植物生理学 第10回講義

地球の歴史と生命の進化

最終回の講義では、地球環境の変化によって生物の進化が誘われた一方、光合成を中心とした生命活動そのものが地球環境を変えてきた歴史を振り返りました。最終回のレポートは、この回のテーマだけにとどまらず、全体を通してについても書いてもらいました。せっかくなので、量が多くなりますが、最終回のレポートは寄せられた全てを掲載することにしました。その代わりといっては何ですが、コメントは一部を除いて省略してしまいました。


Q:今日の講義は進化について扱った物だったが最も好きな分野なので楽しかった。まず地球を膜に包まれた水溶液、つまり細胞と表現したのは面白かった。さて、最古の生命化石の発見方法において、含まれる炭素の同位体の比によってそれが、自然状態でふくまれる炭素の比と異なった場合に発見できるというのは初めて知った内容だった。また27億年前の地磁気の形成による放射線の排除が好気性生物の出現に重要である理由として、生物を浅い所で生息させることを可能にし、したがって光を利用できるようになった事はなるほどと感心してしまった。また大量絶滅は何度も起こっているという事実はグラフをみて改めて気づいた内容だったが、これを見ると人間の絶滅もそのうち来るように思えたが、それを考えるとなんだか恐ろしい気がします。私たちは(特に日本人)は環境問題について楽観視しすぎなのかと改めて反省しました。最後にとりあっかった生物の研究者に必要な能力をとりあげていましたが「実験が好き」と「頭はよくなくても良い」という内容は当てはまるなと思い勇気付けられました。将来研究職につくまでには他の三つ「おかしな結果に気づく能力」「情報収集能力」「英語」が備わっているよう頑張りたいと思いました。


Q:植物そのものを対象にした講義はこの植物生理学が初めてだったので、全然知らなかったことを多く知ることができたり、大雑把にしか知らなかったことを詳しく知ることができたりして、とてもためになりました。特に印象深かったのは、反応中心とアンテナの存在です。クロロフィル分子はタンパク質に結合する位置が違えば、その働きも異なってくる、ということに驚きました。同一の分子はどれも同じように働くと思い込んでしまうのではなく、同一の分子でも違う働きをしているかもしれないと、何かを研究する上では頭の片隅に置いておくことが必要だと思いました。また、光や雨によって植物が良くない影響を受けるというのにも驚きました。植物には光と水が大切だと小学生のときからずっと教えられてきたし、それは確かにまぎれもない事実なので、光や雨が長期間続かない限り、植物には悪い影響はないと思っていました。なので、短期間であっても植物が光や雨によって良くない影響を受けることもあるなどとは、考えたことがなかったです。このような思い込みにも気をつけないと、と思わされました。
 しかし、私がこの講義を受けて良かったなと一番感じたのは、研究結果だけでなく、その結果に至るまでの研究の経過を、実験条件から詳しく解説していたところです。これほど詳しく研究の経過を見ていったことはあまりなかったので、研究はこのようにして進めていくのかと参考になりました。よくこんなうまい方法を思いつけるなぁと感心したこともしばしばで、その度に自分だったら同じようにできただろうか、おそらくできないだろうな、と一人で勝手に自信を喪失していたこともありましたが、とにかくこの講義で研究のプロセスを見せてもらったことはきっと何かの役に立つと思います。というよりも、積極的に役立たせるようにしていきたいと思います。どうもありがとうございました。


Q:今回の講義はいろいろと考えることが多くて、聞いていてとても興味深かった。まず、植物の特徴である光合成が地球の大気組成を変えるきっかけとなったことに、改めて地球上の生物にとっていかに植物の光合成が密接に関わっているかを確信した。また、海水の塩分濃度上昇について、昔の海水はしょっぱくなかったことに驚いた。大量絶滅については、巨大隕石や火山の噴火が原因で太陽光が遮られ、光合成阻害による酸素濃度の減少によるものという話だったが、この先もその可能性はあるのだろうか。それとも、当時は今ほど進化・発達した生態系でなかったから起こったことなのか。大量絶滅を乗り越えて生き残った種は更に環境に適応するよう進化していくが、そこには偶然生き残ったものもいると思う。それに適者生存の原理は必ずしも当てはまるとは思えない。環境の突然の変化に対しては、偶然に生き残ったものの中から新しい環境により適したものが進化していったのだろう。そして、二酸化炭素濃度の上昇についてであるが、光合成生物による二酸化炭素の消費とと人間活動による二酸化炭素の発生のバランスが合わないために起こっているものならば、この先、生態系にどんな影響が起きるのだろうか。もちろん、既に環境への影響は出ているが、何か進化のような形で生物に変化が起こりうるのかということである。過去に酸素濃度が激減して生き残った種が進化してきたように、二酸化炭素濃度上昇も生物の代謝・反応系を変える原因となるのだろうか。だとすれば、例えば酸素濃度に応じて好気呼吸と嫌気呼吸を行う生物、あるいは嫌気呼吸生物が発達してくるということもありうるのだろうか。最後に、この講義を通して苦手だった植物生理に対する見方が変わったことは自分にとって収穫だったと思う。半期だけでしたが、ありがとうございました。

A:「酸素濃度に応じて好気呼吸と嫌気呼吸を行う生物」というのは、実は酵母がそうなのです。酵母はアルコール発酵をすることで有名ですが、酸素があるとちゃんと好気呼吸もするのです。


Q:植物生理学の講義は、10回と他の講義よりも少なく、あっという間に終わってしまったという感じです。どの回の講義も他の授業の詰め込み学習ではなく、毎回レポートを書くということもあって、家に帰って自分なりに整理し理解したつもりで、考えさせられる機会の持てた講義で、そして、内容も面白いものばかりで履修して良かったと思えるものでした。
 授業では研究内容にもふれられ、研究の難しさを感じた。先ず、自分の調べたいテーマを持つことから始まり、それを達成できる研究条件を設定し、実験を行う。その結果から見いだされる特徴を見つけ、それからその特徴となる原因を探す実験内容を組み立てる…といった何段階もの実験によってテーマの達成ができる。授業で聞いていると、「なるほど。」と思うのだが、研究者となり自ら考え出すとなると、長い時間をかけ、しかも他の人に後れをとれば、意味のないものとなってしまうと思うと、大変な仕事なんだと感じました。
 全授業を終えて印象に残っていることは、植物の葉緑体についてです。葉緑体については様々な働き、構造を聞いた。酸化還元電位を利用した光化学系や葉緑体色素には役割分担があり、光を集めるアンテナ部分と反応中心となる部分でそれぞれは定まった配置を取っているなど、より効率的になるように進化してきたというところが興味深かった。進化の選択性は長い時間の中で行われるのだと思うが、より有利なものそしてより効果的なものを残していくが、一方で依然として原始的な生物が存在しているということに変な感じを覚える。


Q:今回の講義を聞いて、地球の環境が変化することで、原始生命を誕生させ、そうして誕生した生命がまた地球の環境を変化させていくように、地球の変化が更なる変化の原因となることに、何か地球の神秘のようなものを感じた。現在残っているわずかな証拠から、かつて地球で何があったのか研究によって明らかにすることができることは本当にすごいと思った。現在もまた地球の変化が更なる変化の原因になることがあるが、それは太古のような、生命にとってよい変化ではなく、悪い影響を与えると思う。たとえば、二酸化炭素濃度の上昇によって、気温が上がって南極の氷が溶けると海面が上昇して、島国は水没する恐れが出てくる。また、極の氷が溶けると、地球の反射率が低下し、さらに気温上昇が加速されるという悪循環に陥ると考えられる。私たちはこうした地球の変化に関心を持って、解決していかなければいけないなあと思った。
 今までの講義を聞いて、一番関心があったのは光合成についてだった。今まで光合成と言えば、受験で暗記した生物学的学問分野であったが、実際は、化学、物理、情報科学などアプローチの仕方は幅広くあることに興味を持った。化学的分野から研究するとすれば、光合成とはどのような化学反応で、どのような場所でどのような反応が起きて最終的に糖と酸素が生成されるのかという方向から見るだろうし、物理、情報科学的分野からみれば、葉緑体のどのような部分がどのような機能を持っているのか、そしてそれらは実際どのような働きをするのかといった方向から考えられます。このように、光合成の研究と一言に言っても、さまざまな研究内容が考えられることがわかり、動物に比べて植物は比較的複雑ではない構造なので、研究はすでにされてほとんど理解されていると考えてた自分の考えが間違っていたことがわかった。


Q:これまでの講義の中で植物の様々な生理作用およびその起源や意義について学んできたが、それらを交えて今後の人類の植物の利用法について考察してみる。
 今世紀の重要な課題の一つとして食糧問題や環境問題が挙げられることは、もはや疑いようが無い。自分を含め多くの人が、植物のバイオテクノロジーが、経済に影響を与えずにこれらの問題を解決するための有効な手段であると思っているだろう。自分は今まで、砂漠で育つ植物、C4光合成を行い生産性の高い稲など、かなり素人的な考えではあるがこのようなことができるのではないかと考えていた。しかし実際はそんな簡単なことではない。今ある植物は、長い地球の歴史上の中で様々な環境に曝されながらも生き残り、さらにその上で周りとの競争に生き残ってこれたものである。植物生理学の講義を通して、活性酸素消去系、葉緑体逃避運動、C3光合成の意義など、一見すると植物の生産性を低める無意味なものであり、植物のバイオテクノロジーによって生産性を高められるのではないかと思わせるものも、実は植物にとって重要であることを知ったことが特に印象に残った。おそらくすべての生物にとって無意味な機構はほとんど存在しないのだろう。また存在したとしても、それらは退化中の機能であり出会える可能性のほうがかなり低いのではないか。今存在する生物は全体としてとても複雑な相互作用を持つ完成体であり、その完成体中に新たな機能を導入しようとすると幾通りもの相互性をすべて正しく機能するように考えなければならない。実際は自然に戻すわけではないので、最低限生物が死に至らずに目的の機能を果たしていればいいのだが、それでもかなり大変なことだろう。
 しかし自分は植物のバイオテクノロジーの導入が無理なことであるとは思わない。これはある意味研究者の、生命の歴史35億年に対する挑戦であると思うのだが、非常に面白いことなのではないだろうか。
 最後に、植物生理学の講義、とても面白かったです。ほかの講義と違い、はっきりと規定されたシラバスが存在するのではなく、またテストではなく毎週のレポートという形を採って頂いたためにとても生きた授業受けられた気がします。レポートをホームページ上に公開していただいたのも、ほかの学生の生の声が聞けてとても刺激になりました。


Q:今回の講義は今までの総集編のような授業でもあり、また自分の興味のある進化の過程をとりあげていたので、理解度は深いと思います。考察に入ります。今期の植物生理でわかってきたことは、生物学においては、暗記力のようなものはあまり重要ではなく、発想もしくは流れを見る力が重要である。そして生物を理解するためには化学、物理学、が今のところは重要であると思う。生物というのはあくまで、その物理学、化学の延長線上にあり基礎は身につけなければいけない。その上でも、物事の流れにに気づくためには、さまざまな知識が必要である(地学など)。実際の植物の研究に関してもこの講義でふれて、イメージをつかめ、研究されているようで分子生物学的にはまだまだ、踏み込む領域があることなどを実感できた。この講義でもっともおもしろかったのは進化の過程である。進化はとても複雑であり、どのようにして起こるのか。メカニズムの概要ですら理解していない。ただ急激な環境の変化などにより、必要なときはそれは的確に起きている。自然に無駄のない物に進化していくのは不思議である。生物の遺伝子は、どこかで世の物質を理解していることになる。これは遺伝子には記憶するという能力もあることも思わせる。記憶も遺伝していたとしたら面白いと思った。そこには偶然ではありえないものがあり今までの既成概念を変えるものがありそうだ。


Q:全体の講義を通して一番興味を持ったことは植物の色素についてであった。
 前にレポートとして送ったことと重複するが、まず、βカロチンやキサントフィルがクロロフィルとは異なった役割をしていたことについて面白いと思った。励起状態のクロロフィルが3重項クロロフィルにエネルギーが落ちてきた状態から一重項の活性酸素になることを防ぎ3重項βカロチンから熱を放出しβカロチンにすることで電子が1つ足りないことで不安定になっている活性酸素を正常な状態に戻す。また、光が強くなるとエネルギーが処理できなくなるからゼアキサンチンにエネルギーを渡し、熱として出すことによって励起した色素を元に戻す。この活性酸素は細胞が傷ついたりすることで植物の内部にとってもヒトと同様に悪影響があるのだと考えられる。植物では活性化酸素のようなものを除去するために必要な成分がすぐに摂取できたり移動できたりしないので、できる前に作用し元の状態に戻すということは重要なことであると思った。
 色素というとクロロフィルが光合成をする上で重要であるということはよく知られている。光を吸収し活性化クロロフィルになり、そこからクロロフィルに戻ることによって水が分解され水素が取り出され、酸素が放出されたり、その吸収した光エネルギーによるATP合成をしたりするため、色素の活性化はよい面ばかりだと思っていた。活性化状態が短期間である場合は有効であるが、長時間励起したままでは不安定なため他の色素が働くということに驚きとてもおもしろいと思った。
 光合成色素にもいろいろ種類があり、主色素といわれるクロロフィルa(青緑)、バクテリオクロロフィル(緑紫)補助色素といわれるクロロフィルb、c(黄緑)、カロテン(橙)、キサントフィル類(黄橙)、フィコシアニン(青)、フィコエリトリン(紅)とあり、補助色素の種類と量はその生物の生育環境と関連しており、深い海底では波長の短い青色光が多いため、それを吸収しやすい色素をもつ紅藻類が多くなる。
 その他にも植物においても動物においても細胞質そのものには色はなく植物細胞の色には色素体と液胞が関与してくる。
 色素体を含む場合
  ① 大根などのようなある型の色素体(根や地下茎)に光が当たると葉緑体に変わり、白色から緑へと変化する。
  ② 葉緑体(葉や茎)で緑色。
  ③ 有色体(果実、葉、地下茎)では赤や黄色で、カロテノイドを含む。ニンジンや果実の色がこれにあたる。これは葉緑体とは無関係で光合成はしない。
 液胞を含む場合
  ①アントシアニンなどの色素を含むとさまざまな色に見える。花弁の色は液胞の色である。
 ムラサキツユクサのオシベの毛やユキノシタの葉など原形質復帰の実験などでよく使われるものがこれである。
 有色体で疑問になることとして秋に葉が紅葉したり、青い果実が熟したりすると色づくのはなぜか?その原因の1つはそれまでクロロフィルに覆われて見えなかった色素がクロロフィルの分解によって見えやすくなるということが考えられる。
 そして、色素体遺伝子による植物の系統樹があり、単系統にならず、葉緑体の原形であると考えられているシアノバクテリア内には色素としてクロロフィルaとフィコビリゾームが含まれているが、葉緑体をもつ真核生物はフィコビリゾームではなくクロロフィルbを含んでいるということからシアノバクテリアがそのまま共生したわけではないとわかる。原核緑藻プロロクロンが高等植物と同様にクロロフィルa、bをもっていながらシアノバクテリアが葉緑体の原型として考えられている。なぜシアノバクテリアが一次共生したのだと考えられているのかが疑問である。これについてはどうやって調べればよいのだろうかと疑問である。化石に含まれる最古(一次共生が起こった頃)の共生体を調べ、どんな色素がふくまれているかを検出し、その時代のシアノバクテリアや原核緑藻プロロクロンがどんな状態で生育していたかを知る必要があると思われる。
 色素からわかることが多くあるということがこの授業を受けることで実感した。遺伝子破壊や外来遺伝子の導入によってクロロフィル蛍光の変化を観察することで呼吸鎖、窒素代謝、チオレキニンシステムなどの代謝経路の変化を検出し、機能をグループ分けし、詳しい表現型解析を行ない各遺伝子の機能を明らかにすることができたり、海洋中のクロロフィル濃度から季節によっての変化をみたり、硝酸濃度分布と照らし合わせることで限定要因を見つけたりと地球規模の大きな範囲にわたっても利用されるということから、もっと色素について調べてみたいと思った。


Q:今回の講義では地球の歴史と進化について学んだ。溶岩や化石、地層などからこれまでの地球の進化がわかる。4,5年程前、化石の発掘でねつ造が多く報道されたが、今回の講義を聞いてねつ造は自分の手柄のために歴史を大きく変えてしまうという大変なことだと思った。
 次に、「地球に優しい」という言葉に関して書いていく。最近、地球環境を考えた車や電化製品などが売られている。これは、オゾン層の破壊や温暖化により地球の環境を配慮したものである。しかし、この環境の変化はいままで人間が好き勝手やってきた悪い意味での財産である。地球が45億年近くの歳月をかけて築き上げてきた自然というものを誕生して間もない人間が少しの年月で破壊してしまった。これより、人類の誕生は地球の生態系にとって都合のいいものではなかったのかもしれない。
 最後に生物学の意義と研究者において必要な能力について考える。現在、授業では様々な分野の生物学を学んでいるが、やはり研究者になるためには知識は持っていることに越したことはない。しかし、それ以上に実験が好きでないと研究者になれないと思う。また、失敗によって挫折をするのではなく、その失敗から何かを導き出すという探究心も必要だと思われる。そして、最近では英語の能力もとわれる。論文や文献はほとんどのものが英語であり、また研究内容を日本人のみを相手にするのではなく世界を相手に発表するにはなおさら英語の能力が必要とされる。
 今回、植物生理学の講義を履修して、植物生理学の知識を得ただけでなく、現在の研究内容や、研究の難しさなどを聞くことができ、受講してよかったと思った。


Q:今回の講義内容は植物生理学という分野から少し離れた内容であったが、生命の誕生や環境問題などとても興味のある内容であったので面白かった。
 ストロマトライトは非常に面白い岩石であると思った。ストロマトライトは酸素発生装置のようなものであるから、地球環境の変化や生命の進化に大きな影響を与えたと思う。ストロマトライトは27億年も前に誕生したのにもかかわらず、現在でも生育しているのには驚いた。このことについて調べてみると、ストロマトライトは塩を多く含んでいるため、その周りは非常に濃い塩水になっているようである。したがって、魚が近寄ってこれないため現在でも生き続けているらしい。シアノバアクテリアが分泌する粘液に海水中の微粒子などが付着してストロマトライトが成長したのであれば、岩石であるストロマトライトは生命を持っていると言えるのですか。
 環境問題はこれからの時代にとってはとても重要な問題であると思う。約45.5億年前に地球が誕生し、40億年前に生命が誕生したということを今回の講義で習ったが、この長い年月を経てきた地球を私達人間は破壊しつつあるのである。化石燃料の大量消費、フロンガスの放出、森林破壊など、私達は人間の利益だけを考えた生活を見直すべきだと思う。
 この植物生理学の講義を受けて、植物の光合成や呼吸のメカニズム、温度や水との関係、遺伝子機能の解析、最新の研究など様々な角度から植物について知ることができた。現在では生物学は最先端の学問として研究されており、特にDNAやヒトゲノムに注目されている。そして、それらを基にして医療の分野でいかに人に応用できるかというのがこれからの課題のように言われている。このような研究も大切ではあるが、光合成という動物にはない素晴らしいメカニズムをもった植物にもう一度注目し直してみるのもよいと思う。植物についてはまだまだ明らかになっていないことも多くあるであろうし、植物を環境破壊や食糧問題に応用する研究もできるであろう。私はこの講義を受けて、卒業研究として植物について研究してみるもの面白そうだと思った。私は以前から植物には興味を持っており、また、動物実験などが苦手であるので、植物に関する研究をやりたいという思いがさらに強まったような気がする。


Q:植物についてここまで詳しく教えてもらったのは初めてだったが、すごく満足している。植物のごく一般的なことしか知らなかったので、講義を受けていろいろなことが学べてよかったと思っている。最後のレポートは何を書こうかと考えたあげく、私たちの生活、環境の中で植物をどのように利用していけばいいのか疑問に思ったので自分なりに調べてみた。1つ目は植物を利用した環境浄化である。PCBをはじめとする多くの化学物質は地下水や河川を汚染している。この汚染水を分解するために考えられているのは、有害物質を分解する遺伝子を導入した植物である。微生物だと目に見えないし散布してしまうが、植物の場合は動かないので安心なのだろうと思った。私は今後土壌汚染だけではなく、大気汚染物質にも有用な植物が生まれてくるのではないかと思った。2つ目は私たちに必要な抗生物質、アミノ酸、ビタミンなどを今は微生物を培養して行っているが、今後は植物に作らせるということも可能になるということである。植物は太陽からの光のエネルギーのみで有機物を作ることができるので、このシステムをうまく利用して遺伝子をうまく操作し導入すれば、有用物質が大量にしかも低コストで生産することができると思う。他にも植物の遺伝子を利用した研究も進められているらしい。私はおそらく、この講義を受けていなければここまで植物について目を向けることはなかったと思う。これからの研究に、私たちの生活の多くに関与している植物の重要性を、改めて認識することができた。


Q:今回の講義で印象に残ったのは、化石に含まれる同位体比から、地球の歴史がわかるということだった。昔からどうして化石から何年前かなんてわかるのかと不思議に思っていたので知ることができてよかった。最古の化石が35億年前のものだということを知ると、まだたったの20年ちょっとしか生きていない自分は無に等しいくらいなんだと気づいた。もし35億年後に私がいたという証がデータなどではなく、化石のようなありありとした形で残っていたらとてもうれしいだろうなと思った。
 もう一つ今回の講義で印象に残ったのはやはり環境問題についてである。このまま行けば確実に人類は絶滅してしまうと思う。それを防ぐことができるのかどうかはわからないけれど、防ぐための努力くらいはすべきであると思う。とは言うものの、私自身がおこなっているのはごみの分別と省エネくらいで、実際には何をどうすればよいのかあまりよくわからない。でも、全世界の人が地球を大切にしようというしっかりとした意識を持って行動すれば、絶滅を免れることができるのではないかと思う。私は環境を守るために何かを考え出したり作り出したりして、少しでも自分から環境問題に取り組んでいけたらいいなと思う。
 私がこの植物生理学の講義をとろうと思ったのは、もともと植物を見るのが好きだったからです。実際に講義を受けてみると、最初の方は生理学とついているだけに光合成など植物の機能について細かく見ていくばかりなのかなと思っていたけれど、普通の本には載っていないような最近の研究や進化、遺伝子の機能解析にわたるまで幅広く教わることができてとてもよかったです。特にアンテナとエンボリズムについては印象深く残りました。私も将来自分の興味をもった分野をとことん研究していけるような研究者になりたいと思いました。
 最後になりましたが、とても親切で分かりやすい講義、ありがとうございました。園池先生のような先生がうちの大学にもいてくれればなあと思います。これからもがんばってください。


Q:今回の講義でストロマトライトについて興味を持った。ストロマトライトはシアノバクテリアが、細胞から分泌する粘液で海水中に浮遊する微細なミネラルの粒子を捕らえ、炭酸カルシウムと結合させて作られたドーム状の石で、25~35億年前から地球上に酸素を供給しはじめた原始生物とされている。ストロマトライトはウニやヒトデなどの無脊椎動物の餌になる為に現在減少し続けているが、西オーストラリアのハメリン・プールは海水中の塩分が通常の海水の約2倍あるために普通の海産生物が生息できない。そのために現在においても生きているストロマトライトこうして残っているのである。では現在生きているストロマトライトは今後どのようになっていくのだろうか、と考えた。調べたところストロマトライトが生息する地域の環境変化が危ぶまれているということがわかった。クリフトン湖では、この10年間でリンの濃度が10倍以上に増加している。これは肥料のリンをはじめとした湖のそばの農業活動が原因である。このように人間による急速な環境変化を進めてゆけば現在の生きているストロマトライトが「化石」になってしまう日が来てしまうと考える。そのように成らない為にも現存するストロマトライトを、適切に保護していくことが重要である。そのためにはまず環境破壊について真面目に取り組む事が重要であると考える。


Q:本日の講義で、地球の歴史から生物の誕生を大きく見ることによって、生物が地球の生態環境の変化によってどのような進化の歴史を遂げてきたのかという概要をつかむことができた。今まで光化学系やクロロフィルの仕組みから、先端の研究まで、講義で取り上げられてきたが、一番興味深かったのは、第4回目の講義の”過剰な光から防御”である。今までは、光が当たると常にそのすべてを無駄なく光合成が行われるものだと思っていた。しかし野生株では、光化学系Iを減らすことによって、自分自身に悪影響がないように調節するシステムを持ち、またpmgA変異株では短時間の強光では生育がよいが、長時間の強光では生育阻害を受ける。一方、野生株は短時間の強光では生育阻害を受けるが、長時間の強光には、野生株より順応しているということより、野生株は常に変動している自然環境で生育することによりあらゆる環境に適用していける能力を持つようになったのだろうと思うと、自然の偉大さに思い知らされた。
 この講義を聴いて研究法や、実験のデータの解析の仕方など、さまざまな知識を得ることができ、講義も大変興味深いものでした。ここで得た知識を自分の研究に生かせればよいと思います。


Q:私が植物生理学の講義を通して最も興味を持ったのは、植物が氷点下以下になる地方でどのようにして水を液体として維持しているかということだ。普通に考えると、氷点下以下では水は凍ってしまう。しかし、外気温が氷点下以下になるところでも植物は生育している。低温ストレスに対して植物はどのような対策を講じているのだろうか。 まず、どのようにして水を得るかということだ。講義中では、導管を細くすることでエンボリズムを防ぐということがあげられた。導管を細くすることは、一度に得られる水分量が減るというデメリットもある。また、導管を短くするのも直接的な方法として挙げられる。これも、背丈が低くなり、光を得るという点で他との競争に負ける可能性を持っている。
 次に、植物体内の水分がなぜ凍らないのかを考える。まず構造的な対策として、植物では、細胞と細胞の間に『細胞間隙』という隙間がある。細胞内の水分はここに滲み出てきて凍るので、細胞の外側だけが凍り、生命維持に必要な細胞の内側を傷つけない。『過冷却』という現象も重要な役割を果たしている。過冷却とは、ある条件下では氷点以下の温度でも凍らない物理現象だ。ある条件とは、細胞間隙がほとんどない組織を持つ植物の場合は、水分の流れを極力抑えることだ。過冷却により、温帯の植物でも−15~−20℃ぐらいまで水分が凍結しないそうだ。
 また、凍結対策との直接関係は示されていないが、ハスやソテツでは自ら発熱することが知られている。ハスでは、花びらが開く際に発熱する。これは、昆虫を呼び寄せ花粉を受粉させるためだと考えられている。さらに、サトイモ科のフィロデンドロン・セロウムの花では、37℃以下のときは細胞内の脂肪を分解して発熱をして、37℃以上のときには発熱を減少させる仕組みが見つかっている。これらの場合、ミトコンドリアがエネルギー発生装置として働いている。私は、凍結対策においても発熱のしくみが利用されているのではないかと考える。
 今まで植物について深く考えたことがなかったが、一連の講義を通して改めてその神秘に感銘を受けた。地球上に誕生してから環境に適応し進化を続け、生態ピラミッドの底辺を支える植物にもっと目を向けていきたい。貴重なお話ありがとうございました。


Q:今回は植物生理学受講の締めくくりとして、植物の生存意義について考えてみた。現在の地球環境において多種多様な生物種が存在できているのは、他ならぬ植物のおかげであると考えられている。それは、酸素供給源としての地球大気の形成やその維持に関わる、地球内部環境に対する作用、宇宙からの放射線、宇宙線、太陽線に対する防御に関わる、地球外部環境に対する作用、そして食物連鎖、有機物循環に関与する、エネルギー供給源としての作用によるものである。今でこそ、植物は地球上のあらゆる箇所に分布をし、より大きな分布地域の獲得や、より高度な生態機構の獲得に乗り出しているのだが、かつては自らの生存環境を探すことで精一杯であった。40億年前に生命が誕生してからしばらくの間の生物の最重要課題は生存場所の確保であったと考えられる。それらは熱水噴出口で誕生したと考えられるが、それは生物の生存において各種ストレスへの防御機構が確立していないことから、生存に関わるストレスからの逃避行動と見られる。その後、ある程度の生存が確保できてから生物は初めてよりよく生きる、ということにシフト転換を果たしてきたと思われる。周囲の環境にあるものの利用、光、硫化水素などの大気成分、水を取り込みエネルギー代謝機構やストレス抵抗性、防御機構の獲得を行ってきた。また、同じように生命としての存在を確立した他の生物との共生も積極的に行うようになったことからも、生きるため、ということから、よりよく生きる、強く生きる、といった概念に変更していることが伺える。こうして、生存競争の構図が成立してきたのだろう。しかし、ここで考えなくてはならないのが植物をはじめ、生物がこのような生存競争に伴う進化の過程において、その視野は短期的であるのか長期的であるのか、ということです。植物の誕生からその生存環境の確立に伴い、地球大気の様子は大きく激変しそれにより植物はさらなる生存地域の拡大、生存機構の獲得を可能にしてきたと考えられる。これは、地球が今のような大気組成比率になたのがごくごく最近であることからも裏付けられる。少なくとも、原始大気条件下で生存していた植物群は大気組成の変換期における生存競争に負けたと考えられる。もし、植物の生存において原始大気下の方が有利であったなら、そのような生物が対酸素機構を獲得し、原始大気の組成を守ったはずである。それでも、植物がこのような長期的視野における生存条件の優位性を見据えていたかどうかはわからない。結果として生存が上手くいったと考えるのが現在の潮流であり、現に生物は何度もの大絶滅を経験している。これは、天変地異的要因による避けがたいものでもあったであろうが、自分はここに生物としての一種の法則のようなものを感じた。それは、ある程度繁栄した生物は大々的に淘汰される、ということです。そもそも、原始大気下での生存は生存地域の拡大という点では劣っていた。しかし、そのような種は現在でも該当する環境において生存し続けている。生存地域の拡大を図り、広く分布していた種は幾度かの大絶滅により化石の形でしか残っていないのは事実である。より広く、より強く生きようとした結果、周囲のものをより巧みに利用しようとした結果、逆に周囲の環境に自らの生存を依存していた結果に陥り、環境にのまれてしまった。このようなアイロニーが生物にはつきまとうのではないだろうか。新たな生命体として近年発見されたウィルスでも、溶原性と溶菌性の関係に見られるように生存と絶滅との表裏一体の間柄が露呈されている。極限まで濃縮した生物と考えられるウィルスの機構からも、生命というものは短期的視野での進化推進を行いながらも絶滅を含めた長期的視野も持ち合わせていると考えられる。生物にとって生と死とは不可分のものであるが、それでも最終的には生存の可能性を探し続ける存在である。よって、植物の生存意義とは、絶えることのない生存可能性の模索と考えられる。


Q:全10回の植物生理学の講義では植物に関するの実験を中心に植物について多くのことを学んだ。講義内容を見直してみるとかなりの量の情報があって、植物細胞内の詳しい反応気所など複雑なことに関する授業では圧倒されて多少ついていけない部分もあったが、植物が生存のためにどのように環境に適応しどのようなことをしているのか少し理解できたと思う。また、見た目はほとんど動きを見せない植物も体内では動物と同じく実にさまざまな反応を行っていることを知って植物もやはり生物であることを再確認できた。
 しかし、私にとってそれ以上に有意義だったと感じているのは、植物についての各論ではなく講義の題材となっているさまざまの実験内容そのものであったと思っている。ただ単にこんな実験をしてみたらこんな結果が得られたので結論はこうですよというのではなく、その実験を行うにいたるまでの流れというか組み立て方を見ることができた。普通科学者が行うオリジナルの実験は学生実験ではないのだから資料などに書かれているほどまっすぐな流れではなくて、途中で不都合が生じたり、より良い方法を見つけたりするような数え切れないほどの試行錯誤を積み重ねてテーマに対する実験結果を得るのだと思う。ほとんどの講義の実験紹介では丸ごと全部を紹介する時間はないから答えにたどり着く一本道だけを教えてくれるので非常に鮮やかな紹介になる。それに比べて植物生理学では実験の地道さみたいなものが見えた。この点がほかの講義との大きな違いだった。これから3年、4年と実験をすることになるから教えてもらったことを少しでも生かせればよいと思う。


Q:約三ヵ月間にわたって植物生理学の講義を受けてきて思ったことは、他の講義のただ生物の仕組みを教えるだけというものとは違って、植物生理学の講義は将来的に自分達がやる実験というものと植物の仕組みの説明を同時に、実験結果を使いながら説明してたのでとても親しみやくかったです。全講義の中で一番印象に残ったのは「生物の進化」というキーワードを含むようなものでした。野生株とpmgA変異株のところで学んだことや、光呼吸のところででてきたルビスコが効率の悪い酵素であることや、さらに昔から降っていたはずの雨に対するストレスといったものを考えた場合、それなりの植物がいろいろと研究されてきたなかで、それがどういった進化の結果なのかを考えた場合にあまり効率的な進化をしているようには思えないような気がしてならなかったからです。たしかに上にあげたようなものが必要な理由はわかるのだけれども、もっと効率的なものはなかったのだろうかと思いました。進化というものは生存率を高めるための方向に、つまり環境などに適応する能力が重要になってくるといったものであると思っていますが、今回の講義で学んだことを考えてみると植物の進化といったものには何かひっかかるものがありました。確かに研究では期間を長くして環境の変化とともに植物の変化を見ることは時間があまりにもかかりすぎてかなりの難題になるけれども、一つの系に濃縮した形で植物やたくさんのバクテリアなどを入れてやり、細胞分裂を驚くほど促進するものや、環境の変化を少しずつ変えられるようなそんな実験装置を開発したときに、進化について観察することができるようになればもっと植物の仕組みがわかるような気がしました。でもそのようなものでもきっとヒトの一世代ではできそうにないと思うのでヒトの寿命をもう少し延ばすようなことも必要になると思いましたが、ほとんど不可能に近いので、これらのことはやはりかなりの難題と思いながらもいつの日か体験したいと思いました。それではまたいつの日にか。


Q:早いもので10回目の講義が12月16日に行われた。今年度の植物生理学の講義はこれをもって終わりとなった。半年間と言う短い期間であったが新しく知ることがたくさんあった。光合成の系や植物の巧みな構造、膜の意義、実際の研究の様子などなどこの講義ならではの話題もたくさんあったし、マイクロアレイやゲノムの話など生物工学が実際に使われている様子もレクチャーされてとても興味をそそる内容構成になっていたと思う。
 いま主に勉強している遺伝子の組換えや検出、分析の方法論はある種できて当たり前と言う部分がある。自分たちは工学部に所属しているわけで技術的なことを身につけるのはもちろん大切なことなのだが、将来クリエイティブな仕事をしようと思うならば技術を身につけることだけでは不充分でそれをいかに活用して自分の求めたいことに近づいていくかということもとても大切になってくる。植物生理学の授業で実際の研究の様子を示してもらうことでいま学校の勉強以外にも研究にはある種のかたくなさと色々なことに対応できる柔軟さとそれを実行できる技術が必要なのだと自分は受け取った。そんなことをなんとなく忘れてしまっていたから、この授業を受けて聞くことで将来へ向かってできることをもう少しやってみようという気になった。それはあまり難しいことではなく柔軟な思考と発想力を鍛えようと言うことである。つまりものを良く考えてさまざまな視点を持つこと、ポッケトをたくさん作るということだ。ポケットをたくさん作るという意味からもこの植物生理学の授業は知らなかったことをたくさん知ることができたのでとても良かったと思う。せっかく植物のことについて勉強が少しではあるができたので今後は自分で色々調べたりしていこうと思う。
 この授業を取った理由は、植物のことに興味があるのだけれどあまり知識の無い自分だったからこの授業で勉強しようということだった。当初望んでいたことは達成されたと思う。しかしそれ以上に植物の奥の深さと楽しさに気づかされてそれがとてもよい収穫になったと思う。
 年の近そうな先生(実際にはどうか知りませんが)であったこともあって質問もしやすかったし授業もなんとなく熱心に聞けた気がします。将来もしかしたら同じ職場で働くこともあるかも知れません。そんなときはよろしくお願いします。半年間ありがとうございました。これからも精進したいと思います。
 余談。殺風景な僕の部屋にも一鉢の植物がいます。これがあることでモノトーンのこの空間でもすこしは落ち着くことができます。植物と人との歴史はとても長いです。研究対象の植物もいいですが共存していくパートナーとしての植物も僕はとても好きです。いつの日までもともに生きていけるそんな環境を作っていきたいです。そのためには労も惜しまず働ける気がします。余談でした。まとまりの無い話でしたね。
 先生がこの道を選んだのはどんな理由があったのですか。ちょっと聞きたいところではありました。

A:僕は子供の頃から、将来は科学者か作家になろうと思っていました。高校の時にDNAの二重らせんの話などを聞いて生物をやろうと思い、大学の3年・4年の講義の中で一番面白かった講義をした先生の研究室で修士課程に進む決心をしました。その先生の専門がたまたま光合成だったのです。卒研から修士の間、実験をしてみると、「計画」ー「実験」ー「結果の考察」ー「新たな計画」、という研究のサイクルが非常に自分にぴったりだと思えたのです。そこで博士課程に進学して、可能ならば研究者になろうと思いました。僕自身は人に教えることも好きなので、できれば企業や研究所ではなく、大学で研究をしたいと思っていたので、結果的に自分にあった職業に就くことができたと思います。


Q:半年間にわたる植物生理学の講義で、植物、特に光合成や好気呼吸の深い内容と、植物を用いた様々な研究について学べたことは非常に勉強になったと思う。例えば、光合成の仕組みについては、光化学系I、2や電子伝達系などの化学反応式は通常の生物学の講義で学んでいたが、それが実際に行われる組織や光合成色素のメカニズム、光量に対する応答など、化学反応式だけではない、生物の「仕組み」を知ることができたと感じた。また、後半で扱った研究内容の紹介では、実際の研究の行われ方、結果の考察と次の実験方法の判断の仕方など、研究を行う上での重要なことを知ることができ、実験や研究のおもしろさが伝わってくる内容だったと思う。
 この植物生理学で学んだことからは、植物がいかに効率的で無駄の少ない活動をしているかを思い知らされた気がした。今回の講義であったように、人間は地球の生態系が成り立つために絶対に必要な生物ではなく、むしろ植物によってそのエネルギー源を支えられ、さらに植物が過去に光合成によって産み出した様々なエネルギー物質を利用しているだけであり、自分ではエネルギーを産み出すことができない。人間は複雑な構造をしているが、単純な構造をしているように見える植物の方が、エネルギー生産能で見ると支配的な立場にあり、繁栄している年月も比べ物にならないほど長いのは、それなりの意味があるのではないかと思う。例えばウイルスは、核酸とタンパク質だけの非常に単純な構造をしているが、遺伝情報を伝えることはできる。他の細胞の核を利用してはいるがそれによって繁栄することもできるのだから、複雑な構造をしているほうが進化の最前線にいるとはいえないのではないかと感じた。
 移動能力もなく、構造もあまり複雑ではないとしても、独力でエネルギーを産生し、また様々な環境に適応して遺伝情報を伝えていき、子孫を繁栄させる能力を持つ方が、遺伝子の伝達という観点から見れば、もっとも進化的に優れている、と考えをこの講義を通じて何度も思った。


Q:生物が原子の同位体を見分ける力があり、選択して吸収と排出を行うことによって、自然の中での組成と変わり、そのおかげで、岩の中にある模様のようなものが、生物の化石かどうか調べることができるというのには、驚きました。それから、二酸化炭素の濃度の経年変化と地球の気温のグラフが顕著に上昇してるのには、恐怖を感じました。科学が進歩して、機械が生まれたり、自然現象の理解ができるようになり、人の生活は楽になりました。しかし、その陰で地球環境は悪化し、ついには無視できないものとなってしまいました。私はこの危機を救うには、もう一人一人が環境を悪化させないように努力するだけでは足りないと思います。やはり悪化させた環境を修復するには、科学の力が必要なはずです。そして、その中でも生物系の学問こそが大事であると私は思います。自然の環境を直すには、まず自然についての知識がいります。そして何万年もかけて作られた自然を修復するには、遺伝子工学などの技術が必要になってくるでしょう。将来、環境問題に取り組むかもしれないので、植物についてよく考えさせられたこの講義はとても自分のためになると思います。


Q:大学受験を終えてから、光合成に触れることがなかったので後期のこの授業は懐かしさと共に、新鮮でした。高校の時にただ暗記していた光合成の経路も、大学の授業になるとさらに複雑になり、途中難しくて目で追うだけのところもありました。しかし、いろいろな実験データや図などとあわせて説明してくださったので、授業を受けながら「なんとか理解しよう。」と思いました。これから科学者として社会にでていく私たちは、地球が繰り広げるサイクルを乱してはいけないと思います。最後の授業で出てきた二酸化炭素増加の問題は、その典型でしょう。私たちは人類の発展のために研究します。しかし、それと共に私たちがこの地球を大切にしていくことが必要だと感じました。(毎日、大量の水や電気、ガスを消費する私が偉そうなことは言えませんが)自分の名誉のために研究したことがエゴでしかなく、破滅を導いたとしたら悲しいことです。研究者は、先へ争い技術を発展させようとするけど、それは自己満足ではないかと聞きたいです。
 今、生物系で遺伝子だ、タンパクだと騒がれています。タンパク質といっても膨大にあるけれど、地球上で一番多いタンパク質はルビスコだと授業で習いました。それを聞いたとき、自然のスケールの大きさを感じました。それと同時に自然の儚さも感じました。植物は外的要因を受けます。低二酸化濃度や水、光や冷害。地球の環境が変われば植物はすぐに姿を消してしまうかもしれないと思いました。植物は、自然とそこで暮らすためのシステムを確立しています。ヒトはそのシステムを調べます。そして、他の植物に応用します。遺伝子を操作して、命をコントロールします。私たちにそんな権利があるのでしょうか。


Q:今、気になっているのは世界で最初の光合成生物というのは一体どんなのだろうかということである。光合成ができるものをすべて植物というと語弊があるかもしれないけど、おおむねの生物の分類がそれでくくれそうなのでそう考えておく。というもの人間の先祖が細胞内のミトコンドリアDNAから割り出せたように植物の持つ葉緑体DNAから植物の祖先が割り出せないものかと思ったのだ。今私たちが簡単に手に入る限りの資料ではそれに触れているものはなく、気になる点である。植物の種としては現在分類される中では藻類が一番古い種らしいが、昔は他にもいたかもしれないからである。そう、今は化石でしか見られない三葉虫がかつて存在していたように。単細胞ということまで視野に入れると一番古いと考えられるのはやはり、シアノバクテリアだろう。とすると、すべての植物の葉緑体DNAはシアノバクテリアと最も共通項が多いのだろうか。しかし、これよりも前に光合成を行える生命はいたのかもしれない。その可能性は捨てきれない。こんなことが気になったのはガイア仮説というものを目にしたからである。これは地球はそれ自体で一つの生命体とみなすことができるというものである。地球上に存在する生命体は、地球自体を人間のサイズぐらいに見立てた時にはおそらく、ウイルスや細菌並みのサイズでしかないだろう。このサイズのものが地球の構成大気を大きく変えたのであるから、我々のそばにいる細菌たちにも同様に我々のそばで何か変化を起こすかもしれないのである。ならば、その相対的な時間変化を調べるのがいい気がしたのである。現在いるシアノバクテリアの登場すら何時なのか殆ど分からないのだから、シアノバクテリアの進化の元となった生命体はなお分からない。近年の人間の産業活動はすさまじいものがある。これは植物が太古に生み出したエネルギーを使っているのだから、それを開放していけばエネルギー過多になり、地球は温暖化の一歩をたどっている。しかし、これは植物にとっては好ましいのかも知れない。それは、植物の行う光合成は温度が高いほうが、日の光が強いほうが効率がよくなるからである。これでは植物を伐採しすぎた人間が地球規模で光合成の援護をしているような気がする。


Q:全体の講義の中で最も興味を引かれたのは植物の進化、細胞の共生です。ゲノム解析や共生説、そして化石などの物的証拠により植物がどのように進化してきたのかは大まかにわかった。進化の過程の一部で光合成細菌同士、または原核生物と真核生物は互いに共生を行った。植物生理学を受講して、私はこの現象を環境の変化やエネルギーをより効率よく生産するためなどの目的のために起こった事だと知った。これらは植物に大きな刺激を与えただろうが、植物はその刺激をどのように受容したのだろうか。つまりはある環境の広い海の中で2つの細胞が出会い、共生に至ったきっかけは何であるのかが私の中でとても大きな疑問として存在している。
 また原核細胞が真核細胞に取り込まれた後、両者は互いに共生するため調和を行う。核ゲノムの移行やたんぱく質の輸送、あるものは細胞膜の消失など色々な調和が起こったと思う。しかしここで疑問に思うのは一番最初に起こった調和である。私はその調和は宿主細胞による取り込まれた細胞への免疫応答の回避だと考えている。通常細胞にとって異物となるものが進入すれば、それは免疫応答によって分解処理される。なぜ細胞は分解処理されなかったのであろうか。いくつかの可能性がある。
 まず最初は宿主細胞へ異物となる細胞の核ゲノムが移行されれば、細胞は宿主細胞に自己と認められ免疫応答は起こらないはずである。しかし通常細胞による異物の分解処理はかなり早い。その為、生命維持に重要な核ゲノムがそんなに早く移行できるとは考えにくい。
 次に前に書いた共生のきっかけとなった刺激によってある要素が活性化されて、それにより免疫機構が抑制された可能性である。これは十分に考えられる可能性だと思う。
 3つ目は当時の細胞の免疫機構が現在のものよりも多様性がなく、複雑化しておらず異物の分解処理が進まなかった可能性である。宿主細胞に共生した細胞は宿主細胞にとってはかなり大きい異物であったはずである。免疫機構が発達していない宿主細胞では分解処理がままならず逆に免疫応答が停止してしまったのではないだあろうか。少し大げさな話ではあるがこれも考えられる可能性と思う。
 これら3つの可能性があるが1つ1つが単独で生じたのではなく相互作用しながら1つの飽和現象を作り出したのだろうと思っている。
 また進化以外にも最後の講義で地球環境がいかに植物によって作られてきたのかを改めて知り、驚いた。石油、鉄鉱石、オゾン層、低い温室効果など私たちが地球で生活していくために必要なものばかりだ。そして人はそれを破壊しつつある。昔テレビで人が放射能汚染した土地を植物により回復させた番組を見た。向日葵は放射能物質を取り込み無害なものへと変換する機構があるという研究だった。ずごいと思いつつ、現在では植物は地球環境の一部というよりも人の都合によって利用される物になったのだという感じがした。人と地球、地球と植物、植物と人の関係を見直していかなくてはいけない時代へと突入したと思った。これからも私たちは植物をはじめ地球の自然を自らの都合のために利用していくであろう。その関係はまるで人という細胞の中に植物という細胞を取り込み共生をしている感じではないだろうか。ならば私たちはこれから共生のためにあらゆる調和をしていかなくてはならないのだと思う。


Q:全体の講義を通して実際に行った実験の話を聞くことができ、他の講義では得られない知識を頭にの残る形で習得できたと思います。大学から生物の勉強を始めたので植物に関して知識、興味はなかったのですが、さまざまな機構の存在を知りました。 植物の適応能力には感心しました。植物は動物のように動くできない分細胞単位で工夫を凝らしていました。弱光下では光を十分吸収できるように、葉緑体は、細胞の葉の表面側の壁に集まり、一方、強すぎる光の下では光による障害を裂けるために光線と平行な壁側に移動し、互いに寄り添って太陽の光線を避ける。
 植物に独特な気孔。植物が大気中からCO2を吸収して光合成を行う事ができるのも、高木が水を吸い上げ、水と無機栄養分を木の頂きまで運ぶ事ができるのも気孔の働きのおかげだとこの講義で知りました。
 一番印象に残ったのはATP合成酵素の映像です。回転していることが一目で分かったからです。ミクロな機構には何かを付加させ実験を行うことが大事なのだと思いました。この回転エネルギーを何かに応用することができないであろうか。エネルギー問題はこれから先さらに注目されていくだろう。太陽エネルギー、宇宙衛星からなどマクロな策が練られているが、ミクロな世界からも方法はあると思いました。


Q:私はこの授業が初めての他学部履修となったのですが、自分の学科でも同じようなことが講義に出てきたりして、この授業が予習となったり復習となったりする部分があったのでどっちの授業に対しても、より授業の内容に理解が深まったのではないかと思います。
 さて、この授業では様々な研究内容の紹介をしていただきました。普段の授業では新しい研究の内容の話をきいたりすることがまだあまりないので、よい機会となりました。研究では、一つの結果に対しても様々な過程が考えられ、さらにその考えられるすべての様々な過程の中からどれが本当に最終的に出た結果につながっているのかを一つ一つ検証していかなければなりません。学生実験は自分たちが行うことは大体黒板や配られたプリント類に書いてあるし、みんな同じことを同時に同じ場所で行い、分からないことは院生などに尋ねればよいわけですから、本当の未知の研究よりははるかに簡単なはずです。しかし実際はスムーズに事は進まず、予想もしていなかった結果が出たりして戸惑うこともしばしばです。このようなことを考えていると学生実験でさえてこずってる私には研究とは本当にすごいものであると感じてしまいます。私は学生実験で、実験の目的は何で、実験を行った結果なにがわかり、考察ができるかを人に伝えるのさえ難しいと感じました。自分ではこうだと考えて、院生に実験の結果とそれから得られることを説明しに行っても、また違う考えが院生から出されてこんな考え方もあるのかと思ってしまうこともよくあります。いままで研究はひとりで黙々と行うというイメージがありましたが、自分一人ではこうなるのではないかということをあらかじめ予想を立てたりして実験を行うせいか、考えが知らず知らずのうちに偏ってしまうことがあるかもしれません。そこである程度は人に意見を仰ぐということも大切なのではないかと思いました。
 また、この授業は植物生理学というものでしたが、植物にたいして私が気になっていることの一つは、農作物についてです。今ゲノム配列が以前よりもずっとはやいスピードで決定されています。現時点では遺伝子組替えが人体にどのような影響を与えるかは明らかではありませんが、それが様々な農作物の遺伝子組替えの技術に応用されていくかもしれません。現在育てられている農作物がみんな今とは違った遺伝子配列をもったものになったら、その量は大量なものなのであるから、生態系になんらかの作用を及ぼしはしないのかと思うのです。
 これからの課題として食糧問題は重要なことの一つとして挙げられるでしょう。そこで遺伝子を組替えた作物を効率よく大量に生産できるようになるということはこの問題の解決策になりえます。遺伝子を組替えた農作物を作るとしたら、それが人体に及ぼす影響ということはもちろんよく考えていかなければなりません。しかしその前に私たちがこれから先もくらしていかなければならない地球にたいしての影響というものももっと考えられなければいけないと思います。そもそも、2000年以上も前にヒトが農業をはじめたことは植物、地球にとってそれまでの生態系を壊していることにほかならなかったのでないのでしょうか。ヒトが活動を行ってきた結果が今のこの状況であり、地球破壊における問題というのもそう少なくはないと思います。ヒトのためにだけでなくもっと視野を広げる必要性があると思いました。


Q:売られているもやしは白色をしている。しかし光をあてて育てると緑色になってしまう。それはなぜか考えてみる。
 まず、もやしがなぜ白いのかを考える。もやしは暗い部屋で育てられているので土の中での生活適応していると考えられる。細く長いのは土の中からなるべく速く出て光合成をするためだと考えられるからだ。種では限られたエネルギーしかもたないために光合成できるようぬる前は節約するために白くなっていると考えられる。ではなぜ白色なのか?緑は光合成すれための色素の色である。その色がないということは葉緑体がないか色素がないのかということである。葉緑体がまったくないということは考えられない。葉緑体は分裂すれことによって増えるからだ。通常よりもかなり少ない数で、光があたると分裂が活性化されて通常の数になると考えられる。その光の感知にははじめの葉緑体が中心的な役割を果たしているだろう。それにともなってクロロフィルなどの色素の合成が、核も関わって大量に合成されるものと考えられる。核に葉緑体のDNAが移っているがこの遺伝子が移っていれ可能性が高いのではないかと考えられる。このように形成変化をしているのだろう。


Q:植物生理学全体の講義のなかで、特に興味を持ったのは植物の光合成の仕組みについてである。光合成の仕組みを知ることによって、植物の二酸化炭素吸収、酸素放出の仕組みがわかる。これによって、二酸化炭素の吸収を多くする植物が作れるのではないかと考えるからである。二酸化炭素吸収量の多い植物を栽培することができれば、地球温暖化にも貢献できるのではないか。光合成において、二酸化炭素吸収量を増加させるということは、クエン酸回路における二酸化炭素の取り込みを増加させるということである。クエン酸回路における二酸化炭素の取り込みを増加させるには、クエン酸回路の回転速度が速くなればよい。ここでクエン酸回路の回転速度を上げる際に、クエン酸回路により生じるエネルギーの獲得効率は多少低くなっても構わない。それは、クエン酸回路を1回転する際に得られるエネルギーと同じエネルギーを2回転で得られれば、二酸化炭素は2倍吸収されたことになるからである。そうすれば、多くの二酸化炭素を吸収する植物ができるのではないか。ではどうやってそのようなことを可能にするのか。これは、クエン酸回路の多段階反応をより少ない反応で行なえば良いのではないか。クエン酸回路の3、4段階目で二酸化炭素は吸収されるので、それ以降の反応をより少ない反応段階で進行できればクエン酸回路の回転速度は速くなり、エネルギー獲得効率も低下するため、クエン酸回路はより多く回らなければならず、二酸化炭素の吸収量は増える。では、反応段階を少なくするにはどうしたらよいか。これは、遺伝子組換えで反応が進行しないようにできるのではないか。反応にはたいてい酵素が関与していると考えられるため、その酵素を生成できないようにすれば反応は進行しない。そうすれば、少段階の反応系が獲得できる。本来ならば4段階の反応系を1段階で最終生成物に持っていけるような反応系ができれば、かなりの時間短縮につながる。これほど単純にはいかないと思うが、このようにして、二酸化炭素吸収量が多い植物をつくることができるのではないか。この講義において、常に植物の基本的な仕組みを遺伝子組換えによって変化させ、より有用な植物ができないものかと考えて受けてきました。特に、植物の生育に必須の光合成の仕組みを自由に変えることができれば、必ず将来の地球環境に多大な影響を及ぼすことができると思います。しかし、遺伝子組換えの技術的問題は多く、倫理的問題はまだまだ未解決のままであり、人間の生命に危険があると確証されない限り、倫理的問題は解決しないというのが現状ではないかと思います。

A:クエン酸回路(TCA回路)は二酸化炭素を放出する回路なのですが?一般に植物で二酸化炭素を固定するのは、カルビン回路(還元的ペントースリン酸回路)です。一部の光合成細菌では、還元的TCA回路と呼ばれるクエン酸回路の逆反応のような代謝経路で二酸化炭素を固定します。


Q:今までの話も面白かったが、今回の講義内容が一番、興味深かった。偽ストロマトライトと本物のストロマトライトとの違いはわからなかったが、二酸化炭素と温暖化、オゾンホールの問題はわかった。二酸化炭素が増え、温暖化が進んでいると言うのは事実で、だからそれらを関連付けて考えるのはわかるのだが、果たして、それが異常なのかどうかは疑問に思う。数十年だか数百年だかわからないが、地球の歴史から見れば一瞬に過ぎない程度しか観測してないにもかかわらず、それだけで異常だと決め付けるのはおかしい。氷河期というものがあったのなら、その逆の現象が起こっても何ら不思議ではないはずだ。確かに人間にとって不都合なことでも、もしかしたら地球にとってはそれくらいの変動は当たり前で、むしろ起こらない方がおかしいと言うくらいのことかもしれない。オゾンホールも同じように思う。それを人間の都合で抑制して、本当に地球に優しいとは言えないと思う。もちろん、可能性の話で、温暖化やオゾンホールを問題視することを全否定する気はない。
 全講義を通して、植物の話ももちろん面白かったが、最も印象に残ったのは、実験の話だ。実験がどれだけ大変か、客観的にではあるがわかった。また、実際の実験の話を聞くことで、漠然としていた将来像や、過去と現在の講義の意義が見えてきたと思う。まだ、どんなことをするのか、どんなことをやりたいのか分からないが、いろいろな角度からアプローチできるようにがんばっていきたい。


Q:現在の地球の環境が長い期間の間に偶然誕生した小さな植物によって形成されたのはまったく驚くべきことだ。生命体の誕生にしても、生命体の陸上への進出にしても、植物の方が早い。というより、植物なしでは動物は生存できないのだ。それにもかかわらず動物、とくにわれわれ人間はあたかも地球の支配者であるかのごとく振舞っている。永い時間をかけて植物によって造られてきた環境や植物の群落そのものが一瞬にして人類のエゴ的な文明という名の下に壊されていっている。これから環境はどう変化させられていくのかが気になる。地球の環境全体が好気的に変化したことで好気性生物が出現、優勢を占めるようになったのと同様に、これから人類の変化させた環境に適した種が優勢をしめる時代ももうすぐきて、人類はこれまでの種と同様に環境に適応できなくなって絶滅していくのかもしれない。そんなことを考えると恐ろしくなる。
 半期の講義をうけて、一見動ず、ただ光合成をしていると思っていた植物も、実はその静かな佇まいとは裏腹にその体内では複雑な化学反応を行っていることがわかり、植物を見る眼が少し変わってきた。最近授業で出てくる話などは多くが動物の遺伝子の情報などであったのだが、動物よりもむしろ一個体で1つの系として存在できる植物の方が面白いのではないかとおもうようになったまでである。また、授業では単に植物の生化学的な反応機構のみならず、実践的な研究の方法やその背景などを知ることもでき、この講義を受けてみてよかったと思っている。半期でしたがありがとうございました。


Q:太陽からは、電気を帯びた陽子や電子などの荷電子粒が絶えず流れ出ており、太陽からの放射性粒子も地球の地磁気にとらえられて南極、北極の近くで空気のなかに突入し、生物は、放射性被爆を免れている。つまり、大気や地磁気により有害な紫外線、放射線から守られて生きているのであるが、では、なぜ、可視光線、赤外線も電磁波であるのになぜ無害であるかと考えたのだが、生物のエネルギー源として必要で、このエネルギーは、生物の誕生と進化に不可欠だったのではないだろうか。 ヒトは、太陽光を最も強力な同調因子とし、視床下部視交叉上核を生体時計とする生体リズム調節機構を育んできたが、ここで問題なのが、極に近い地域では、冬では、太陽光が無く、夏では、太陽光が遮断されないという状態が生じるため、太陽光の24時間周期の異常から生体リズムの異常が生じると考えられる。その際に、補助するものがあるのではないかと考えた。それは、地磁気によるサーカディアンリズムの保持である。生体に地磁気受容体があるならば、地磁気の周期変化を感知し生体時計の同調が可能になるはずである。 人間の身体は、化学反応による微弱な電気信号で情報を伝達し、コントロールされており、外部からの情報伝達も電気信号とし、感覚神経をたどり、脳へと至り、感覚が生じるが、情報の伝達がスムーズに行なわれないと感覚、感情、肉体面に様々な障害をもたらすということから人間の身体は、微弱な電磁波によりコントロールされていることがわかる。また、脳だけでなく、心臓も電気信号が心筋に伝わり、拍動し、全身も電線のように張り巡らされた神経細胞も情報伝達が行なわれているので、フロンガス、塩素系化学物質によるオゾン層の破壊により有害な宇宙線による生体への危険性が十分な考えられるため、我々を取り巻く環境や製品について深く考える必要がある。 オゾンが紫外線を吸収してOとO2に分解する際に吸収される紫外線はおおよそ200nm~300nm付近であり、地球大気中にはオゾン以外にも紫外線を吸収する成分があるので、例え、オゾンが無くても太陽の紫外線は、それらの物質により吸収されるのではないかと考えられるが、近年の環境破壊などを考えるとそう単純ではないだろう。オゾン層破壊の点から見て、300nm付近の紫外線が地上までやってくることより、オゾン以外にも有効にこれらを吸収する物質は存在しない。そして、大変興味深いのは、この波長帯の紫外線は、生物の遺伝子に大きい害作用をもつことである。 太陽紫外線のやってこない海中で活躍した植物のおかげで地球の大気に次第に酸素が蓄積されると同時に、この酸素をもとにオゾン層が出来上がったのは今からおよそ5億年前と考えられている。ちょうどこの頃から植物や動物の陸上への進出が開始されていることから、陸上が太陽紫外線の脅威から免れるようになったのであろう。生物がこの波長の紫外線の被害を受けやすい遺伝子を持ったのは、自ら紫外線の被害を防ぐのではなく、オゾン層により防いでもらうのを前提として生物は進化したのではないだろうか。また、塩素酸化物のオゾン破壊反応サイクルは、窒素酸化物により緩和されていることと、下層成層圏において、ほとんどの塩素化合物がClONO2の形で分布していることより、塩素化合物が、窒素酸化物のおかけで危険な塩素酸化物にならず、安定なClONO2になっているので破壊的なオゾン破壊が進行するのがかろうじて止められていると分かる。ここで、興味がもたれるのは、窒素酸化物の起源であるが、窒素固定細菌などの微生物の活動によるものが大気中に放出したものではないだろうか。


Q:僕が植物生理学の授業により得たものは二つあります。一つは、もちろん植物生理学の知識です。最新の研究情報や研究における実験方法など教科書ではのっていないものまで学ぶことができました。もう一つは、学習した内容を考え疑うことです。二つ目のことは、毎回授業についての疑問や実験に対しての考えを書くことを課題にしたこの授業ならではのことだと思います。
 一つ目の知識についてですが、植物生理学の色々な分野にふれたので良かったと思います。僕はもともと、生化学に興味があったので、植物の光合成の分野は特に興味があり自分で勉強するよいきっかけになりました。また、実験のことについてですが、今まで研究ということについて曖昧なイメージしかありませんでしたし、4年生になってからやる卒業研究に実感がわきました。授業の実験方法をどうするかの説明を聞いたときは、大変そうなイメージがわきましたが、その後で自分だったらこうするだろうと考えながらレポートを書いていたら、だんだん卒業研究が楽しみになってきました。
 二つ目の学習したことを考え疑うことですが、これは生物学だけでなく他のことにも役に立つと思われます。今までの授業は、内容を理解するだけで終わってしまっていました。しかし、この授業では理解したことを応用することが要求されていたように思えます。毎回授業が終わった後、配布されたプリントをみながら「この現象は何かに応用できないか。この酵素の機能を利用して、他の反応を効率化できないか。」など考えをめぐらせました。最初のころは面倒くさいと感じましたが、今では実際に卒業研究でやってみよと思えるので、とても面白いです。
 これら二つのことは、これからの大学の勉強やその先にいっても大切なことだと思います。研究だけでなく他のことにも役立てていこうと思います。


Q:地球の進化の歴史から考えてみるとやはりヒトの誕生は地球の歴史の大きな節目である。ヒトの誕生により最も大きく変化したのは地球環境であろう。たとえば、開発による森林の減少や砂漠化、それに伴う生物の絶滅、オゾン層の破壊、地球温暖化などの環境の激変が地球の歴史から見れば一瞬であろう時間の間に起こっている。最近になりやっとこれらの問題の重大さに人間は気付き、さまざまな対策を練って日々地球環境を元に戻そうと努力している(努力していると言ってもそれは一部の人間たちだけであって、人間の大部分はそれどころではないのだが)しかし、今日の講義で最も印象に残った話題に“「地球に優しい」?”というものがあったが、よくよく考えてみると、たしかに今注目されているさまざまな問題は人間にとっては重大であるが、地球にとってはたいした問題ではないのではないかと思う。石油、石炭など資源が底を尽きるという問題も人間が困るだけであって地球はなにも困ることはないだろうし、オゾン層が消え紫外線が降り注いだとしても、温室効果により地球の温度が上がり、南極の氷が溶け陸地が水没しようとも、地球上に住む一部の動物や植物が消えるだけで(動物や植物にとっては大きな問題であるかもしれないが)それは地球の歴史上よく見られた現象である。「結局困るのは人間」という言葉通り今問題視されていることはあくまで人間中心の考え方であり、地球のためというのは適切な表現ではないのであろう。いわば、人間が理想的に生きるための地球作りといったところであろう。
 いままでレポートには植物の話題と生命の進化や地球環境とを関連させて考察したことを書いてきた。今までヒトの誕生は地球環境や生命の進化にとって大きな出来事であったのだろうと考えてきた。しかし、最後の授業で思ったのは確かに地球の歴史においてヒトが誕生してからの年月は特殊なものであったかもしれないが、地球にそこまで大きな変化を与えるものではないのではないか。ヒトから見れば激動とも思える変化も、地球からすればよくあることではないのだろうか。このように考えるだけで環境問題への考え方が変わると思う。いったい地球のためになる環境対策とは何なのか、地球のための環境対策を行うことの意義は何なのか。結局、それらの行動すべてはヒトという種の保存のためではないのだろうか。ヒトも“生命は常に自分の遺伝子を多く残すことを考えている”といった生命の大原則に縛られているには変わらないのであろう。
 植物生理学の授業を受けながらも結局は自分が興味のある生命の進化や環境と関連した内容のレポートばかりを書いていた気がします。ただ、それだけこれらのことについて考える機会があったということで十分に意義があったと思います。


Q:動物のように目に見えて動くという事が殆ど無いので、なにか生物としての認識が薄かった植物だが、細胞レベルでは環境変化に対して活発に応答している事を知った。また、多様な進化を遂げてきた中には、ルビスコのように効率悪いものも存在しているという話などは、進化は過去の事ではなく現在も確実に進行しつつあるものだと感じるきっかけになった。エネルギー収支に関して、シビアに判断する仕組みがあることも興味深かった。
 地球上の生命の発展に大きく寄与してきた光合成と植物だが、人口増加による環境への影響や食糧問題など、今後も応用範囲は拡大してゆくのだろう。例えば、「植物の生育効率を人工的に増幅させる事」「植物の持つ、機能(光合成、炭素・窒素固定など)のみを取り出して利用する事」「植物を利用して環境を改善する事」等が考えられるのではないか。植物の持つ、無機物から有意な有機物を合成する機能はそのシステム自体が非常に魅力的なので、巧いことそれだけを植物体の成長と切り離して利用出来るようにならないものだろうか。そうすれば、環境の改善やエネルギー問題の解決に繋がると思う。
 半期の講義で若干忙しかったけれど、色々な話題に触れられておもしろかったです。その反面、知識の足りなさも実感したのでこれからがつがつ吸収してゆこうと思います。あと、園池先生は理科大で他に専門科目の講義などはなさらないのですか?

A:すみません。僕がやるのはこの植物生理学だけです。


Q:今回の講義で一番印象に残ったのは、「地球は人間が絶滅しても困らない」ということだった。確かに人間が絶滅してしまえば、今起こっている問題の大部分は起こらないと思う。それは地球の環境の向上にもなるのではないか。今の人間の人口はこの地球の規模ではまかないきれないほど多くなっていると思う。
 講義全体を振り返ってみると、改めて光合成が我々の生活の中で密接に関わっていると感じた。普段は光合成のことなど気にせずに生活しているが、ヒトにとって有害になる量の紫外線を遮断してくれるオゾン層ができたのも光合成のおかげだし、日々の生活に必要なエネルギーは石炭・石油からかなり量を得ている。これも光合成生物の死骸が長年経過してできたものでる。
 光合成の仕組みについても細かく説明してくれたのでよくわかった。なぜこういった段階で反応が進んでいくかに疑問をもち自分なりに考えるというが大切なことだと思った。研究についてのこともいくつか取り上げられていたので興味がわく講義内容だった。


Q:この植物生理学の授業は半期だけでしたが、毎回興味深い内容ばかりで盛りだくさんの授業でした。植物の光合成や呼吸は、普段の授業ではさわりしか学ばないため、様々な発見がありました。私たち動物と違って移動能力がない植物はただ見てるだけでは気が付かないけれど、生きていくためにいろいろな環境適応をしているのだと知りました。また、光合成のマクロな働きにも驚きました。光合成に温度が関係していて低温では阻害を受け、生育速度が低下するのが光合成反応による結果で、それを実験から確認することを知りました。寒いと植物が枯れたり生育が低下するのが当然のように考えていたが、当たり前のことを、何故そうなのかと考えることの重要さを再確認できました。また、ATP合成酵素の回転の事実とそれを証明できた現在の技術には驚くばかりです。元々植物の葉緑体の共成説に興味を持っていたので今回の地球の歴史と進化も得ることが多かったです。また、毎回地球の誕生の話を聞いたり読んだりする度に、とてつもない時間をかけて築いてきた自然を、数百年もかけないで壊してしまう私たちは、どれだけ私たち人間が地球の恩恵を受けているかということをもっと心に刻み込まなければと思います。ゲノム解読など、科学技術は常に進歩し続けてはいますが、自分達だけでなく、地球全体にどのような影響があるかしっかり考えなければいけません。科学技術の進歩の結果であるフロンガスによるオゾン層拡大の面積がこんなにも増えています。また、二酸化炭素濃度も増えており、国ごとの年間の二酸化炭素排出の削減は減らすかどいかを議論するのではなく、減らさなければいけないという域に達しているのではないかと思います。人はたくさんのものに支えていますが、反対に人間は、はたして地球の何か役に立っているのかどうか疑問です。地球は人間が絶滅しても困らないという言葉には納得してしまうことは非常に悲しいことです。地球にためになることはなにかないか探していきたいと思いました。半期だけでしたが、レポ—トによる質疑応答の形式は様々な意見が聞けたり、わからないことがよく聞けて大変よかったです。ありがとうございました。


Q:全体を通して。植物の仕組みや機能について、いくつか学んだが、わかったところと分からなかったところがあるように感じる。まずは身近な光合成や、光合成のもたらす影響について学んだ。例えば動物が呼吸しても酸素はなくならないといったことから、光合成の専門的なメカニズムまでである。全体を通して、思ったことは今生息する植物よりも更に高度な植物が作れるのではないかと思った。例えば、今現在高度な植物は原核生物を取り込む、つまり共生して高度に進化したと考えられているのだから、他の原核生物や、真核生物を取り込ませ共生に成功したらより高度な植物ができてもおかしくはないのではないかと思った。それが、光合成の効率をあげたくさんの酸素を出すものであったり、害虫につよかったり、どんな環境(凍結ストレス、低温ストレス)であっても生息できるものにならないかである。また他には、原核植物から真核植物に進化したのだから、長い年月をかけて更に進化してもおかしくないのではないか。これは現在がほとんど安定した環境、気温、湿度などで大きな変化のない状況だから植物にも大きな変化が必要ないのだらうと考えた。しかし、今現在、原核植物が真核植物に進化したとはいえ、原核植物が絶滅しすべて真核植物になったわけではない。これについてはいい答えがみつからなかった。
 植物のことに興味があるので、講義を聞いてさまざまなことを考えた。考えたことをうまく表現できているかわからないし、全てはなせているかわからないが、前より更に興味をもった。


Q:植物生理学の授業は、普段あまり考えることのないヒトと植物の違いを知り、考えるよいきっかけとなりました。違いはたくさんありますが、光と温度による影響の受け方の違いについて書こうと思います。
 まず、植物が光によって間接的に影響を受けるものとして呼吸速度があげられます。光の強さによって光合成速度が異なり、呼吸速度も変化するからです。ヒトは運動後などに心拍数が上がって一時的に呼吸速度上がることはありますが、それ以外ではほぼ一定に保たれ、同じ量の酸素が体内に取り込まれています。生きていくうえで呼吸は重要な働きなのに、それが光によって影響を受け、植物にストレスなどを感じさせないのかが気になりました。しかし、それでも植物は生育していきます。昼間・夜と毎日ほぼ一定のリズムで呼吸速度が速くなったり遅くなったりしているので、うまくバランスをとっているのだと思います。日照のリズムを変化させたときにはどのような影響が出るのかも気になりました。
 また、温度の影響の受け方もヒトと植物では全然違います。恒温動物であるヒトは気温が変化しても体温はほぼ一定に保たれ、狭い範囲の体温でしか生きることができません。しかし、植物では細胞温度がマイナス数十度まで下がることがあります。ヒトは体温が1℃でも変化すると体調が変化します。植物は細胞温度が大きく変動しますが、それが機能にどのように影響を与えるのかが気になりました。植物の低温ストレスによる阻害は農家の人々を困らせるタネだと思います。温度を戻しても阻害は元に戻らないという不可逆性はヒトと同じ(凍傷など)です。遺伝子組み換え技術の進歩によって、低温に耐性があり、かつ安全な植物ができてほしいです。可視障害の遅れについては、低温阻害によってだめになってしまった細胞が、温度を元に戻してから機能している細胞の妨げになっているために可視障害が顕著になるのだと考えました。
 このように考えると、やはり移動能力がない植物は、ヒトよりも外的環境に適応しやすくできているのだと思いました。


Q:まず、今回の授業に関して、生命や水の痕跡というものが非常に微妙なものであることに驚きました。多分、私が枕状溶岩やストロマライトの化石を見せられても、そこに何かの痕跡があるとは思いもしないでしょう。知らない、ということで見落としていることが世の中には幾らでもあるんだろうなと思いました。そして、出来るだけ多くのことを知って、そういう見落としを少なくしたいとも思いました。そうやって自分の知らないことを減らしていくことで、何がわかっていないのか、何が問題なのかを知ることができ、新しい発見につなげることが出来ることが出来るのではないでしょうか。
 授業全体に関しては、私は大学で少しかじったものの、高校時代に生物を履修していなかったことや、なんとなく植物には苦手意識があったり、そして興味も他の分野ほどは無かったことも手伝って、植物生理学は、ずっと私にとって避けてきた分野でした。しかし、今回の全9回の授業を聞くうちに、もっと植物について知りたくなりました。内容的には難しいことも多少はあったけれど理解できないということはありませんでしたし、私のような基礎の弱い学生が聞いてそうなのですから、基礎のしっかりした他の学生さん達にはとても意義のある講義であったと思います。授業としては、実際の実験の話が出てきたところをとくに興味深く聞きました。あと、これは要望なのですが、私自身、体があまり強い方ではないので、授業に必ず出なければならない授業は大変でした。出来れば、毎回のレポートは現行の授業の感想と何か課題や問題のようなものをつけていただければいいなと思います。