植物生理学I 第3回講義

続・光合成と生命

第3回の講義では、植物にとっての光合成の意味を中心に解説しました。講義に寄せられたレポートとそれに対するコメントを以下に示します。


Q:講義で植物間での光をめぐる競争が激しいという事を習った。そのため、森などの木が群生しているところでは、自分の種でさえも森の中では育つことは難しく、その付近に子孫を残しにくいということになる。一方、動物では子育てに力をいれているものも数多くいる。それは、次世代を残すことが自己増殖につながるからである。では、植物(特に今回は木)はなぜ動物のように子育てをしないのだろうか。それには、4つの大きな理由があると考えられる。一つ目は、木が動物に比べて長生きすることである。自己増殖をするには、長生きをするか、子孫を残すかの二つの方法がある。その点、木は長生きすることに力を入れているように感じられる。二つ目は、自給自足が成り立つことである。木は光合成により栄養は自分で供給できる。そのためのエネルギー源(光)を調達するためには他の木から離れていた方が都合はいい。そして、それは親子間でもあてはまる。三つ目は、動けないことである。細胞壁に代表されるように植物はかたい支持組織があり自立できるがそのかわり好きなように動くことは厳しい。つまり、子供が心配だから子のところまでいって面倒を見てやるという事はできない。最後は、鳥や虫が手伝ってくれることである。次世代を作る行為を動物が手伝ってくれることにより、親が面倒を見なくても世代は繋がっていく。以上の理由から、木が子育てをして次世代を育成することはないと考えられる。

A:きちんと問題設定がなされ、それに対して回答が与えられているという点で評価できます。問題自体もユニークでよいと思います。一つ贅沢を言えば、比較の対象が動物と樹木であるため、いろいろな差異が考えられて複数の理由につながってしまっているで、そこを、何が本質かを考えて絞り込むことができたら完璧です。たとえば、動けないという点では木も草も同じですが、長生きをするという点では一年草などは寿命が1年以下です。草について同時に考察すれば、問題の本質がわかるように思います。


Q:今回講義でもやしのでき方を考えた。そこで私は「もやしは人間のように筋トレしてマッチョになれないのだろうか」と疑問を抱いた。ここで「光に当てて葉っぱをつければいい。」というご意見もあろうが、人間にももやしっ子がいるように、もやしはもやしのままでいてほしいので光を当てて葉っぱをつける以外で考えたい。 もやしは95%が水分だが、残りの5%にビタミン、ミネラル、必須アミノ酸が含まれているコスパ最強の野菜である。このもやしが太くなれば歯ごたえがよくなるであろう。そこで、人間の場合「もやしっ子」と言われて筋肉つけたいと思った人はまず何をするかと言うと、筋トレとプロテインである。つまりは、自分のタンパク質量を増やすことを考える。もやしの場合水だけで育てられるし窒素同化はできないから、外部からの投入は難しい。そこで、私はもやしの種の養分を増やせばよいと考えた。養分の多いもやし同士での交配を重ね養分の多いもやしにすればよい。しかし、これだけでは「ただ長くなるだけでは?」という意見もあろう。確かに、もやしは種子の養分がある限り伸びていく。それでは、もやしに「光に当たることは決してない」とDNAレベルで組み込んだらどうであろうか。実際、もやしは日の目を見ることがない。それならば、最初から教えてあげればいいのではないだろうか。言うなれば土に向かって伸びるようにすればよい。もやしの分裂組織を茎本体・頂端を分化組織に設定すれば厚みのあるもやしになるのではないか。もはや植物といえるか分からないし、そこまで技術をつぎ込んだら家計の味方もやしの値段が上がりそうだが、栄養価も上がるし歯ごたえもよくなるであろう。

A:問題設定はユニークでよいと思います。ただ「養分」とは何か、という点をきちんと考えていないようです。植物にとって、いわゆる肥料となる窒素、カリウム、リンと、エネルギー源であり光合成で作ることができる炭水化物は、全く異なる意味を持っています。また、「窒素同化」とあるのは「窒素固定」でしょうか。根から窒素分を与えてやれば、もやしでも窒素同化をある程度はするでしょう。とは言え、この辺の知識を与えることが植物生理学の講義の目的ですから、現時点で知らなくても問題はありません。


Q:今週の授業ではもやしが白いのは土の中では光合成をする必要がないためで、また、ひょろ長いのは土の中では自分で立つ必要がなく種の中の養分を使い切る前に光に達しなければならないからだと学んだ。さて他の植物ではどのような形態形成をしているのか不思議に思った。今回は、タケノコの形態形成について考えてみる。タケノコは土の中から地上に出て上に向かって伸びてくる。タケノコの段階では先端だけ緑もしくは黄色をしていて、まわりの皮の部分は茶色で私たちの食べる中の部分は白い。そして成長するにしたがって皮がむけ全体的に緑色になり竹になる。なぜこのような形態をしているのか以下のように考えてみた。
 タケノコの場合根がしっかりしていて根から他の竹の養分を得て成長する。よってやはりよく成長するのは光の影響が大きいだろう。4月ごろから5月にかけてタケノコが旬であることから温度がタケノコの成長に関与しているのではないだろうか。土の中で温められ適温になったら成長が促進され地上に出でてくるのではないだろうか。また、タケノコの段階では茶色の皮が付いているのは『皮には、イノシシやキツネなどの動物に食べられないように、タケノコを守る』(http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/002/007.html)とあるように自身の保護のためだとわかった。(しかし最近ではイノシシによる捕食が多いらしく私の家のほうの竹林でも問題になっているが)成長して皮が取れると竹になっていくが、成長するにしたがって養分を引き上げるのにエネルギーが必要なので光合成をして自身の成長する養分をつくる必要があるだろう。また『葉で光合成してつくった栄養分をすべて、次の世代であるタケノコづくりに費やす』(http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/002/007.htmlより)とあるように竹が緑で光合成をするために光を求めてグングン成長するのは種族維持のために養分をためておかなければならないからだということも調べてわかった。このようなことからやはり植物も自己保存と種族維持が大切で自身の保護と子孫のためにタケノコもこのような形態をとるようになったのだろう。(参考文献:http://www.ja-gp-fukuoka.jp/education/akiba-hakase/002/007.html)

A:「タケノコの形態形成について考え」るという着眼点は面白いのですが、「について考える」というのは、問題設定としてはあいまいです。いくつかの点をピックアップして説明する形になりますが、単に調べ物レポートになりがちで、この講義のレポートに要求される論理構成がはっきりしなくなります。参考文献を調べて、それを元に説明するのは、一般的なレポートとしては悪くないと思いますが、この講義のレポートでは、より問題設定を明確にして、自分の論理を展開するレポートを求めています。


Q:今日の授業で光による形態形成について、理解をふかめた。身近な例としてもやしのように光を当てない状況だと、白色になる理由を知った。それは種は光の当たらない状況だと、土の中にいると判断し、光合成するためよりも光を求めて伸長するからである。しかし、緑色ではなくても白色である必要があるのか、土のなかではなく光の当たりにくい状況でも同様のことが起こるのか疑問に思った。もし、地上に出たがずっと薄暗いといった状況であった場合、少しでもたくさんの光を吸収しようともするのではないだろうか。すると最も光を吸収する色である黒に近づくのではないかと考えた。これは、通常に成長した植物でも光を多く吸収するといった点でも同様に論じることができる。そこで黒色に近い植物を調べてみた。ストロビランテスやブロンズドラゴンは黒紫に近く、ヒジキなどの海藻は茶色に近い色だった。ストロビランテスやブロンズドラゴンは生息場所が日陰ではなく、茶色をした海藻は海の少し深いところに生息していることがわかった。前者二つの植物が黒色に近い色をしているのは、生息場所から考えると光をたくさん吸収するためではないであろう。一方海藻は浅ければ緑色で、少し深くなると茶色に近づく(※1)ため光の強さと関係していると考えられる。深くなるほど光は散乱し、とどきにくくなる。よってたくさん光を集める必要がるからである。しかし、海水のなかと陸上では条件も違うので一概に光が少ないから黒に近づくと言い切ることはできない。このように陸上で光を最も吸収する効率が良いのは黒であるのに、実際に黒色にすることで光を多く得ようとする植物は見つけることができなかった。黒色にならない理由として、色素を作るエネルギーがあるならばとにかく伸長させる方に使う、光合成を効率よくおこなうのに黒では都合がわるいことがあると考えられる。前者から光が少ないことによってたくさん得ようとするよりも、光の当たる場所へ出ることが第一優先であり、限られたエネルギーの中で最も効率よく伸長できるのは白色である。また後者は、光合成を行う際に黒色だとすぐに光飽和状態になり、光合成のために光を使用する前に熱として放出することになり、非効率であることから、黒色の葉ではないと考えられる。(※2)
参考文献 ※1海藻について - 文化放送「大村正樹のサイエンスキッズwww.joqr.net/science-kids/backnumber_070224.html、※2日本植物生理学会-PCPギャラリー-http://www.jspp.org/17hiroba/photo_gallery/pcp/50/50-4/50-4.html

A:テーマとしては面白いレポートだと思います。最初の講義をふり返る部分は必須ではないので、省略可能でしょう。また、「白くなる理由」と「黒くならない理由」が一度に論じられているので、ややごちゃごちゃしています。どちらかに論点を絞ってコンパクトなレポートにした方がよいと思います。また、「黒くならない理由」の論理は、参考文献の論理が元になっている点もやや気になります。この講義で求めるのは、「科学的に認められた正解」ではなく、あくまで、本人が自分で考えた論理構成です。人と同じことを考えていたら、サイエンスとしては二流ですから。


Q:今回の講義では大気と光の関係性、植物と光合成、太陽の重要性について主に学んだ。私は今回の授業のなかでも特に太陽がエネルギーを通して人類文明を支えるというところが気になった。そこで最近何か人類文明と太陽に関わることが何かないかと思い調べてみたところ、Panasonicが人工光合成システムの技術を発表したというものがあった。この技術は太陽光を利用して水と二酸化炭素から有機物をつくることができるというものである。「地球温暖化の原因と考えられている二酸化炭素を吸収するとともに、その二酸化炭素から燃料をつくり出す技術として、世界中から多くの注目を集めています。」(http://panasonic.co.jp/news/topics/2013/118831.htmlより引用)。つまり人類が生きていくために重要な問題を少なくとも2つ、しかもまた新たな問題を生み出すことなく解決できるのである。これを見て昔から当たり前のように行われていた太陽の光と植物による光合成を見直すことによって新しい技術がつくられ、やはり太陽は我々の文明を支えているのだなと実感した。

A:これは、典型的な調べ物レポートです。「何かないかと」調べ、見つけたものを紹介し、感想が述べられていますが、論理構成に対する書いた本人の寄与が認められません。中学・高校のレポートとしては「よいレポート」と判断されるかもしれませんが、この講義のレポートとしては、問題設定を明確にして、自分の論理を展開してください。


Q:授業の中で植物の形態は光によって制御され、また形態形成も光合成の効率を上げるのが目的であると説明された。このことについて考察する。植物は光合成によってエネルギーを得る。つまり植物がエネルギーを得るには光に当たる必要があるのである。しかし空間あたりの光の量には限界があり、また他の植物や植物以外の障害物に光をさえぎられることもある。植物は他の植物と光をめぐる競争をその形態によってしている。より多くの光を得れるように形態を決定し成長をする。植物は光を感知し、オーキシンなどの植物ホルモンによって光を得れるように形態を変えていく。また葉の形態を変えることによって光の受容法を変えることもある。広葉をもつ植物や稲のように細長い葉をもつ植物がいる。前者はひとつの個体で広い領域から多くの光を得る。後者は空間に多くの個体を密集させ細長い葉で効率よく光を得る。

A:これは「自分で考えている」という意味では評価できます。ただ、頭に思い浮かんだことを次々述べているだけで、全体として一つの論理を構成していません。難しいかもしれませんが、最初のうちは、一つの問題を設定して、それを出発点にすると、書きやすいように思います。


Q:人類文化を支えている光は人類だけでなく、地球上全ての生物に恩恵をもたらしている。光は物質ではなく、波だ。それを吸収し、エネルギーを生産することは生物の証であるセントラルドグマという化学物質の流れでは説明できない。私たちは日々さまざまな分野の生物学、分子生物学などを学んでいる。その大前提となっているのがセントラルドグマであるがそれで説明できない生物システムが光合成である。改めて考えると光合成とはとても奥の深いものだと思った。授業でも例に出たもやしも光の有無よって形成が制御される。環境的要因として光はとりあげられるが光の影響を受ける生物のその関係性についてとても面白そうだと授業を聞いて自分なりに興味を持った。

A:これも考えてはいますが、エッセイですね。別にエッセイを馬鹿にするわけではなく、重要な表現方法の一つだと思いますが、この講義で求めているのはエッセイではなく、論理的なレポートです。


Q:「光合成によって石油のような化学エネルギーや鉄鉱石などがもたらされた。光合成は人類文明に大いに寄与している」本講義で最も興味深かった事柄が、このトピックである。現在用いているエネルギーの大半が太陽由来のもの、という話も面白かったが、最も考えさせられた話はこちらの方だ。理系的な話題からは大きく逸れるが、自分はこの話を聞きながら、「光合成はエネルギーや(鉄鉱石のような)物質的なもの以外にも、思想、考え方、価値観などをも人類に与えているよなぁ」と考えた。生物学が発達しておらず、未知に満ち溢れていた太古の時代から「母なる大地」という表現が使われていた。大地は生命のゆりかごであり、「慈しみ育てるもの」の象徴だったのだ。現在よりも自然が身近にあった彼らが、自然から感じていた"慈愛"とは大地の恵みであり、それは実りであり、つまり光合成による産物である。太古の人々は、園池先生に教えられるまでもなく「大地(光合成)は我々の秩序を護るもの」であると悟っていたのだ。また、自然は宗教的価値観や"感謝"という概念をを人類にもたらした。自分が個人的に所有してる書籍に、そういった内容の本が非常に多くある。これもやはり、光合成という「無からエネルギーを生み出す(かのように見える)」能力に因るところが大きい。母なる大地からの"慈愛"を受けた人類が更なる愛、つまり恵みを欲することは想像に難くない。そうやって"母の慈愛"を欲し続けた結果が、現在に至る高度な人類文明の発展だと私は考える。

A:これもエッセイです。ここで唯一論理的な例証になっているのは「「母なる大地」という表現が使われていた」ので「大地「慈しみ育てるもの」の象徴だったのだ」という部分でしょう。ただ、この部分も例示が一般論なので論理としてはあまり強くありません。これをさらに具体的に調べて、他の個所でも同様に事実に基づいた論理的な考察にすることができれば、同じテーマでも立派なレポートにすることはできると思います。


Q:「すべては太陽の光から始まる」とある。しかし、この太陽の光によって、我々は苦しめらているのではないだろうか。地球温暖化の促進は我々の生活を豊かにするために与えられた、人類の試練の一つとも言えよう。なぜなら、純粋に電気を使用するためにもエネルギーを消費し、その消費は地球温暖化に繋がっている。これを抑えるための植物は今や、資源のためや道路のためなどで伐採され続けている。こうしたことにより、大気中の二酸化炭素濃度が増え、北極・南極の永久凍土も解け、太陽の光を反射し続けることは困難となり、温暖化は加速したのではないだろうか。しかし、現在では様々な資源やエネルギーのリサイクルを考えるようになり、以前よりは良くなったものの、その歯止めは効いていないように思われる。従って、我々は太陽のエネルギーをより有効活用するためには太陽光発電だけでなく、植物の光合成を多いに利用する必要があると考えた。そこで、我々は今後のため、植物をより増やしていき、光合成を用いて二酸化炭素濃度を低下させる工夫が必要ではないかと考えた。

A:これは、ある程度考えていて、書き手の主張が明確である点は評価できます。ただ、全体としての首尾が整っていません。冒頭の記述からは、太陽の負の側面がテーマであるように受け取れますが、最後の結論は人類が将来のために何をなすべきかがテーマになっています。おそらく、前から書いていくうちにテーマがずれていったのでしょう。一度書き終わったら、改めて論理構成が一貫しているかどうかを見直すと、よいレポートになります。


Q:今回の講義で、もやしが細長いのは種子の養分を使い切る前に光の下へ出るためという内容があった。しかしもやしと同様暗所で栽培されるホワイトアスパラガスは、特にグリーンアスパラガスより細長いということはない。では何故もやしは特別細長く成長するのだろうか。一般にホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスは栽培方法我が異なるだけで、ホワイトアスパラガス生産用に元々太く育つ特別な品種のアスパラガスが使われているわけではない。従ってもやしが特に細長くなるための(光以外の)要因は栽培環境にあると考えられる。そこでもやしとホワイトアスパラガスの栽培環境の違いとして、もやしは非常に密集した状態で栽培されるがホワイトアスパラガスは適度な間隔を保って植えられることが挙げられる。よってもやしはすぐそばに他個体が存在することで、自分がニッチを得るために、ただ光が当たらない場合よりも一層速い成長を促進されるものと考える。

A:これは、面白い比較をしていると思います。自分なりの論理で結論を導いている点もよいでしょう。ただ、論理的には、もやしが空気中で育てられるのに対してホワイトアスパラガスが土の中で育てられる、という違いを無視している点が気になります。周囲に土があるかないか、というのは重要な環境要因であるように思います。「密集した状態」を感知している可能性も確かにありますが、ではどうやって感知しているのか、という疑問が生じますから、少なくともその点について議論する必要があるでしょう。


Q:4月22日の講義で、「各気体の吸光(特に赤外域付近)は単一元素から成る気体の場合は小さいが、複数元素から成る気体の場合は大きくなる」という話が出てきた。この事実から動物と植物の関係について深く考えることができる。(今回は話を考えやすくするために、動物と植物の二元論で考え、動物は呼吸だけを行い、植物は光合成だけを行うということにしました。)
 植物は光合成を行うことによって生命活動を営んでいる。光合成の反応は、二酸化炭素6分子と水6分子を糖1分子と酸素6分子に作り変える化学反応である。言い換えると、光合成では二酸化炭素と水といった、いわゆる複数元素から成る気体を消費する反応であることがわかる。一方、動物が生きるためには、植物が作り上げた有機物を呼吸によって分解する必要がある。呼吸では、糖1分子と酸素6分子を二酸化炭素6分子と水6分子に作り変えるといった化学反応が進行している。すなわち、呼吸では複数元素から成る気体を生成する反応を行っていることになる。最初に述べたように、複数元素から成る気体は吸光が大きい。つまり、熱を保持しやすい傾向にある。すなわち、動物の呼吸は気温の上昇に、植物の光合成は気温の低下に寄与しているといえる。以上のことから、動物と植物は、それぞれ呼吸と光合成を行うことにより気温の“綱引き”を行っていることがわかる。この“綱引き”が上手くいっているときには地球の温度は一定に保たれるが、上手くいかなくなると気温の上昇または気温の低下につながるのだろう。さらに言うと、このバランスが存在しなければ、生物は生き延びることができないということから、もし将来地球外生命体が見つかったのならば、動物と植物がセットで発見されることが予想される。

A:これは発想が面白いと思います。ただ、問題設定が最初になされていないので、最後まで論理を追っていかないと結論が見えません。その辺りの論理の見通しのよさ、というのは科学的な論文では重要なポイントになります。そこを工夫すると、もっと素晴らしいレポートになるでしょう。