植物生理学II 第5回講義
光エネルギー獲得の仕組み
第5回の講義では主要な光合成色素の種類とその役割、そして光の吸収との関係について解説しました。今回の講義に寄せられたレポートとそれに対するコメントを以下に示します。
Q:光合成をおこなわず、土壌中の菌が根に寄生することで有機物を得るクロシマヤツシロランが鹿児島県の黒島で発見された(文献1)、という文献を受けてレビューをかきました。より突っ込んだ話としてレビューをかきます。ラン全体でみたときに現在25000種ほどが知られており、その数はここ20年そこそこで20%増加しています(文献2)。この数字に誤差があるにしてもその種類の増え方は驚異的です。この種の増加スピードが早いことを物語るかのように、前回のレビューから今回までの間にも屋久島で新種のランが見つかっているようですが(文献3)、このランは腐生植物ですが写真をみると花びらがあり開花しています。花弁を広げ、虫媒できる点でクロシマヤツシロランより遺伝的な多様性をもった子孫を残すことができるのでしょうが、黒島に比べ屋久島は面積的にも生物の絶対的な個体数が多いでしょうから、花弁を広げて花粉を媒介してくれるだけのガやハチ類が存在しているといえるでしょう。逆に、偏西風の影響を受けるにしても黒島の西側には島が存在しないため、生物の移入出や昆虫の数も屋久島に比べ少ないでしょうし、多くのランにみられる共生する昆虫1種に絶対的に依存するような花粉の媒介方法は適用できません。地理的にも共生環境にも恵まれなかったランが、黒島に移入して短い間に、言い方は悪いですが、こういった人間でいうところのニートのような生活環を持つに至った、といえるでしょう。
・参考文献:1.2016.10.13付 千葉日報(http://www.chibanippo.co.jp/newspack/20161013/357348)
2.Robert L. Dressler, How Many Orchid Species,Selbyana ,Vol. 26, No. 1/2, Proceedings of the Second International Orchid Conservation Congress (2005), pp. 155-158
3.2016.11.3付 神戸新聞NEXT(http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201611/0009634229.shtml)
A:文章にはある程度のロジックが感じられますが、最初に問題設定がなされていないため、読んでいる途中ではその論理展開が不明ですし、最後のコメントも、これが本当に導き出したかった結論なのかどうか、今一つわかりませんね。
Q:今回様々なクロロフィル色素の色を見比べたり、具体的にどの波長の色を吸収しているのかを学んだ。その中でクロロフィルdがほぼ人間が見ることのできない色を吸収していることを知り、クロロフィルは緑やそれに近い色とばかり思っていたので驚きでした。クロロフィルdは紅藻や極限環境下のシアノバクテリアで発見され、極限環境下に存在することと、人間には見ることの出来ない色を吸収する色素が含まれることは、関連しているのではないかと考えた。
A:1文目は驚いたという感想だけなので、レポートとしての採点対象外です。2文目で「考えた」わけですが、それだけで終わってしまっては、論理のかけらもありません。その考えをサポートするような事実もしくは論理を並べて、最後に結論までもっていくようにしてください。
Q:構造色で色を作り出している植物について調べたところ、アフリカにポリア・コンデンサータ(pollia condensate)という植物があることがわかった。この植物はツユクサ科で、青色の実をつける。この青色は色素によるものではなく、表面に4層の薄い細胞壁があり、各細胞壁の中でセルロース繊維がらせん状に絡み合っていることによるものである。私はこの植物がなぜ色素ではなく、構造色を採用しているのか考えた。植物は種子を遠くに運んでもらうために、鳥などの動物に目立つ必要がある。それは果実をより多くの動物に食べてもらうことによって、より広い範囲に種子を運ぶことができるからである。そのために多くの植物は、果実に色素で色をつけている。一方で、ポリア・コンデンサータは色素を合成する手間を省くために構造色を採用したのではなかと考えた。色素は遺伝子、液胞のpH、金属錯体の形成によって支配されている。ここで構造色をとることによって、この3つの因子を制御するエネルギーを節約することができる。さらにセルロースの層を作ることによって、アフリカの乾燥した気候から種子を守ることもできる。以上の利点から、ポリア・コンデンサータは色素ではなく構造色を採用したと考えた。
A:このような考え方をする場合には、「ほかの植物では色素を使う例が多いのになぜ」という点が重要です。利点を挙げただけで、それがほかの植物にも適用できる利点であれば、ほかの植物と違った性質をもつことの理由付けにはなりません。
Q:今回の授業で、葉緑体を取りすぎて、消化し切れず、血液中の葉緑体が光合成してしまい、アレルギーを起こしたという話があった。葉緑体を制御するタンパク質がなくなってしまったためである。ここで思ったのは、なぜ人間などの動物は葉緑体を取り込むまなかったのか(取り込めなかったのかもしれないが今回はあえて取り込まなかったと仮定する)ということである。もし可能であれば食料以外からもエネルギーを得ることができる。逆にデメリットについて考えてみる。植物と動物の決定的な違いは自ら移動する点である。効率よく光合成を行うには葉のように薄くて表面積が大きい必要がある。しかし、動物は筋肉や臓器があるためある程度の太さをもってしまう。また、動くのに薄かったり細かったりすると、すぐ折れてしまい不利になる。そのため体の内部では光が届かず光合成できない。したがって効率がかなり悪くなってしまう。また、光合成の必要な要素である二酸化炭素の空気中濃度は1%にも満たない。一方呼吸に必要な酸素は80%近くもある。光や水が大量にあっても二酸化炭素がその2要素に対して明らかに足りない。以上のように、動物の構造的な面、光合成に必要な材料の面からデメリットがかなり大きいと言える。これらの理由から動物が葉緑体を取り込まなかったと考えた。
A:「葉緑体が光合成をした」とは言っていませんよ。「クロロフィルもしくはその分解産物が光を吸収した」といったはずです。そのあとの論理展開はまあ良いのではないかと思います。
Q:今回の講義において、クロロフィルにマグネシウム以外の金属を使うバクテリアについての話があった。廃水に硫黄が溶けだしてできた硫酸により強酸性の環境でも、亜鉛はクロロフィルで安定に保持されるそうだ。このことから、今後酸性雨などの環境問題が悪化し続けても、もしかしたら植物は適応していくのではないかと思った。また、配偶子が少なく、短期間で広範囲に増殖することのできる胞子を持つ植物は、世代サイクルが短いため、環境に適応し進化していく可能性が高いのではないか。そのため、このまま環境破壊が進み現在よりも過酷な環境になったら、森林や草原はなくなり、苔のようなものばかりになるかもしれない。
A:前半と後半が別の話になっているのが残念です。この長さで2つの議論を論理立ててするのは難しいと思います。なるべく、論点を絞ってロジックがはっきりするレポートを書くようにしてください。
Q:光合成色素の構造の話題で「共役二重結合が長くなればなるほど長波長の光を吸収する」という話が挙がった。これがなぜなのか気になり調べてみると、あっさりと答えが見つかった。島津製作所のHP「紫外可視吸収と有機化合物の構造との関係」に書いてあった説明をざっくりまとめると、共役結合にみられるπ結合の電子には光子の運動状態を遷移させる性質があり、これは光子のエネルギーが電子に吸収されたことになる。光子のエネルギーを吸収されたということは、光子エネルギー(hc/λ)が小さくなったということであり、つまりλ(波長)が大きくなる。ということであった。なるほど短波長から長波長に変わった時のエネルギーで光合成を行い、それでも余ってしまう光エネルギーが光阻害を引き起こすということであるのだろう。このために植物の葉は、長波長を吸収できるように長い共役二重結合を持っているのであると考えられる。
参考文献:島津製作所「紫外可視吸収と有機化合物の構造との関係」、http://www.an.shimadzu.co.jp/uv/support/lib/uvtalk/uvtalk2/apl.htm
A:あまり理解してまとめているように思えませんが・・・。光子のエネルギーの吸収は、吸収されるかされないかの二者択一です。吸収されたから光子のエネルギーが小さくなるのではなく、そもそも吸収されるエネルギーが小さくなるのです。
Q:第5回の授業では様々なクロロフィルやバクテリオクロロフィルについて学んだ。クロロフィルは本来マグネシウム錯体であるが、酸性下に棲む光合成細菌であるAcidiphilium rudrumはマグネシウムの代わりに亜鉛を持っている。この細菌は酸性の非常に強い温泉等に棲む。マグネシウムに比べると亜鉛クロロフィルのほうが酸性下において非常に安定である。しかしAcidiphilium rudrumわずかながらマグネシウム錯体のクロロフィルを持つ。そのため、亜鉛クロロフィルのみでは不都合が生じる可能性がある。もしくはまだ進化の途中段階でマグネシウムから亜鉛に完全に移行できていないのかもしれない。
A:これは、途中で、「なぜ少量のマグネシウムクロロフィルを持つのか」ときちんと問題設定をして、その問題に答えるような論理を展開すれば、よいレポートになると思います。現状では、理由を述べずに「可能性がある」「かもしれない」と言っているだけなので、論理になっていません。
Q:錠剤などでクロロフィルを大量に摂取したことが原因となって活性酸素が発生し、日光アレルギーになってしまうことがある、ということを講義で習った。ヒトの身体には本来、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)などの抗酸化システム系が備わっているが、日光アレルギーの原因となるほどのクロロフィルを摂取してしまうと、本来の抗酸化システムだけでは活性酸素の発生に対処しきれないのだ。そこで私は、吸収した余分な光エネルギーを熱として捨てる役割を持つ光合成色素であるカロテノイドを日光アレルギーの治療のために活用できないか、ということを考えた。既にSODを経口摂取するためのサプリメントは存在するが、SODの分子量は30,000以上もあって体内に吸収されにくい。しかし、カロテノイドの分子量は536.87でとても小さいので、SODよりも吸収しやすいという利点がある。
参照:日本抗酸化協会 「SODとは」、http://kousanka-k.com/SOD_about.html
A:これは、ポンとアイデアを放り出したような感じで、ロジックという意味ではやや不満が残りますが、着目点は良いと思います。分子量以外にも、タンパク質なのか炭化水素なのか、あるいは極性の違いなど、論理を展開する余地はもう少しあると思います。
Q:今回の授業で亜鉛クロロフィルを持つ光合成生物についての話があった。この中でこの生物は硫黄鉱山の排水中に生息しており、強酸性下において脱離しやすいMgよりも強酸性下でも安定しているZnをクロロフィル内に持つことで構造の安定化を図っていると考えられるが、そもそも生物内の細胞内環境は中性に近いためクロロフィルにZnを持つ必要性がないのではと疑問視されていた。これについて、上記のような目的のためではなく、結果として通常のクロロフィルから亜鉛クロロフィルとなったと考えた。例えば、硫黄鉱山の廃水内の成分中には何らかの影響でMgが極端に少なく、光合成に利用できるほどの量が存在しないため、代用としてZnを利用していると考えられる。また、強酸性下に適応するために細胞壁、細胞膜を進化させたがこの影響により、Mgを運び込むためのポンプなどを設置させることが困難になったことが考えられる。
A:これも、きちんと考えてはいるのですが、2つの可能性を最後に述べているだけなのが少し残念です。何か、持っている知識から考えて、どちらの可能性が高い、と結論できるときちんとしたレポートになります。
Q:CDの記録面などの色は確かに何色かはわからないが、色があるという認識はあった。色素か非色素か考えたときに非色素は構造を破壊すればよいと知ったが、構造式だけでは不十分でないかと考えた。ある色がつくときにその発色を示す構造式は、単結合や多重結合が繰り返す共役分子の構造によって色がついたり、また発色をしめす官能基や発色団の構造により似た色を持つことができるため構造的には色を示すことができないのではないかと思う。
A:2文目が理解不能です。主語は「構造式は」はだと思うのですが、対応する述語がわかりません。いずれにせよ、2文でこの講義のレポートに要求されるロジックを展開するのは無理だと思います。
Q:今回の授業では、クロロフィル中にMgやZnなどの金属イオンが含まれており、キレート錯体を形成していることを学習した。Mgだとクロロフィルから容易に脱離しやすいが、Znだと安定して保持されるという傾向があるという。近年日本においてZnをクロロフィルに持つ光合成細菌が発見されたという報告があり、しかもこの光合成細菌が好酸性細菌であることから、Znを取り入れたのが酸性環境に適応するためであると考えられている。ただ、Znを配位結合させる前に一度Mgの配位結合を経由しないといけない種類もいるようで、酸性条件に適応するために配位させる金属を変えたのにも関わらず、何故酸性条件に向かない金属を一度配位結合に用いる必要があるのか疑問に感じた。恐らく、クロロフィルの作成に当たって、すぐにZnを配位結合させるには通常より多くのエネルギーが必要なのだろうか。一度Mgによる配位結合という段階を踏んでからZnの配位結合を行うほうが、配位結合にかかるエネルギーを分割出来るために負荷が減少するのか、或いはZnが配位結合するのに多少時間がかかるために、一時的にMgの配位結合を経由させることで、Znを結合させるまでの間少しでもクロロフィルの活性を高めておくためなのかと考えた。
[参考URL] http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2000&number=4505&file=lfTGb7ZUSyV5Uh4jxPLUSAbLA==、「光合成生物におけるクロロフィル・ヘム生合成系の金属配位酵素」増田建・鈴木琢雄・高宮建一郎
A:これも、最後に2つの可能性を考えていますが、そのあとに、何らかの知識から、どちらかの可能性が高い、と結論する形にすると、論理構成がはっきりしたレポートになります。
Q:今回、粉々にして構造を破壊した時に色が変わってしまうのが構造色、粉々にしても変わらないのが色素ということを学んだ。さらに、透明な色素、白い色素は、特定の波長を反射するのではなく、すべての波長を透過もしくは反射するものであるため、色素ではないという話であった。たしかに、化学物質などでは、無色透明のものと白色のもの、どちらも無色という。どちらも色素ではないという考えに基づいているのだろう。しかし、白い色素、と区別しなければいけないものがあるのではないか、と私は考える。比較するのは、透明である。透明なものは、破壊して粉々にすると白く見える。これは、粉々になったことにより境界面が増え、全反射を含む乱反射するようになるからだと考えられる。つまり、透明は構造色、ということができる。では白色はどうか。白色は、とかして再結晶すれば透明になるものがふつうである。では、もし結晶化しても白色なもの、つまりどのような状態でもすべての光を透過せず反射する物質か、もしくはすべての光を吸収し、すべての光の波長、つまり白色光を発する物質があれば、これは無色とは言わず、白色の色素と言っても良いのではないか。ただ、白色顔料として使われる酸化マグネシウムなどの結晶は透明である。白色の色素と呼べるような物質が、あるのかは分からないが、一般的でないのは確かである。
A:これはよく考えていると思います。最後に、酸化マグネシウムの例を出していることによって、論理的な展開になっています。
Q:今回の授業で赤外線を吸収する色素を反応中心にしているAcaryochloris marinaというシアノバクテリアは紅藻に付着していうということであった。シアノバクテリアというと岩に付着していたり、海面を漂っていたりというイメージがあったので、Acaryochloris marinaはなぜ紅藻に付着しているのか考えてみた。まず、海藻に付着するということは、常に新しい水が供給されるというとこではないであろうか。植物は光合成や呼吸のために常に二酸化炭素、または酸素か多く含まれる水が必要である。岩に付着していたら周りに障害物があって水の流れが滞る可能性もある。また漂流している場合は海流とともに流れているので、周りの水は変わりにくいと考えられる。その点、新しい水の供給というのはシアノバクテリアのみならず紅藻をはじめとする海藻にも必要なことであるため、海藻に付着していれば周りの水が滞るという心配はないと考えられる。次に流れの力を直接受けにくいということがある。固定されたところに付着していると水の流れが直接当たる。しかし海藻にだと固定されてないので流れに合わせてなびき、うまく流れの力をかかわすことができると考えられる。しかしここまで見ていくと海藻ならばなんでもよいように思える。しかし紅藻に付着している理由は、色素の吸収する波長によるものと考えられる。紅藻は名前の通り赤い色をしているため、赤色の波長の光は光合成に使えず、逆に植物体を傷つけるエネルギーを持ったものである。もしAcaryochloris marinaが表面に付着していてくれればその余分な赤色の光をはじめ赤外線など植物体を傷つける光を吸収してくれる。さらに表面に付いていても自分が光合成に使用する波長の光をAcaryochloris marinaは使わないため透過して使うことができる。このようにAcaryochloris marinaが紅藻に付着しているのはAcaryochloris marinaにとって有利なだけでなく、紅藻にとってもプラスに働く、いわば共生関係のようなものなのではないであろうか。
A:非常によく考えていてよいと思います。紅藻にとってもプラスに働く、という最後の点を考えると、プラスに働かない藻類では、シアノバクテリアの付着を妨げるような何らかの仕組みが働いていると考えるべきだと思います。その点が最後にあると完璧でしたね。
Q:講義内のクロロフィルを持つ動物が存在しているという話に興味を持った。私は植物と動物は系統的に初期段階に光合成能の有無において分化をしたために動物はクロロフィルを持たないのだと考えていたからである。今回の取り扱った動物は魚類、つまり脊椎動物門に属すると考えると系統学的な分化は非常に後になると考えられる。このことから動物は進化の際に光合成能を失活したのではなく、発現させない進化の道を歩んだ種ということができるのではないかと考えた。その理由としては光合成能を生かす進化のためには以前の講義でもあったように細胞分裂の調整が複雑化されてり、光のセンサーが必要となる。動物種は植物と異なり移動を行えるものが多く存在し、そちらの機能を進化させることの方が最優先という道の選択になったのではないか。またもう一つは深海においてクロロフィルが発現したということに目を向けると深海における光の重要性からクロロフィルを光合成機関としてではなく、光センサーとして使用しているのではないかと考えた。これを検証するためには深海魚のうちクロロフィルを持つものとそうでないものによる、光感知能の差のデータを集めることで考察、実証が可能である。またもしこの仮説が立証された時、それは動物のゲノム内に未だに光合成機関をコードする遺伝子が存在していること、さらに普段はそれを発現させないようにしているということ、また必要になれば進化の中で発現を復元することもできるということが考えられ分子生物学的な観点から光合成能をコードするゲノムやそれらの動物との共生を解明することに繋がるかもしれない。
A:講義の中で説明をしたと思いますが、紹介した例は、Natureがいわば面白さを増すためにクロロフィルと説明しただけで、実際には中心金属を欠く色素ですし、光合成をするわけでもありません。レポートとしては、もう少し論理の流れをはっきりさせた方が良いでしょうね。
Q:今回は光合成色素から見た光エネルギーの吸収について学んだ。ここで一番興味を引かれたのはフィコビリンという光合成色素である。光合成色素では代表的なクロロフィルなどしか知らなかったためなぜ水中の藻類は光合成色素としてクロロフィルではなくフィコビリンを選んだのだろうかという点について考察したいと思う。まずフィコビリンについて調べるとクロロフィルは吸収ピーク波長が2つなのに対してそれよりも幅広く光を拾えると考えられる。水中では光が屈折などによって波長が地上よりも様々でありなおかつ青色などの低波長の光が多いと考えられるのでこの範囲の光も拾えるというメリットがあると思った。もう一つはクロロフィルはたんぱく質と配位結合しているのに対しフィコビリンは共有結合しているので熱に弱い。よって温度の低い水中に向いている光合成色素であると思った。
A:これも考える方向性は良いと思います。日本語は少し舌足らずですね。最後の一文などは、「高温になりにくい水中環境では、光合成色素としてフィコビリンを使っているのだろう。」程度のほうが良いと思います。