植物生理生化学特論 第1回講義
光の分光
第1回の講義では、分光器の基本的な概念について解説しました。以下に寄せられたレポートとそれに対するコメントを載せておきます。初回なので、どのようなことをレポートに求めているのかを中心にコメントしています。
Q:初回の授業を踏まえて、特に印象に残ったプリズムについて、自分なりに調べものをしながら考えた。普段はあまり関わることのない分野であり理解するのに時間がかかったが、調べてみると興味深い分野であると感じた。また、顕微鏡などに利用されていることを知り、そんなところでつながっているのだと驚いた。
光は、プリズムを通すとその進行方向を変える、つまり屈折することが知られている。これは、光がプリズムの物質を通ることを利用しており、これらの材料の波長が空気の波長と異なっていることで、屈折率が異なるのである。
プリズムの仕組みは、顕微鏡に利用されている。そもそも生物を観察する生物顕微鏡には、プリズム式とミラー式がある。その違いとして、ミラー式では標本の左右のみが反転するのに対し、プリズム式では上下左右が反転するということがある。例えば、微小干渉顕微鏡(DIC)はプリズム式である。ここでは、サンプルの上下がプリズムに挟まれており、それぞれのプリズムがまた偏光板に挟まれている構造になっている。まず、光源からでた光が偏光板により偏光になり、それをプリズムが2方向の光に分ける。その後サンプルを通ると、2方向の光がプリズムを通って今度は1方向の光にまとめられ、偏光板を通っていくという仕組みである。2方向に分かれた光がサンプルの厚みに勾配がある場所を通ると、光路差が生じる。そして、接眼レンズを通してサンプルを観察すると、その光路差は明暗のコントラストとして反映される。このようにして、DICはサンプルの厚みを認識して観察できるようにしているのである。
顕微鏡にプリズムが用いられているのは、焦点を合わせるためとの記述があるのも読んだが、厚みを分かるようにするためという大きな役割があることを知った。私も研究室でこの顕微鏡を用いたことがあるが、今回の授業で学んだ内容との関連性を知ることができてよかった。
参考文献:1) “光学プリズムとは?概要・種類・用途例について解説します”, evort, https://evort.jp/article/optical-prism , (閲覧日:2024年4月20日)、2) OLYMPUS, “その機能、使っていますか?~微小干渉観察編~” , EVIDENT, https://www.olympus-lifescience.com/ja/support/learn/01/026/ , (閲覧日:2024年4月20日)、3) “生物顕微鏡の見え方の違い”, 日本理科教育振興会, https://www.japse.or.jp/wp-content/uploads/prepalate.pdf , (閲覧日:2024年4月20日)
A:一般的なレポートとしては悪くありません。ただ、この講義のレポートとしては自分で論理的に考えた部分が評価の対象です。最初に「自分なりに調べものをしながら考えた」とあって、調べた部分の記述は明確ですが、考えた部分に相当する記述が見当たりません。「知った」は事実ですし、「よかった」というのは乾燥でしょう。何でもよいので、自分なりに考えた部分をレポートに書くようにしてください。
Q:分光の際、回折格子ではなくCzerny-Turner型の分光器を利用するメリットを考察した。1つ目は、凹面鏡を動かすことで回折格子に入射する光の波長を変えることができることである。2つ目は凹面鏡によって光電子増倍管と同様の効果を得ることができると考えられることである。
A:理解に誤解があるか、あるいは日本語の記述にミスがあるようです。Czerny-Turner型の分光器であっても、分光には回折格子を使います。また、凹面鏡はスリットに焦点を合わせるために使われていて、光を強くするためではありません。
Q:今回の授業で、光を分光する方法の一つに回折格子が挙げられていた。回折格子は透明な板に数百から数千の溝が刻まれているものであり、回折格子に白色光を通すことで光が分散し、スペクトルが見られることが分かった。私は高校の物理の授業で分光器の作製に取り組んだことがある。分光器とは、箱の側面に回折格子を取り付け、その反対の側面にスリットを刻むことで、回折格子側からのぞき込むとスリットに入り込んだ白色光のスペクトルがみられる、というものであった。私は一つの工夫として、スリットの幅を変えられるように仕掛けをしてみた。そしてスリット幅を変えながらスペクトルを観察してみたところ、スリット幅が広いとうまくスペクトルにならず、むしろスリット幅を狭めれば狭めるほど、綺麗なスペクトルが見られることに気が付いた。この原理について考察しようと思う。私の予想では、回折格子に多くの光が入れば、その分スペクトルの光の強さのみが強くなる、と思っていたが、回折格子の構造に着目すると、溝の深さ(角度)に応じて特定の波長の光のみが出射されることが分かる。つまり、回折格子に入射する光の角度が違えば出射される光の角度も異なる。スリット幅を広くした場合、スリットから入る光の中に角度がわずかに異なる入射光が多く含まれているため、回折格子を通過した光は異なる角度のスペクトル光の集合体となる。すると異なる出射光のスペクトル同士が重なり合い、白色光に戻ってしまうため、うまくスペクトルが見られない、と考えられる。スリット幅を細くすることでなるべく同じ向き、角度の白色光に限定し、回折格子通過後のスペクトル光の角度をそろえることで、綺麗なスペクトルが見られる、と考えられた。
A:これは、自分の体験についての考察になっているので、この講義のレポートとして条件を満たしています。講義では、出射スリットと入射スリットのスライドを示したと思うので、できたら、このレポート中の「スリット」が入射スリットに対応していることを明示すると、内容を理解しやすくなると思います。
Q:今回の講義の中で、光を分ける方法の1つに「回折格子」を利用する方法が紹介された。その具体例として、カツオの切り身が挙げられた。それを聞いた時には、カツオの切断面から油が出てくると、切断面に薄い油膜が張るため、光が分かれて観察されるのだろうと考えた。しかし、改めて考えてみると、カツオの切断面で観察される色は、緑や青であることが多い。そのため、これは油膜によって光が分けられるだけでなく、入射光が波長選択的に吸収されること、あるいは油に含まれるたんぱく質が蛍光を発することが示唆される。
前者を検討するためには、カツオから出た油を有機溶媒に溶かして、可視光領域における吸収スペクトルを測定する必要がある。さらに、後者を検討するためには、油を含む試料溶液に対して、可視光領域における蛍光スペクトルを測定すればよい。ただし、カツオの身が赤色であることから、油が空気中の物質と反応する(例えば、酸素によって酸化される)ことで、緑や青色の蛍光を発する物質に変化する可能性があるため、試料溶液の作成には注意が必要である。
A:これは、仮説を立ててその検証法などを考えていますから、この講義のレポートの条件を満たしています。ただし、「緑や青であることが多い。そのため」の部分の論理がやや不明確です。講義の中で油のフィルムが虹色になっている写真を見せたと思いますので、均一な厚みの膜を作らない限り同じ色になることはないだろうという考え方で、二次色でなく緑や青だから、というロジックなのであれば、その部分を省略せずに書いた方がよいと思います。
Q:吸光度測定において、ブランクの吸光度がマイナスになっているときがある。試料を入れたときの吸光度との差をとればいいため普段あまり気にすることはないが、原理的に、-log10(I/I?)であるため、発光している場合を除き、0以下の値はありえないはずである。分光光度計に問題がないとすれば、セルに問題があると考えられる。ただ、セルが発光することは完全になくいわけではなく、石英の場合、250nm付近で弱い吸収があり、その結果390nm周辺に弱い蛍光を発するそうだ。(a) しかし、可視光領域における測定には問題ないだろう。また、同一条件でのブランク測定でも時間差で僅かに値に変動がある。これは、光路に問題がないとすれば、出力光量が安定していないからかもしれない。
(a)株式会社相互理化学硝子製作所 商品詳細画面-5884-010 蛍光光度計用セル (topsrg.co.jp)
A:確かに、通常は蛍光を出さないと考えられている物質でも、紫外励起の場合は案外蛍光を出すことがあります。それはさておき、自分なりの論理的な考察というレポートの条件を満たしているかは、微妙なところですね。
Q:今回の講義では分光器による懸濁試料の吸収測定について学んだ。私は自身の研究でシアノバクテリアを用いており、生育量の測定に分光光度計での吸光度測定を高頻度で用いている。その中で、複数種類の株について生育を比較する場合、菌体増殖のため植えていた培地から菌体を分けとり、初期条件を揃えるために吸光度測定と希釈により光学濃度を揃えたのちに新たな培地に植える、という作業を行っている。この光学濃度を揃える作業を終えた時点で、本来同じような色の濃さをしたサンプルができるはずのところ、全体に満遍なく濃い緑色をしたサンプルと所々に解れず固まった菌体が存在するような全体的に薄い緑色をしたサンプルができる、ということが何回かあった。後者のサンプルに用いた株は粘性や凝集性があり、採取した菌体を完全にほぐしきることが難しく、光学濃度が同じでも見た目の色の濃さが異なるサンプルができた時には毎回この株の方が、粘性や凝集性のほぼない株のサンプルよりも色が薄い傾向にあった。このことについて今回の講義を踏まえ考えたところ、測定試料となる懸濁液に含まれる細胞の大きさや形は測定結果にかなりの影響を与えやすいのではないかと思われた。菌体をほぐしきることができずまばらな形や大きさの細胞が存在してしまうサンプルでは入射光が細胞に当たる割合も散乱光も多くなるからである。より正確な結果を得るためには何回か測定しその平均を取るのが最適なのではと考え実践してみたが、ばらつきはかなり大きく試料そのものの扱いに対する何かしらの工夫が必要だという考えに至った。
A:これは、自分の研究に絡めて考察をしているので、この講義のレポートの条件は満たしています。ただ、分光学のレポートして考えた場合は、菌体量が同じで、凝集の度合いが違った場合に、散乱の大きさはどうなるのだろうか、という点が重要だと思います。凝集性の試料を再現性良く扱うことの難しさ自体は、もちろん研究にとっては重要ですが、それ自体は分光学の問題ではないので。
Q:球形でない試料の濃度について吸光度を用いて正確に測る方法を考える。糸状性のシアノバクテリアのOD_730値を測るときに、球形でないことが理由で正確な値が出ないと研究室で聞いたことがある。実際に、複数回OD_730値を測定し平均を取っているが、それらのデータにはばらつきがあるように感じる。おそらくそれは光が入射する側面に対して平行に存在するフィラメントが多い場合と、垂直に存在するフィラメントが多い場合で吸収の面積が変わるためである。そのため、平行のフィラメントと垂直のフィラメントの比を測定ごとに揃えられると正確な値が測定できると考えられる。一方で、時間をおいてこの比を揃えることを試みると、沈殿するフィラメントが出てきてしまうため、求めたいOD_730値は測定できない。この問題に対して平均を取る以外の2つの改善案を考えたい。
1つ目は測定ごとにピペッティングを行うことだ。この改善案に関しては実際に研究室でも行っている。しかし、その場合でも前述の通りデータにばらつきがあるように感じる。2つ目は光を入射させ、吸光度の測るということを平行と垂直の2つの面から同時に行うというものである。これが実現すると、一方の測定面からは垂直であり、光を吸収しなかったフィラメントについては、他方の測定面から光を吸収するため、測定結果に反映することができる。しかし、3点懸念がある。1点目は懸濁液で四方を満たされた測定キュベットを作成しなければいけないことである。これは気泡ができないようにしなければいけないため非常に難しいと考える。2点目は機器の作成コストの問題がある。2枚の分光器とそれを同時に稼働させるシステムが必要があるため、機器自体の値段も高く、また処理も煩雑になると考えられる。3点目は単に平行方向と垂直方向の吸光度の平均などを取る場合だと、ななめのフィラメントが最も吸光度に反映される点である。これに対してはどの懸濁液もななめのフィラメントの割合が同じものとして測定をするしかないと考えられる。
A:これも論理的に考えているという点では、レポートの条件は満たしています。このような試料の異方性(方向によって結果が異なる性質)は、分光測定で時々問題になります。よくあるのは、低温での蛍光スペクトル測定などの場合に、氷の結晶によって異方性が生じる場合です。氷の場合は、時間変化は気にしなくてよいので、試料を90度ずつ方向を変えて4回測定し、その平均をとるといった対策が取られることがあります。
Q:本日の授業の中で、「重水素ランプが高価である」という話が出た。これに対し、「消費者(使用者)に、今より低いコストで紫外線光源を提供する」ということを、製造者側の視点から考えた。
重水素ランプを使用する際のコストを下げるために、以下の3つの視点から考えた。①重水素ランプの価格自体を下げる、②重水素ランプの寿命を長くする、③代替できるランプを使用する
それぞれについて以下に私が考えたことを述べる。
①重水素ランプの価格自体を下げる: 現状として、重水素ランプが高い理由として思いつくものとしては、「材料費が高い」「需要が高いから高値をつけている」の2つがあげられると考えられる。そのうちの「材料費が高い」というものに着目する。重水素ランプの構造を分解すると、電極、バルブ、フランジソケット、端子・コネクターという要素に分けられるという(参考文献1)。その中でも私は、バルブに注目した。重水素ランプに使われるバルブには、石英が使われているという(参考文献2)。その素材を透明度が高く、耐久性の高い素材で安いものに替えることが出来るのではないかと考えた。具体的には、ポリカーボネートやアクリルである。特にポリカーボネートは、耐衝撃性、透明性、耐熱性などがある(参考文献3)。また、価格も石英に比べて安い(10mm×400mm×400mmで、ポリカーボネートは11,913円、石英は35,351円(参考文献4,5)。よって、この方法で重水素ランプにかかるコストを抑えることが出来る。その他の構造についても、素材を考えることでコストを抑えられる可能性がある。
②重水素ランプの寿命を長くする: 寿命を長くするためには、「重水素ランプの構造を改良する」「使用者に正しく使ってもらう」の2つの方法があると私は考えた。このうち、「重水素ランプの構造を改良する」について、寿命を減らす原因にアプローチをする。重水素ランプの寿命を減らす要因は、電極の劣化などが考えられる。電極に劣化しにくいような材料を使う他に、電極が劣化しにくくなるようなカバーをつけるということも選択肢の一つとして考えられる。「使用者に正しく使ってもらう」については、操作時に特に注意することを分かりやすい形態(分厚い説明書とは別に紙を用意するなど)で示すことで達成できると考えられる。
③代替できるランプを使用する: 紫外域光源として使用できるものは、キセノンランプ、水銀ランプ、UV-LED、レーザー励起白色光源があげられる(参考文献6)。その中でも、UV-LED、レーザー励起白色光源の2つは、現在代替光源として注目されているという(参考文献2)。ただし、これらは小型化のために代替していこうという流れであり、コスト面では課題がありそうである。これらに対しても、素材を安価にしていくことを考えると、低コストを実現できそうだと私は考えた。
以上のように、複数のアプローチで、分光器の紫外線光源のコストを抑えることが出来ると考えられる。
参考文献:[1] 株式会社ミトリカ,「D2ランプ(重水素ランプ)」,https://www.milas.co.jp/product_d2.html,2024年4月20日参照、[2] ケイエルブイ,「重水素ランプ(D2ランプ)の特徴・種類・アプリケーションを解説,https://www.klv.co.jp/corner/what-is-d2-lump.html,2024年4月20日参照、[3] 旭化成,「ポリカーボネート(PC)とは」,https://www.asahi-kasei-plastics.com/column/09/,2024年4月20日参照、[4] アスクル,「アズワン ポリカーボネート板 透明」,https://www.askul.co.jp/p/KJ67122/?sc_e=cp_p_as_bi_pl_c&msclkid=0a43c465e1de1b40aba2a24660d9cbb3,2024年4月20日参照、[5] MISUMI(ミスミ),「ガラス板 石英 透明|アズワン」,https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/223006486595/?rid=hs_223012118055_223006486595&list=RecoProductManager,2024年4月20日参照、[6] ケイエルブイ,「紫外光(紫外線)とは 用途と光源を解説」,https://www.klv.co.jp/corner/What-is-uv-ray.html,2024年4月20日参照
A:よく考えているし、よく調べているし、よいと思います。ただ、例えば、ポリカーボネートは紫外線の透過率は高くないと思います。そのあたり、より焦点を絞って(論点は1つで十分です)、もう少し丁寧に(深く)考察できると、さらに良いレポートになると思います。
Q:私は今回の講義の中でも、構造色と色素分子という2種類の色が見える仕組みの違いに興味をもった。生物では植物の光合成色素やメラニンといった色素の由来する色と、玉虫やクジャクの羽などで見られる構造色に由来する色が見られるが、両者の違いは何なのか、もっといえばなぜ一方の方式を採用しているのかという点を疑問に感じた。とりわけ、構造色については、わざわざ表面の構造を変えなくても、その色を表現する色素を生成すれば済むことだし、実際のところ多分生成できるのではないかと感じた。
確かに、構造色に頼った色の表現と、色素に頼った色の表現、いずれも生物にとって実現するためには大変な過程が必要であるのは間違いないが、構造色を決定したり特定の色素を生成したりするのを司っているのは、結局のところ遺伝子であるため、必要な労力という面では両者で大きな違いはないものと思われる。しかしながら、遺伝子により決定されている色の表現も、遺伝子のエラーにより本来の色の表現ができない場合が、一世代あるいは数世代といった長い目で見た場合にはしばしば起きてしまう。このような時、色素に頼っていた場合は、全く色の生成ができないという事態に陥ってしまい、恐らく別の色を生成するようなことはないが、構造色の微妙な構造の違いであった場合には、何かしらの構造をとらざるを得ないため、別の構造をとることにより新たな色を発色する可能性が考えられる。一般的には、このような事態は不利に働くことが多いが、稀に有利に働くこともあるため、もしそのような適応度の高い形質の遺伝子が保存・伝播すれば最終的には種分化(進化)するといった事例も考えられる。或いは、周囲の非生物学的・生物学的環境の変化に対して、構造色の場合だとわずかに構造を変えるだけで対応することが可能であり、低コストで表現的可塑性を実現できるため、周囲の環境に適応しやすいといったメリットがあるのではないかと考えられる。以上の進化学的な利点により、多様な動物で構造色を用いた多彩な色が発現しているのではないかと考えられる。
A:よく考えていてよいと思います。ただ、遺伝子の変化と表現型との関係の議論はやや恣意的な印象を受けました。色素は「全く色の生成ができないという事態」を考える一方で、構造色は「新たな色を発色する」としていますが、分子量の大きな有機物の色素の場合は、側鎖の違いなどにより、それこそ微妙な色の違いが生じ得ます。そのような色素が、酵素の小さな立体構造の変化により生み出される可能性は十分に考えられるのではないかと思います。
Q:吸光度の話を聞き調べたところ大腸菌の量を計測するために、吸光度測定が用いられることがあることが分かった。大腸菌の量を計測する場合は実際に大腸菌に吸収された光ではなく、サンプルに当たり散乱することによってどの程度光が減るかをもとに出しているということであった。この手法を用いて、空気中や水中の細菌量を簡単に計測できるようになるのではないかと考えた。実際に、空気中や水中にどの程度細菌がいるのかは病気の予防にもつながるので非常に有用であると思われる。実際に計測できるのかどうかは、細菌量の異なる水を準備し吸光光度計にセットして様々な波長の光を照射し最も細菌量と関係性があると思われる波長の判別ができると考えられる。空気中の細菌量の測定も同様の手段にて試し、最も有用な波長を特定できれば実用化にも近づけると考えられる。
A:考えているという意味ではレポートの条件をクリアしていますが、散乱は微小な粒子で起こる以上、細菌以外の粒子がどれだけあるかによって実際に測定可能かどうかが決まるはずです。そのあたりの考察が必要に感じました。