんかより遥かに遠くに運ばれるのかもしれませんが、上のように考えた根拠としては、もし植物が移動によって拡がったのだとしたら、こんなに多様な分布が現在見られないのでは、という事と、落葉や導管径を変えるという大掛かりな適応より動物が行うような短期的(柔軟な)適応がもっと発達した方が有利だということが挙げられると思いました。植物にとっての柔軟な適応というのも想像しにくいのですが。このことを確かめるにはストロマトライトのような原始的な植物の初期の分布とその時代の気候を調べること、DNA解析による植物の遺伝的系統を調べることなどが考えられると思いました。さらに話しが広がって、植物の発生は動物の発生より確率が高く、より多くの場所で化学進化が起きていたのでは、という予想はどうでしょうか。
A:地球の発達の歴史に触れたときには言いませんでしたが、地球は一時寒冷化して、全面凍結していたという説があります。そうすると、ほとんど全ての生物は、一旦、寒冷地型のものになった可能性もあります。氷河期が終わって、氷河が後退するときには、植物が地理的に北へ進出していったでしょうから、その意味では、植物もかなり移動したと言えます。進化を考える場合には、時間スケールが長いことを常に念頭に置く必要があります。
Q: 今回の講義では、地域におけるエンボリズムの起こりやすさや条件、通導性などを学んだ。常緑広葉樹で南のものは、導管径が太くてエンボリズムにより北に分布できなかったり、逆に北に生息するものは光合成がおさえられて、南においては他種に負けてしまったりと、植物においても、自分が生長していくのに最も適した環境があるということがわかった。今回の講義でわかったのは、落葉樹と常緑樹では凍結の影響の大きさが違うということである。落葉樹は樹皮からの水の放散だけなのでそんなに水が必要ないのに対して、常緑樹は冬でも葉をつけていて、葉が水の放散を行うため導管が凍結してしまうと駄目ということである。また、通導性による生産性の変化(葉がいっぱいあっても導管がなければ水分を取り込めなかったりする)を知り、落葉樹と常緑樹だけでも季節、環境の変化やバランスが大きく影響するということを知り、また地球の成り立ちの話などを聞いて、自然界には様々な作用がうまくかみ合ってバランスがとれているということを感じました。この植物生理学の講義を聞いてきて知った事は、実験の可能性の大きさ、それによる新たな発見、データの考察の重要性と楽しさ、論理的考え方による問題の解決方法などを特に学びました。今まで自分でやってきた実験に対する考え方を考えさせられる講義になりました。
A:講義の最初に言いましたが、単に知識を得るだけの講義ではなく、考え方を中心に据えた講義を目指したつもりです。それが少しでも皆さんの興味をかき立ててくれたのであればうれしいのですが。
Q: エンボリズムとは導管が凍ったり解けたりを繰り返すことで導管に気泡が入り水の供給を妨げる現象なので、導管が太いとエンボリズムは起こりやすく、それを回避するために冷温帯の植物種は細い導管を持っている。また反対に、暖温帯の植物種は導管が凍る危険性がないため、通動性を大きくするために太い導管を持っている、というシステムは非常に効率を重視していて、クリアーでした。植物も生きていくために様々な知恵を働かせて進化を遂げているように思いました。導管から吸い上げられた水分が何メートルもある木の先端にまで到達するシステムは考えてみたらとても不思議なことです。根から吸収された無機イオンの浸透圧と、葉から水分が蒸発することによる引力だけで成り立つのでしょうか?
授業中先生がおっしゃっていた“実験において、矛盾しないこと≠証明できること”という言葉は、確かに当たり前のことですが自然の複雑さ・大きさを感じさせられ、また人間はそれに挑んでいるようで印象に残りました。一連の授業を通して感じたことですが、知れば知るほど自然は偉大なものですね。授業中に登場する“なぜ”のおかげで、新しい視点に出会うことのできる貴重な授業でした。一学期間とても興味深い授業をどうもありがとうございました。
A:水の柱を維持するのは毛細管現象によってですが、吸い上げる力は根圧と蒸散によっています。
本当は、講義の中で、1回ぐらい簡単な実験をやって、それについて考察してみるとさらによいのでしょうが、実際にはなかなか難しいですね。
Q:今回の授業で取り扱った導管の太さと落葉樹、常緑樹の関係、及び、導管の太さと生息する環境の関係についての研究はとてもわかりやすかった。
今回の研究結果をまとめると
WE:導管太い・暖かいところでは夏でも冬でもエンボリズムの度合いに変化なし・寒いところでは蒸散速度が他の植物などに変わらないのに水のストレスを受けており、これは、エンボリズムが起こっているからだと考えられる。
CE:導管がWEに比べて細い・寒いところでもWEに比べてエンボリズムが起こりにくく、また、蒸散速度が他と変化あるわけでもなく、水分のストレスを大きく感じているわけではない。
また、落葉樹は冬、葉を落とすため、冬、エンボリズムが起こることによって生存に直結に関係することが常緑樹に比べて少ないためか導管サイズと分布がそれほど影響しあわないのに対し、常緑樹は導管サイズと植物の分布の間に大きな関係があることがわかった。
今回の実験結果や、前回のもの、それに、他のものについて調べることで、常緑、落葉、針葉、広葉樹の分布と、それぞれのもついくつかの特徴(導管の太さ、光合成生産量など)と環境の適応性などを数学的にモデルにして、Aのような環境条件にはどのような植物種が最も生息しやすいというのを考えることができるように思った。
今回、小学生のころから“導管”や“常緑樹”、“落葉樹”という言葉を聞いていたのに、それらの間に関係があるなんて考えもしなかった。また、落葉樹、常緑樹、針葉樹、広葉樹、など本来身近に普段から存在しているはずなのに、その名前を聞いても、特徴や、その中に含まれる植物種がとっさに思い浮かばなかったことが残念だった。周りにあるはずなのに、本の中でしか植物の特徴や名前を知らない自分に愕然とした。今回の授業は、周りに存在して、普通に目で見えるものをもっと当たり前のように見る必要性があることを教えてもらった気がする。そうすれば、落葉樹と常緑樹の一般的な差、例えば幹の太さや、木の高さ、生息環境などをもう少しイメージできるようになり、その自分の知識と今回の導管の太さや樹木の分布について自分なりに新しい何かを思いつけると思った。
A:現在生物学では、分子生物学が盛んです。分子生物学の初期の頃は、まさに、分子生物学的なメカニズムそれ自体が大きなテーマでした。しかし、今は、20年前とは違って分子生物学的な新しい発見というものは、徐々に少なくなっています。現在の大部分の仕事は分子生物学をツールとして使っている研究です。従って、その研究の面白みは、どれだけ生物の機能なり、営みなりを反映しているかによります。ただ、遺伝子の配列を決めても、もはや仕事としては認められません。これからは、生物が何をしているか、という視点がますます重要になってくると思います。
Q: この「植物生理学I」の授業を通して、私は光合成の意義や、その背景・影響などを、より深く知ることができた。植物や一部の動物にとって、光合成はエネルギーを得るための唯一の手段である。より効率的な光合成を行うために、生物はその環境に適した多様な進化を遂げている。それは目に見える形態の違いといったマクロ的なものから、細胞内の光化学系の違いといったミクロ的なものまで、多岐にわたる。このような違いを、光合成のメカニズムと植物の形態との因果関係から説明してくれた一連の講義は、とても興味深いものだった。
私はほとんど毎回の講義に遅刻し、後半しか聞いていないことが多かったが、それでも授業の流れを示したレジュメや、図表などのハンドアウトのおかげで、わかりやすく授業を聞くことができました。毎週Eメールで短いレポートを提出するのは、私にとって初めてのことでしたが、講義の内容をふりかえり、自分の中で整理するいい機会が与えられたと思います。本当に今までありがとうございました。
A:今回の講義と、東大の3,4年生の講義を比較すると、今回の講義の方が、遅刻は多いものの、居眠りは少ないというのが僕の印象です。はじめは、学生の気質の違いかとも思ったのですが、東大の授業は午後一番で、今回の講義は午前中だったので、むしろ、時間帯の要因の方が大きいかも知れませんね。
Q:凍結融解によるエンボリズムは導管が太いと起りやすい、ということが実験の結果から言えるということはわかったのですが、なぜそうなのか、と頭の中で考えてみると、よくわからなくなりました。初めは、導管径が大きいものは、凍ったものが融解する時、導管径が小さいものよりも多く気泡が出現してしまうのかもしれない、と考えました。しかし、次に、導管径が細いもので気泡が発生した場合、ほんの少しの気泡でも導管の通導性に影響して、エンボリズムが起ってしまうのではないか、と考えました。すると、導管径が太いものの方が、発生する気泡の量が多くてもそれに耐えられるような気がするのですが。
授業中に配られたハンドアウトの中で、通導性に関するグラフがありましたが、水の通導性というのはどのようにして測っているのですか?実際に樹を切り開いて導管の通導性を調べている、ということではないような気がするのですが。でも、だとしたらどうやって通導性がわかるのでしょうか?測り方に信頼がおけるかどうかによって、このグラフがどのくらい信頼できるかが変わってくると思います。
同じ通導面積で比較した時、導管径が大きいと通導性が大きく上昇する、ということについて、毛細管現象から考えると、太くなればなるほど、管の中に上がっていく水の量は少なくなるのだろう、と思います。ということは、太くなると、毛細管現象による不利な点をカバーするような、別の大きな力によって植物は水を吸い上げているのでしょうか?
最後に、1学期間、本当にありがとうございました。毎回の授業でいろいろな研究の話を聞くと、こんな分野の研究があるのか、と自分の世界が広がるような気がして、それがいつも楽しみでした。そして、後半の授業での、実験データをもとにして話を進めるという形式は、授業を聞きながら自分も一緒にそのデータが何を意味しているのか、矛盾はないか、ということを考えるのが必要とされ、貴重な経験ができたと思います。
A:導管の太さに関しては、エンボリズムとの関係がある、というデータは示しましたが、どのようにして関係があるかというデータは示しませんでしたし、僕自身メカニズムについてはよく知りません。通導性の測定法共々館野さんに聞いてみましょう。
毛細管現象については、水柱がとぎれないのに寄与しているだけで、時間あたりに吸い上げる量には直接影響していないのではないかと思います。
Q: The mechanisms of vessels in plants
were intriguing to study. It is said that
water is transported from the roots to the
upper parts of trees by the capillary effect.
In the 2nd handout of the last lecture, there
was a graph that displayed that deciduous
broad-leaved plants have a limit in vessel
diameter, in spite of the fact that broader
vessels are advantageous because more water
can be transported. Why does this limit exist?
This was thought to be due to the fact that
the capillary effect may become ineffective
in cases in which the vessel becomes too
thick. How can this idea be pursued to prove
that the capillary effect is the real reason
for the limit to vessel thickness? It might
be useful to discover the extent of the effects
of the capillary effect in general; to find
the relation of the thickness of the vessel
to the pressure involved in pushing the water
up. If a clear and sharp decrease in pressure
can be seen in vessels with diameters over
certain lengths, this would be data that
would support the idea of why the vessels
in plants only slightly differ from each
other, having a limit in the diameter of
the vessel.
The reason for the nonexistence of thick
vessels in broad-leaved deciduous plants
especially in cold areas was thought to be
due to the fact that deciduous trees drop
their leaves in the winter. This makes it
unnecessary for much water to be transported
to the leaves on higher branches because
there are none. In addition to this, in colder
environments in which the temperature falls
below O℃ during the night, and rises above
0℃ during the daytime, embolism is much
more prone to occur (in evergreen trees),
especially if the vessels are thick. This
means that the plants would have more pressure
to survive under these kinds of conditions.
As in this example, it is possible to think
of the selective pressures that have changed
various types of trees to suit their environment,
since the variables and the effects of them
on the trees are quite simple and also very
logical.
This Plant Physiology course was one of the
most interesting courses that I have taken
at ICU so far. I though that it was well
balanced in that we first learned about the
basic structures of plants, including the
PSs. Then we had a chance to utilize this
information (or at least see it being utilized
in actual experiments), which helped broaden
the view on conducting experiments. This
was important because too often it is unclear
of how information is relevant to research.
The last couple of lectures on large-scale
experimentation were also interesting because
though they were also about plants, the whole
construction of ideas and hypotheses are
done in a different way.
A:上にも書きましたが、毛細管現象は水がとぎれないように働いてはいますが、導管の中で水を押し上げる'pressure'
にはなっていないと思います。ですから、実験としては、導管の太さと、外から気泡を引き込むタイプのエンボリズムとの関係を見るのがいいような気がします。
最後に生態学的な話をしたのも好評なようで、まずはうれしく思っています。
Q:今回扱ったのは導管の太さ、エンボリズムとの関係などでしたが、筋道だった展開で非常に解り易いものでした。授業中におっしゃっていたように ・条件が実験室での実験ほど厳密でない ・サンプルの選択方法が明示されていない などの問題はあるものの、直感的に解り易い内容だったように感じます。時間がある場合、光合成速度の求め方など、具体的な方法論を解説するとより興味深い内容になるのではないでしょうか。
今回に限らず生態学的な内容は、興味深く解り易い反面、どこまで信じて良いのか、がいまいち判然としない感があります。生理学などの、実験室で行う厳密な研究との差異は未だ大きいようです。
とまれ、植物生理学1、特に後半の授業は学生にとって研究の空気の一端を伝えてくれる良い授業でした。お疲れ様でした。
A:野外での実験を厳密なものにするのは大変かも知れませんが、野外での実験によって、いわば抽出された生物の生き方を、実験室内で検証することはできると思います。このような、生態学と生理学を組み合わせた生理生態学は、これからの研究の1つ方向となるのではないかと思います。
Q:エンボリズムについて、文献をしらべてみました。
The Conducting Cells of the Xylem Are Adapted
for the Transport of Water under Tension
Does this pressure difference arise because
the tree builds up a positive pressure at
its base, or because the tree develops a
tension (negative pressure) at its top? We
mentioned previously that some roots develop
a positive hydrostatic pressure in their
xylem- a so called root pressure. But the
root pressure is typically less than 0.1
MPa and disappears when the transpiration
rate is high, so it is clearly inadequate
to move water up a tall tree. Instead, the
water at the top of a tree develops a large
tension (a negative hydrostatic pressure),
and this tension pulls water up the long
water columns in the xylem. This mechanism
is usually called the cohesion-tension theory
of sap ascent, because it requires the cohesive
properties of water to be able to support
large tensions in the xylem water columns.
The cohesion-tension theory has been a controversial
subject for more than a century and continues
to generate lively debate. The main controversy
surrounds the question of whether water columns
in the xylem can sustain the large tensions
(negative pressures) necessary to pull water
up tall trees. The most recent argument began
when Ulrich Zimmermann and coworkers punctured
xylem with a fine glass capillary connected
to a pressure probe. They failed to find
the expected large negative pressures in
the xylem. Soon thereafter Martin Canny challenged
the conventional view that negative pressures
in the xylem are accurately measured by the
pressure chamber (or pres-sure bomb) technique.
Prompted by these controversial results and
conclusions, other researchers have reexamined
the cohesion-tension theory New results have
shown that water in the xylem can indeed
sustain large negative tensions. Most researchers
have thus concluded that the basic theory
is sound and that the pressure probe measurements
are in error, probably because of artifactual
cavitation when the xylem walls are punctured
with the glass capillary of the pressure
probe. Researchers can readily demonstrate
xylem tensions by puncturing intact xylem
through a drop of ink on the surface of a
stem from a transpiring plant. When this
is done correctly, the ink is drawn instantly
into the xylem, resulting in long ink streaks
as the xylem tension is relieved upon puncture
The large tensions that develop in the xylem
of and other plants create special problems.
First, the water under tension transmits
an inward force to the walls the xylem. If
the cell walls were weak or pliant, would
collapse under the influence of this tension.
The secondary wall thickenings and lignification
of track and vessels are adaptations that
offset this tenden( collapse. A second, and
more serious, problem is that Vunder such
tensions is in a physically metastable state
mentioned in Chapter 3 that the experimentally
di mined breaking strength of degassed water
(water has been boiled to remove gases) is
greater than 30 I This value is much larger
than the estimated tension of 3 Mpa needed
to pull water up the tallest trees. A tension
in water increases, however, there it increased
tendency for air to be pulled through microscopic
pores in the xylem cell walls. This phenomenon
is sometimes called "air seeding. "
Once a gas bubble formed within the water
column under tension, it expand, since gases
cannot resist tensile forces. This phenomenon
of bubble formation is known as cavitation
or embolism. It is similar to vapor lock
in the fuel line an automobile or embolism
in a blood vessel. Cavitation of the xylem
breaks the continuity of the water column
and stops water transport. Such breaks in
the water columns in plants arc unusual.
With the proper equipment, one can "hear'
water columns break. John Milburn. Melvin
Tyree. Others have attached ultrasonic detectors
to the stems of plants to detect cavitation.
When the plants ale deprived of water, clicks
are detected. The clicks correspond to the
formation and rapid expansion of air bubble
in xylem, resulting in high-frequency acoustic
shock w, through the rest of the plant. These
breaks in x) water continuity, if not repaired,
would be disastrous to the plant. By blocking
the main transport pathway of water, such
embolisms would cause the dehydration and
death of the leaves. The impact of xylem
cavitation on the plant is minimized by several
means. Because the tracheary element in the
xylem are interconnected, one gas bubble
mi in principle, expand to fill the whole
network. In practice, gas bubbles do not
spread far, because they stopped at the pitted
walls between overlapping cheids and vessels.
Their expansion is stopped because the gas
cannot easily squeeze through the small pore
the pit membranes, an effect also due to
the surface tension of water. Since the capillaries
in the xylem are interconnected, one gas
bubble does not completely : water flow through
a vessel or column of trachields. Instead,
water can detour around the blocked point
traveling through neighboring, connected
conduits. Thus while the presence of pitted
walls in the xylem increases the resistance
to water flow, it also provides a way to
restrict cavitation. Gas bubbles can also
be eliminated from the xylem. At night, when
transpiration is low, xylem Ψ increases
and the water vapor and gases may simply
dissolve back into the solution of the xylem.
Moreover, as we have seen, some plants develop
positive pressures (root pressures) in the
xylem. Such pressures shrink the gas bubble
and cause the gases to dissolve. Finally,
many plants have secondary growth in which
new xylem forms each year. The new xylem
becomes functional before the old xylem ceases
to function because of occlusion by gas bubbles
or by substances secreted by the plant.
A:これは、文献そのままの記述ですか?それだと、出典を書かないと、本当はホームページに載せるのもはばかられますね。