植物生理学I 第13回講義

植物の花

第13回の講義では、最初に前回の講義で積み残したリン酸の取り込みや根の自己認識の話を紹介したのち、花の構造と機能を中心に講義を進めました。以下に、いくつかのレポートをピックアップしてそれに対してコメントしておきます。


Q:授業で示された、シュート乾重量に対して、シュート中のリン酸濃度をプロットしたグラフにおいて、菌根菌の感染によるリン酸の取り込みが、シュート乾重量が中程度の時に非感染と比べて最も大きくなっていたことが気になった。ここでは、私自身の解釈を述べようと思う。まず、横軸のシュート乾重量を個体の成長度合いと捉えた。成長の初期は、種子から最低限の植物体を作る過程であり、胚乳のエネルギーによって成長する。成長中期は、環境に適応して、他の植物と競争し、生存をかけて植物体を成長させる時期であり、本葉の光合成により自ら栄養を作り出し、根からの養分吸収も行う。成長後期は、成長させた植物体を維持する時期であり、中期ほど盛んな細胞分裂をしないと考えられる。このようにグラフの軸を解釈すると、中期でリン酸濃度が菌根菌の感染により増加するのは、植物の生活環の中で、自力で養分を得る必要がある上に、盛んに細胞分裂を行う段階であることから、DNA複製の際に多量に使用されるリン酸がこの時点から需要が高まり、需要の高まりを植物ホルモンなどのシグナルとして菌根菌に送り、それに見合うように菌根菌が菌糸の伸長を活発にし、土壌中からのリン酸の吸収量を増やしているという機構によるのではないかと考える。つまり、リン酸は成長段階に必要で、成熟するとリン酸の取り込みをそこまで活発にする必要がなくなる。そのため、DNA複製が活発な中期が菌根菌による感染の利益を最も受けられる時期として、このグラフで表されているのだと解釈できる。

A:きちんと考えていてよいと思います。強いて言うと、この実験には複数の解釈があり得ると思いますから、それらの解釈中で、ここで提案された解釈をなぜ支持するのか、という比較の観点があると、更に論旨がしっかりすると思います。


Q:今回の講義で、根の伸長方向について、自個体の根とは接近しないように、他個体、クローンの根では無視して伸びるように伸長するという実験があった。根の近づきを定量化できているのか微妙な実験であったというが、このような根の伸長をする仕組みを考える。まず、根の伸長について、以前の講義で根端分裂組織は、静止中心が幹細胞の分化を抑制しているという話があった。したがって、根の伸長において、自個体の根が近づいたときに幹細胞の分化を抑制する物質が働くと考える。例えば、根の表面から、とある物質が分泌され土壌中を拡散しているとする。そして、それを他の根が感知し、感知する濃度が一定以上になると幹細胞の分化を抑制する物質を分泌する、または分泌される物質自体が分化を抑制する機構があれば自個体の根同士が接近した時に根の伸長が止まるだろう。しかし、単なる化学物質では、他個体の根との接近かどうか判断できない。分泌物質が遺伝子の違いを反映していて、それを感知する機構があれば識別はできるだろう。クローン個体について、クローン個体では遺伝子は同一である。しかし、クローンであったとしても、テロメアのように生存過程によって変化する領域がDNAにあるだろう。この違いを感知できる機構があれば、実験結果の説明がつくのではないか。複数のクローン個体で同様の実験を行い、根の伸長がクローンによって異なるかどうかを調べ、実験で使用するクローンの違いで接近時の伸長に違いが現れるのであれば、この機構がある可能性を主張できると考える。遺伝子だけではなく、非遺伝子領域の違いまで感知できる機構がある可能性を考える。

A:最後の方の「この違いを感知できる機構」という部分をよりはっきりさせることが重要だと思います。その前文では、DNAの変化を述べていますが、「この」というのは「DNAの」という意味でしょうかね。そのあたり、あいまいさをなくして具体的に記述すると、しっかりしたレポートになります。


Q:授業では夜に咲く花は暗いため、虫を引き寄せるために白い花弁を持ち、匂いを放つ、また日中に咲く花はカラフルな花弁を持つと習った。このことについてハチは青や紫色の花を好むと聞いたことがあったので、なぜそのように異なる色を持つようになったのか気になった。そこで1番に考えたのが昼と夜に咲く花があるということは花が咲くのにはエネルギーが必要であり、その花を開く時間をできるだけ短くすることで効率的に受粉することが可能なのではないかと考えた。また異なる時間に開花するということは花粉を運ぶ昆虫の活動時間も異なるため異なる種類の昆虫をターゲットにしていると考えられ、そこから日中では色を他と変えることでさらにターゲットを絞ることができるのではないかと考えた。そうすることで特定の昆虫だけに適した形を取ることも可能でその昆虫が花に引き寄せられることで受粉の可能性を高めることにつながるのではないかと考えた。

A:「なぜそのように異なる色を持つようになったのか」という出発点の疑問があいまいなのが気になります。講義の最初に述べたように、「なぜ」には、メカニズムを尋ねる場合と目的(利点)を尋ねる場合がありますし、同じ目的をきく場合でも、植物にとっての目的と花粉媒介者にとっての目的は、当然同じとは限らないでしょう。科学的なレポートでは、なるべき論点のあいまいさをなくすことが重要です。


Q:花の色に関して、今年の冬実家に帰ったところツバキ(サザンカかもしれない)の木を見てみると、ピンク色の花を咲かせる木の1本の枝から白色の花が2輪咲いているのが見られた。これはどうしてか考えてみることにした。第13回の授業の中で花の色について、色素は遺伝子で決められること、pHによって色が変わること、金属錯体で色が変わることを学んだ。そのためこれらの要因の中に理由があると考えられる。pHや金属錯体によって色が変わるとするならばこれらは木の生えている場所の土壌に大きく左右されると考えられる。そうであるならば、ほかの枝も同じpHや金属錯体の状況となるためすべての花で同じ色になるはずであるためpHや金属錯体による影響とは考えにくい。そのため遺伝子に変異が起きたため色が変わってしまったのではないかと考えた。遺伝子に変異が起きた原因として高校生物においてアグロバクテリウムという植物の遺伝子に自分の遺伝子を組み込む細菌がいることを学んだことに注目した。このような細菌によって、色素を決定する遺伝子の部分に細菌の遺伝子が組み込まれたとすると、色素を決定する遺伝子が分断され、遺伝子の機能が失われるため色が変わってしまう可能性があると考えられる。また細菌の感染がなくても遺伝子のミスコピーによって、色素を決定する遺伝子の機能が失われてしまってしまった可能性もある。今回の場合枝に生えている花2輪とも白色であることからこの枝すべての細胞の色素を決定する遺伝子が壊れてしまっていると考えられる。そのため細菌による遺伝子の挿入は、茎頂分裂組織にある幹細胞にこの枝が伸びる以前に起きたと考えられるためかなり稀な現象なのではないかと思った。またこの枝を挿し木や接ぎ木等によって新たな株とすることで白色の花を咲かす木が作れるのではと考えた。

A:今年の冬に咲いていたということであれば、寒椿かもしれませんね。自分で考えていることはわかります。ただ、おそらく、この点をきちんと考えた人の半分以上は、まずは同じように考えるように思います。何かもう少し独自の視点があるとレポートが引き締まります。


Q:今回の講義では、花の色について色素・液胞のpH・金属錯体の形成が決定因子になっていることを学んだ。さらにチューリップの開閉について、温度が低下すると外側の細胞がよく成長して花が閉じ、温度が上昇すると内側の細胞がよく成長して花が開くことも学んだ。ふと花の色も温度によって変化しないのかな、と疑問に思った。また同時に花の色についての講義内容を聞いていて、春は大雑把にピンクのイメージがあって、これは春に咲く木本植物の花がピンク系統の物が多いからだと思った。そして春にはなぜピンクの花が一面に咲くのかと感じた。そこで、これらについて、春の花に白,ピンク色のものが多いことを、色素と温度の関係から調べることとした。仮説として、春は花粉や種子を運ぶ生物に対して、ピンク色が引き付けやすいことに加えて、色素の温度との関係により、ピンク色を取りやすい、ということを立てた。
 まず、講義でもあったように、花粉の運ばれ方を検討することから始めた。春に咲く桃色に近い色の花弁を持つ植物にはツバキやサクラ、ウメ、モモが考えられるが、鳥による花粉媒介が行われることが分かった。しかし国内の鳥媒花の報告例や継続した研究が少なく、年間でも国内の鳥媒花に関する研究はほとんど行われていない(1)(2)。さらに鳥媒花は一般に白~赤色のものが多いことも分かった(3)。ゆえに、色素の特徴を踏まえずに、色の意味については花粉媒介者に鳥が含まれ、鳥を引き付けやすい色として我々に見える白~桃~赤色を呈する可能性が考えられた。
 次に、色素に注目すると、これらの花の色素もアントシアニンであることが分かった(4)。アントシアニンの温度との関係について、ツバキやサクラ、ウメ、モモについて直接調べた論文は十分に発見できなかった。しかし、イチゴと赤キャベツのアントシアニンについて、イチゴは温度が高くなると退色し始めること(5)、赤キャベツの芽生えにおいては20℃>30℃>10℃の順、リンゴは15℃>25℃>5℃の順で色素含有量が少なくなること、バラは低温では濃赤色、高温では桃ないし白色を呈することが分かった(6)。さらにサクラのアントシアニンについて研究したもので、花蕾から出現した花弁に光が直接照射されることによって、色素の生成が促進され、天候条件、特に光条件の影響が色素の生成には大きな影響を持つことが示唆された(4)。ここまでで、アントシアニンは確かに温度の影響を受けてその生成量や呈色具合、色合いが変わりそうであることが分かった。しかし色が明確に決まる(温度によって赤、青、黄、、のように決まっていく)よりは、元々各植物に決まった色があるものの、それが温度の影響を避けられなくて、温度によって退色したり、色素の含有量が変わったりして、結果色の濃さ・有無が変わるという関係性がもっともらしいと考えられた。
 ただ、日本国内の鳥媒花に注目した研究がそもそも少なかったので、より継続的なデータセットや実地の研究が必要だと感じた。また、アントシアニンと温度の関係を調べた研究も少なかった。そして疑問に思ったのが、春と秋の違いである。春と秋では温度や光の条件は似ているように思えるが、花の色は全く違く感じられる。これについて上記までを踏まえて考えると、春と秋は同じような気候条件でも、春は温度が上昇していく段階、秋は温度が低下していく段階であることに違いがあるように思われた。春は低温から温暖になっていくから、虫より鳥の方が活動が活発のように思われる。すると鳥媒花らしい戦略を取って、花の色は白~赤色になる。一方秋は暑い夏から涼しくなるから、虫の活動も活発であり虫媒花的な戦略をとると考えられる。虫媒花には白や紫、黄、赤が多い(3)。この色は確かに秋によくみられるように感じる。また、春は温度が上昇するから、色素は段々退色/減少方向に向かい、秋は退色方向には向かいにくいことが予想される。このことが春は淡い桃色や赤色が多いが、秋はより多彩な花がみられることに繋がるのではないかと考える。これらを確かめるには、やはり鳥媒花についてのデータセットを充実させることが必要だろうし、サクラなどのアントシアニンについて、同じ春の気温に近い温度でもその前後で温度を上昇させた時と低下させたときに、色素の様子(合成量・含有量、呈色の強さ、色調、退色の有無)を計測することが必要だと考える。
(1)田中肇. 日本における花生態学の歴史的概観. 日本花粉学会会誌, 1996, 42 (2), p.117-126
(2)北村俊平. 鳥類による生態系サービス:特に花粉媒介と種子散布に着目して. 日本鳥学会誌, 2015年, 64(1), p25-37
(3)内海俊策. 花はなぜ美しいか1.昆虫と受粉. 千葉大学教育学部研究紀要, 第50巻, p.441-448
(4)前川進 寺分元一. サクラ花弁の発育にともなうアントシアニンの蓄積. 神戸大学農学部研究報告, 1982年, 15(1), p.43-45
(5)壷坂美智子 西村智子. いちごアントシアニン色素について. 甲子関短期大学紀要, 1992, No.11, p1-10
(6)志 佐 誠・高野泰吉. バラの花色発現 に及ぼす温度 な らびに光の影響. 園芸学会雑誌, 1964, 第33巻2号, p48-54

A:きちんと情報を検索してレポートを書いていることは評価できます。ただ、この講義のレポートに関しては、事実関係として正しいことを求めてはいないので、自分の考えで論理を展開していれば、情報の検索自体は必須ではありません。春と秋の違いについては、温度の変化に注目した書き方になっていますが、「寒くなる」ではなく「涼しくなる」という言葉を使っていることからも、実際に問題なのは、温度の変化の方向ではなく、同じ光条件での温度の絶対値の違いなのではないかと思います。夏に最も高温になるのが8月であるのに対して、日が最も長くなるのは6月ですから、そのギャップに注目する方が自然かもしれません。「光の春」という言葉を知っているでしょうか。


Q:今回の講義では、植物の根における自他の認識ということで、自身の根同士は互いに近づきすぎないが、他個体やクローン個体は無視すると伺った。先生は、自己と遺伝子が同じクローン個体を他者として認識することが不思議という風に紹介していたが、私は不思議ではないと思った。例えば、もし自分のクローン個体が作成できて自分と同じように行動していたとしても、それはあくまでクローン個体であって自分自身ではない。また、遺伝子が同じという点のみ考えると、抜け落ちた自分の髪の毛を、自己とは判断しない。このような人間での例から、私は、根でクローン個体を他者として認識しても不思議ではないと思った。では、自己と他者との区別は何か。それは、一つの個体としてつながっているかどうか、だと私は考えた。一個体は一つの系になっていて、その系の中にあるものを自己、系から外れたものを他者として認識しているのではないか。動物で言えば、神経系が自他の区別を行っている。植物には、動物の脳や神経系のような機能を果たす器官はないものの、組織内、組織間では、階層性を持ったネットワークによって情報のやり取りをしている1)。根端の位置情報を同一個体の他の根端と共有する方法が植物体内にあるのではないかと考える。
 他に自他を区別する方法としては、根から何かしらのシグナル物質が出ていて、その情報をもとに自他を判断している、という考えは浮かびやすいと思う。そこで、根の自他の区別が、シグナル物質のような外部との相互作用なのか、一つの植物体内部でのやり取りなのかを検証する方法として、一植物体の根において、異なる根の先端部分を土壌中で人工的に近づけてあげる、という簡単な方法を提案したい。近づけた根同士が互いを避けるように伸長する場合はシグナル物質のような外部との相互作用により自他を判断していると言え、根同士が互いを無視したならば、植物体内でのやり取りで自他を区別していると言えるのではないか。植物体内でのやり取りによって自他を区別しているという考えが正しければ、遺伝子が同じで、産生・放出する物質が同じであるクローン個体を他個体と同様に無視したことも当然のことと言える。さらに、他個体やクローン個体の根を無視して伸長すると考えているが、そもそも外部との相互作用、相互連絡が行われていないのであれば、他個体を無視しているのではなく、単に認識していないのだと言える。
 また、ここで、根が自他を区別するその意義を考える。根の役割は水分と栄養塩の吸収である。一個体の根同士が近づきすぎないのは吸収効率を向上するためであり、他個体の根を無視して伸長するのは、他個体とは競争して自身がより多くの水や栄養塩を吸収するためであると考えられる。吸収効率を考えたときに、同種であれば必要とする栄養塩は同じなので同種の他個体とは離れた方がよいのではないかと考える。しかしながら実際には無視していることを考えると、やはり他個体を認識する機能を持ち合わせていないように思われる。
参考文献:1) 遠藤求.植物に脳はあるか?.生物物理 56(1),033-035(2016).DOI: 10.2142/biophys.56.033

A:考え方は非常に面白いと思うのですが、やや「人間的」な考え方かな、と思います。「体内でのやりとりで自他を区別」という場合、背景にあるのは、「意識」による自己認識ではないかと思います。他方、例えば植物は、イタドリなどの場合、一つの実生から株が大きくなっていき、富士山などでは数十年を経て環状に連続したクローンのイタドリ個体が10メートル以上の直径に広がっているのがよく見られます。さらに時間がたつと、地下茎の連絡が絶たれて別個体になりますが、1つのクローン個体が、別個体になる「特定の瞬間」があると考えるのは、難しいと思います。神経であれば、それが切れる瞬間というのがあるでしょうけれども、細胞のつながりは、どこまでなくなったら「切断された」と解釈すればよいのか、決めかねます。そのあたり、動物と植物の違いを突き詰めて考えてみるのも面白いかもしれません。


Q:今回の授業では、目立つ花・目立たない花について触れられていたが、その中で遺伝子をバラに導入したことで青みがかったバラが生じることが紹介された。開発元のサントリーによれば、青いバラに導入した遺伝子はペチュニアとガーベラが持つ青色色素合成に係る遺伝子であるとされたが(1)、この点から何故バラには青色色素を合成する遺伝子が存在せず、又他の花には存在するのかという点が疑問に思えた。広く現在の植物の色が生存への適性によって選択された結果であるとするならば、バラ以外の植物でも青色の色素は排除されると考えられる。しかし、実際に排除されたのはバラのみである。この理由は、植物の開花時期と媒介する虫に影響を受けたものでないかと考えられる。例えば、日本におけるバラは5月から6月、10月から11月にかけて咲く一方、ガーベラやペチュニアは春から秋にかけての長い間、異なる株で咲いていることを確認することが出来る。主要な媒介者である虫の例として、モンシロチョウとミツバチを考えたが、モンシロチョウの成虫が見られる時期はバラの開花時期と重なり(2)、ガーベラやペチュニアはミツバチの活動時期と重なることから(3)、主に活動時期が一致する生物に影響を受ける可能性が考えられた。ここで、ミツバチはその複眼で紫外線を含めた青色を見分けることが出来る一方で、モンシロチョウはタンポポやアブラナといった黄色の花の蜜をよく吸うとされていることから、青色が選択されにくい可能性が考えられた。実際にはそれ以外の昆虫や植物があることとその中での兼ね合いとして色彩を分けていることや生育環境の異なりが影響している可能性が考えられたが、植物に淘汰圧が掛かり、また媒介を虫が行うことによって生殖行動が出来ていることを踏まえると、虫からの見え方によって植物は花の色を変えるように選択を受けるものと考えられた。
(1)私たちの研究・技術. サントリーグローバルイノベーションセンター. https://www.suntory.co.jp/sic/research/s_bluerose/story/ 2025年1月25日閲覧.
(2)小学校教師のための昆虫の飼い方・さわり方. モンシロチョウ. 公益財団法人東京動物園協会. 2019年.
(3)ミツバチの生態. 一般社団法人日本養蜂協会. https://www.beekeeping.or.jp/honeybee/biology/ 2025年1月25日閲覧

A:個々の事実をきちんと積み上げて議論を展開している点が評価できます。最終的な結論は、ある意味で予定調和に落ち着いている感じはしますが、まあ奇をてらうことを求めているわけではないのでよいと思います。


Q:今回は、花に関する講義であった。講義の中で、花の開閉が温度を感知して起こるということを学んだが、講義内で示された温度変化後の時間に対する表皮片の長さのグラフに関して、温度の変化に対して、表側と裏側の表皮が数時間で急激に表皮片を伸長させていることが見て取れたが、その後、急激な伸長は収まり、緩やかな伸長に戻った。温度変化前を見ても緩やかに伸長していたので、花の表皮辺は常に伸長し続けていることが見て取れるが、急激な伸長がどのような機構によって起きるのか、またどのように収まるのかについて疑問に思った。花の表皮片の伸長に関して、花の表皮の細胞が伸長していることが考えられ、それには植物細胞の伸長に寄与するオーキシンなどのホルモンが関与していると考えられる。急激な伸長の開始に関しては、温度変化の感知に対応して、オーキシンの放出量増加、受容体がアクアポリンのように細胞小胞体から細胞膜に増加するような機構などによって、細胞の伸長速度を増加させることは可能であると考えられる。一方、急激な伸長の停止に関して、これに関しては、非温度依存的に急激な伸長が終わっている。考えられることとしては、表と裏で表皮片の長さの差を感知して伸長を停止している可能性が考えられる。差の感知機構に関しては、花の細胞にアミロプラストが存在し、重力を感知することができれば、花の開閉に従って、重力の方向の急激な変化を感知し、ホルモンの放出量減少、受容体の数の調整などにより急激な伸長を抑制することができるのではないかと考えられる。

A:自分でよく考えていて素晴らしいと思います。僕の説明がやや不十分だったかもしれませんが、紹介した実験はあくまで剥離した表皮片でのものです。花そのものでの実験ではありませんから、最後の重力方向の変化に関しては、紹介した実験の中では関与しないはずです(表側と裏側を別にしているので、そもそも反り返らない)。それでも、アイデアとしてはオリジナリティーがあると思います。