植物生理学II 第6回講義
光合成色素の多様性
第6回の講義では前回に引き続いて光の捕集に関わる光合成色素の話と、葉の構造によって光の吸収効率を上げる例、そして水中の光環境と光合成色素の種類の関係などについて紹介しました。今回の講義に寄せられたレポートとそれに対するコメントを以下に示します。
Q:今回授業で葉の表と裏の色の濃淡の仕組みについて学んだ。表の方が濃い緑色。表側は柵状組織が並んでいて、それぞれの組織の隙間を光が全反射しているからだ。裏側は海綿状組織で色々な角度で反射するため表よりは薄く見える。では葉の裏が緑ではなく他の色の葉はどのような仕組みになっているのか。そこで葉の表は緑色で裏が赤紫色の金時草(キンジソウ)を見てみる。金時草の葉は少し厚みがある。山間に生息していて、日に当たる時間が限られ1日の温度差が大きい程、裏の赤紫色が鮮やかになる。この赤紫色はポリフェノールのアントシアニンで、抗酸化作用がある。金時草は夏の野菜なので強い光が当たったとき、葉の細胞内での光酸化、クロロフィルや他の分子の分解を抑え、葉の老化を防いでいる。葉の裏の色が赤紫色なのはこのような理由からだと考えたが仕組みはどうなっているか。葉の裏の色が濃く、そして色があるということはそこにも光が当たっているということだ。金時草は表と裏両方に光が当たっている為、裏にも柵状組織があると考えられる。柵状組織と柵状組織の間に海綿状組織があるのではないか。そのため葉が分厚くなっているのではないか。
http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/kinjisou.htm
A:面白そうな話題なのですが、論理展開がやや錯綜しているように思えます。後ろの方になって裏にも光が当たるという記述がありますが、その場合でも、表の方がより光が強いでしょうから、抗酸化作用が必要なのは裏よりも表ではないでしょうか。とすると、裏にアントシアンを配置する理由がわからなくなります。さらに、局在を決めているのが抗酸化作用のせいではない場合には、裏にも光が当たるという論拠自体が崩れてしまいます。論理構成の整理がもう少し必要そうですね。
Q:クロロフィルの代謝のお話が講義で出てきました。そこで「クロロフィルの分解が、カロテノイドに比べ起こりやすい上に、異化が高い程度で進行し、クロロフィル分子の再利用をするにしても窒素原子レベルにまで還元されてから再び長い経路を同化反応として経る。その意義はここ最近ではクロロフィルの分子自身の危険性が指摘されている。」とのことでしたが、クロロフィルを分解させようとして、遊離させたクロロフィルに光があたったときにでる一重項酸素の酸化力のほうが、クロロフィルだけに対する特異性もないですし、よほどクロロフィル(クロロフィルの毒性はよく知りませんが)より危険に感じます。しかし、事実としてクロロフィル分解が起こっていることを考えると、分解によって潜在的なクロロフィルの危険性を排除できる以外にも植物にどってのアドバンテージがあるように思います。例えば、クロロフィリドaからフェオボルビドaが合成される反応では反応副産物としてマグネシウムイオンが発生しますが、このマグネシウムイオンはATPaseの駆動にも必要ですし、その細胞内外の濃度を調整するための専用のカチオントランスポーターがあるほどです。光合成にも呼吸系にも必要なATPaseが止まると、それこそ個体の維持も危うくなりますし、細胞内外の濃度勾配を形成する因子は複数ある方がよいでしょう。以上のように考えると、クロロフィル分子が必須栄養素であるマグネシウムの貯蔵プールとしての色ももつように思えます。光が当たらない夜の間には昼ほどたくさんのクロロフィルは必要ないですし、多少分解してATPaseなどの別のタンパク質の活性化に出力するほうが柔軟です。
参考文献:https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1344(植物生理学会サイトのみんなのひろば)、?http://photosyn.jp/pwiki/index.php?%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%88%86%E8%A7%A3(光合成辞典、「クロロフィルの分解」のページ)
A:最初の部分の引用は僕の言葉ということなのだと思いますが、そうだとするとやや不満です。それはともかく、「クロロフィルを分解させようとして、遊離させたクロロフィルに」とありますが、これは遊離させる必要があるかどうか、という点から考える必要があると思います。もし、遊離させずにタンパク質に配位したまま分解できるのであれば、話はガラッと変わりませんか?
Q:今回の授業内で葉の構造により緑色光の吸収率を上昇させているという話が出た。これにより柵状組織と海綿状組織の存在により表では黒っぽくなり裏では白っぽくなり、ある程度厚くなる。これはツバキなどで確認できるが、一方で同じ種子植物でありながらアマモやオオカナダモなどの海草や水草は裏が透けるほど薄い構造になっているものが多く確認できる。これには重力などが影響しているのだが、このような薄い葉では先ほどの緑色光の吸収率を上げる効果はかなり薄いと考えられる。この違いが生じた原因はやはり環境の違いであると考えられる。まず、植物の光合成には光が葉に届くことが第一条件であるが陸上には森林のような植物同士が密生し、重なり合っている環境が多く確認できる。そのような空間では上部の植物により、クロロフィルが吸収しやすい青や赤の光が吸収され、下部の植物には緑の光が多く届くことになる。そのような条件下でも光エネルギーを吸収し、ある程度光合成が行えるように葉の内部に緑色光の吸収率を上げる構造が維持されてきたと考えられる。一方で水生植物は水中に存在するが、川を覆うように木が張り出すことは少なく、ましてや海では遮るものがほぼなく、水面に太陽光が吸収されることなく到達する。また水中では赤などの長波長の光が吸収されやすいが水面付近であれば吸収されずに残っていることが多い。よって水生植物は水面付近に生息することで青や赤の光を多く吸収でき、わざわざ緑の光を吸収する必要がなくなるため、水中に適応するための薄い葉でも問題がなくなるために陸上植物との葉の構造の違いが今まで維持されてきたと考えられる。
A:陸上の場合は、林冠とその下の植物を考えていますが、水圏については水面しか考えていないのがやや不思議です。陸上と同様に、水面から少し潜れば、緑色の光が必要になると考えられませんか?
Q:プランクトンの有無や浮遊物により、池や海の色は違って見えることは理解しやすいが、光合成生物とその他の生物に着目して考察する。プランクトンとは微小なものが多く、特に水の流れに受動的に浮遊している生物のことである。水中の食物連鎖の下位にあり、プランクトンがいない環境下では他の生物もエサがないため生息が困難な環境であるのか考えた。プランクトンの中には植物プランクトンも含まれるがこれが多いと沖縄の海に代表されるような緑や青色に近い色になる。このような環境下では確かに多様な生物が生息しており、生息しやすい環境であることがよく分かる。浮遊物が多い環境下ではプランクトンの大量死が起こることも多々あり、汚い海にはあまり生物が好んで生息しないことと合致する。普段さりげなく水の色を見比べていたが、プランクトンがその色には多く関わり、プランクトンの多さが生息する生物に影響を与えるという段階を越えていることが改めてよく分かった。
A:全体として何を主張したいのかが不明です。科学的なレポートを書く場合は、漠然と描き始めるのではなく、問題設定と結論、そしてそれらをつなぐ論理を明確にしてから書き始めるようにしましょう。
Q:私が疑問に思ったのは、季節によって葉は光合成の効率を変えているのではないかということだ。冬になると日照時間が短くなるので、日が当たる昼間に多くの光を吸収する必要がある。そのため、冬の葉は夏の葉より光を効率よく吸収する仕組みを持っているのではないかと考えた。これを実験的に確かめるには、次の方法がある。材料として使うのは、成熟した常緑樹の葉である。夏の葉と冬の葉をそれぞれ用意し、吸光度を測定する。冬の葉のほうの吸光度が高ければ、冬の葉のほうが同じ時間内により多くの光を吸収していると言うことができる。冬の葉が効率よく光を吸収する手段のひとつとして考えられるのは、葉を厚くすることである。植物の葉は柵状組織で全反射によって光を誘導し、海綿状組織が散乱板の役割を果たすことで光を吸収している。よって葉の厚さが厚いほうが、より効率的に光を吸収できると考える。
A:着眼点はよいのですが、もう少し考察を詰める必要があります。そもそも、常緑樹の場合は、「夏の葉」といっても、一年目の夏の葉と二年目の夏の葉があるはずですよね。それらをごっちゃに実験をしてもうまくいかないでしょう。また、一年目の夏の葉から冬の葉に変わる際に葉の厚みを厚くすることが可能だとしても、その冬の葉が二年目の夏の葉になる際には、固いセルロースの細胞壁をもっている葉をどのようにして薄くするのか、という問題を生じます。実験をデザインする場合には、漠然と考えるのではなく、具体的なイメージを持って考えることが重要です。
Q:今回の授業で、陸上植物にはフィコビリンのような緑色の光を吸収する色素が存在しない。陸上植物の葉の構造は柵状組織と海綿状組織があり、光を屈性させることで回収率を上げて対処している。しかし、もし光が葉の裏側から入ってきた場合の回収率は減ってしまう。一方、海中植物はフィコビリンなどの色素を持つことで、深さに合わせて、透過してくる光の波長を効率よく吸収している。ここで思ったのは、そもそも黒色の色素体を持てば、どんな場所でも効率よく光を吸収できるのではないだろうかということだ。しかし、実際に真っ黒の葉をしているものはほとんどないので、真っ黒にすることで生じるデメリットについて考察しようと思う。まず考えられるのは、光を吸収しすぎてしまうということである。光合成には光以外に、CO2と水が必要である。得られた光に対して、それらの要素が足りなくなってしまうのではないだろうか。特に海中にはCO2が少ない。そうなってしまうと光エネルギーは無駄になってしまう。また、陸上の場合は夏場などの太陽の日差しが強いときには葉の温度がかなり高くなってしまい、細胞が壊れたり、意図せず水が蒸発してしまうということも考えられる。また、そもそも葉緑体はシアノバクテリアが共生したものである。シアノバクテリアが黒色の色素を持っていないために、葉緑体が黒色になることはできないのではないだろうか。以上の点から黒色の植物はほとんどいないと考えられる。
A:講義では、クロロフィルの他にフィコエリスリンを持つ紅藻は、可視光をかなりまんべんなく吸収するので、海苔は黒いのだ、という話をしたはずです。とすると、黒い色素を一種類持つ代わりに二種類の色素を持てば同じ効果が得られるはずですが、そのような場合との比較が考慮されていません。また、黒い色素を持った場合に、光を吸収しすぎるのが問題であれば、色素の量を減らせば、その色素を合成するのに必要な材料の節約にもなって一挙両得のはずです。そのあたりを、もう少し詰めて考える必要があるでしょう。
Q:今回の講義では、植物は特有の波長を吸収する光合成色素を持っているということを学んだ。では、なぜ植物は特有の光合成色素を有するのか。様々な波長を吸収できた方が、より多様な場所、季節等に対応できるようになるのではないかと疑問に感じた。まず、効率的な問題が考えられるだろう。光合成色素は、クロロフィルのように反応中心だけではなく光を集めるアンテナとしての役割があることも講義で学んだ。また、様々な色素を有していると、多様な環境に適用できる代わりに、ある環境に適する色素量が減少してしまうだろう。そのため、多様な波長を吸収するよりも、特有の波長を中心にアンテナを用いた方が、より効率的なのだと考える。
A:問題点を設定して考えているという点ではよいのですが、考え方は中学生ぐらいでも思いつくような気がします。もう少し大学生らしいレポートにしてください。
Q:今回の授業で葉の柵状組織と海綿状組織の役割について習った。柵状組織では光ファイバーの原理で光を中に誘導し、海綿状組織ではその光を錯乱させている。これにより光路を延長し、効率的に光合成をおこなっていることは分かった。しかし、なぜこのような2層の構造をとっているのだろうか。日当たりの良いところに生育する植物は十分光を得られるので柵状組織のみ、逆に日当たりの悪いところの植物は海綿状組織のみで最初から光を錯乱させることに専念すべきではないか。そのため葉の構造が2層になっている理由を考えてみる。まず2層になるメリットの一つが葉に厚みを持たせることができることではないか。柵状組織は細胞が隙間なく並んでおり、非常に強固なつくりであると思われる。ゆえに葉の強度を高める働きを持っているのではないか。そのため、日当たりの悪いところに生育する植物でも柵状組織が必要になるのではないか。一方、海綿状組織は日当たりの良いところに生育する植物では不必要とも考えられる。しかし、どんなに背の高い植物であっても自身の葉の陰に他の葉が重なってしまったり、その植物の成長段階では必ずしも光が常にあたり続けるとは限らない。そのため、光を効率的に光合成に用いる柵状組織はどの葉に存在すると考えられる。また、強い光のときには強光阻害により逆に光合成をうまく行えない可能性がある。柵状組織はある意味、光を調節する装置として機能しているとも考えられる。つまり強い光のときも柵状組織で光を弱め、海綿状組織で光合成をおこなうということである。以上の理由から葉には柵状組織と海綿状組織の2つの構造から形成されていると考えられる。
A:問題点を設定して、それに対してきちんと考察を加えていて評価できます。内容について一つだけ。強い光の下で海綿状組織が必要ないという論理がよくわかりません。例えば3段の柵状組織だけの葉と比較して、その一番下の段を海綿状組織に変えて光を折り返した葉の方が、強い光の下でも光を有効利用できるように思いませんか?
Q:今回の授業で海藻類は陸上植物と比べて多様な光合成色素(特にフィコビリン類)を持っている。なぜ、海藻類は多様な光合成色素を持っているかについて考察したい。今回の授業であったように陸上植物は柵状組織の下に海綿状組織を持つことで葉に入射してきた光を散乱させ光路長を大きくすることで吸収しづらい緑色光も吸収できるようになる。この結果、可視光の大半を吸収でき、光合成効率を上昇させている。しかし、海藻類では単細胞の藻類の場合は陸上植物のような構造がとれず、また、多細胞の藻類の場合も光合成の際に必要になる二酸化炭素と水を直接それぞれの細胞が取り込む必要があり、光合成をおこなう細胞を厚く設置することができず、上記のような構造を作ることができない。このため、光合成色素を幅広く持つことで、多くの波長の光を吸収していると考えられる。
A:問題点を設定してそれを考えているという点ではよいのですが、講義の内容をなぞっているだけですよね。この講義のレポートに要求されているのは独自の論理です。
Q:藻類、海に生息する海藻は浅いところから深いところにいくにつれ緑藻、褐藻、紅藻などが生息している。水の中に生息する藻類は深さにおけるそれぞれ各種の色素をもち水中では光合成の効率化を図っている。光合成の効率化のためにより多い色素を持つことが良いとしても緑色の色素を持たない陸上緑色植物は多い、赤色光には光子がたくさん含まれていたりエネルギーの高い青色光を利用することが直接的な理由とは全く言えない。光合成の化学反応を進化とともに考えてみると例えばこんな仮説が思いついた。もともとフィコビリンなどの緑色の色素を持つ植物は陸上にも進出していたが、光合成が最も機能する温度に適さなかった(高温だった)ので、水中では温度を保つことができたが、余分な熱エネルギーを生成してしまうため、緑色の色素をもつ陸上植物は死滅した。
A:全体として何を主張したいのかが不明です。レポートを書く際には、問題設定と結論を明確にして、その間をつなぐ論理をきちんと書くようにしてください。
Q:今回の授業の終盤で、カロテノイドよりも先にクロロフィルが分解することが紅葉に寄与すると述べられていた。逆にクロロフィルの分解が後だとよろしくないということも触れていたが、何故先にクロロフィルではないといけないのか考えてみた。カロテノイドには有毒な活性酸素を分解するという機能があるため、葉が完全に枯れるまで植物体への活性酸素の蓄積を防いでいるという可能性もあるが、光に関する面で考えてみると、植物が紅葉を始める秋の季節における光が原因となっているのではと推測した。秋晴れというものがあるように、秋は晴天が比較的多い季節である。そのため地上に降り注ぐ光の量も増えるが、クロロフィルの吸収する青色光が大気中で拡散を受けることで葉に届きにくくなっているのではと推測した。従って、カロテノイドが吸収出来る光の量が多くなり、クロロフィルを先に分解させて後からカロテノイドを分解させることで葉が枯れるまで光合成の効率を少しでも高くしようとしているのではないかと推測した。
[参考URL] https://www.photosynthesis.jp/shikiso.html, 光合成の森「光合成色素」(2016.11.10)
A:目の付け所は面白いと思います。ただ、講義の中で示したように、カロテノイドが吸収する光も主に青色光です。つまり、青い光の有効利用という点からすると、カロテノイドとクロロフィルはそれほど大きく変わらないはずです。
Q:今回の授業で、葉の構造のうち柵状組織が光ファイバーとして光を通し、海綿状組織が光を乱反射することが分かった。葉の構造でこのように工夫があるのなら、細胞内の葉緑体も同様な配置をしているのではないか。よく知られている現象に、葉緑体の光逃避運動がある。これは、強光時には細胞が側面に移動し光をよけ、強光による葉緑体の損傷を防ぐものと考えられている。これは、葉緑体も光ファイバーと同様の構造をとり、光を通すようになっていると考えられる。弱光時には細胞は表面に集まり、光をすべて受けようとする。細胞内に散らばって光が細胞内に散乱したほうが吸収率はよいのではないかと考えられるだろう。実際はそうでない理由は何か。海綿状組織に関しては、細胞内には核などの他の器官が存在し、これらに光が当たってしまうと光が失われてしまう。細胞の外側に集まって細胞内に集まって反射させる、あくまで葉の構造による乱反射に頼る方が効率がよいからだ、と考えた。柵状組織に関しては、弱光のときも光を通過させたほうが、海綿状組織による反射が起こるため、よいのではないかという疑問が残った。
A:これも目の付け所はよい、と言いたいところですが、肝心なところで間違えています。細胞が光ファイバーとして働くのは、講義の中でも強調したように周囲が屈折率の低い空気だからです。それに対して葉緑体は、その中身も周りの細胞中も水ですから、そもそも屈折率の違いがわずかしかありません。そのような状態では、位置と形がどうであっても光ファイバーの役割を果たすことはできません。
Q:今回の講義では、葉の表裏について学んだ。そこで、イネ科の植物によくみられる、葉の裏が上を向く構造の利点について考察する。シュート全体がしなだれかかるようになっていることで、細長い葉が茎からはぎとられにくいという利点が考えられる。また、イネ科植物のほとんどが草本であり、木本ののもほど茎などを丈夫にする必要がなく、葉の裏が上になって光合成になって光合成量が減ってしまっても支障がないと考えられる。
A:もう少し大学生らしいレポートを書いてください。3文で論理を構築するのにはそもそも無理がありますし、最後の文は日本語になっていません。
Q:今回の授業で紅葉とはクロロフィルが分解されてカロテノイドの色が際立ってきているものは黄色に、アントシアンが合成されるものは赤に紅葉するということであった。植物によって赤色に紅葉したり、黄色に紅葉したりするのか疑問に思ったので考えてみた。光受容体や反応中心としての機能がおちてきたクロロフィルは残しておくと活性酸素を作り出すため周りの器官を傷つける可能性がある。そこで葉は寿命が近くなるとクロロフィルを分解したり、アントシアンを合成して活性酸素ができないようにしている。これが紅葉である。アントシアンがあるとこによってクロロフィルに届く光が減るという保護の働きもあるという説もあるそうだ(文献1)。アントシアンに保護されることによってクロロフィルの分解を遅らせ、少しでも長い期間光合成をできるということだ。では早めに光合成を終わらせてクロロフィルを分解する黄葉と少しでも光合成できる期間を伸ばしている紅葉では何が違うのか。紅葉するものにはカエデやモミジ、ウルシなどがある。黄葉するものにはイチョウやポプラなどがある。黄葉するイチョウやポプラは大木になり、枝が少ない。一方紅葉するカエデなどは木ではあるがイチョウなどほど大きくはならず、枝が横に大きく伸びている。この枝振りの違いはそれらの生活様式によるのではないであろうか。大木のイチョウやポプラは枝が水平方向に張らなくても上に光を遮るものがないので光合成できる。しかしカエデなど背が低いため上に光を遮る樹木があるため、枝を横に張ることで少しでも光合成しやすいようにしていると考えられる。同じ理由で紅葉の色も変わっているのではないであろうか。イチョウは遮るものがない分充分に光合成できており、クロロフィルが活性酸素をつくるかもしれないという危険をおかすよりも早くクロロフィルをなくすことを選んだ。カエデは上の樹木のため充分に光合成できてないためクロロフィルが活性酸素をつくる可能性はあっても少しでも長い期間光合成することを選んだ。このような違いにより紅葉の色が赤や黄色と様々なのではないかと考えられる。
文献:紅葉の仕組み-その観察と実験.http://www2.tokai.or.jp/seed/seed/seibutsu12.htm(参照:2016-11-11).
A:素晴らしい。単に一つの植物について考察するのではなく、複数の植物の特徴をとらえて考察し、しかも、二つの戦略がそれぞれどのような環境において有利になるか、という点まで考えていて高く評価できます。