植物生理生化学特論 第5回講義
クロロフィル蛍光測定
第5回の講義では、クロロフィル蛍光を用いた光合成測定の仕組みについて解説しました。
Q:キサントフィルサイクルについて質問です。キサントフィルサイクルがどうやって熱放出するのでしょうか。キサントフィルサイクルは、葉緑体内のキサントフィル類が光条件によって変化する。その際、キサントフィル類が光条件からのストレスを軽減する物質に変化する。キサントフィル類が構造変化する際に熱を放出するのでしょうか。
A:質問だけだとレポートにはなりませんよ。キサントフィルサイクルについては、今後の講義の中で取り上げる予定です。
Q:今回の授業では蛍光を用いた光合成測定の方法を学んだ。自分にとっては内容が難しく、完全に理解できた訳ではないが、「光合成の森」のホームページを読んで復習しつつ、光合成の蛍光測定とCO2濃度から光合成速度を測定する手法の利点、問題点を考察してみた。蛍光測定の優れている点は、小さなスケールでも大きなスケールでもその原理を利用できるところだと思う。蛍光測定はクロロフィル一つ一つの中で生じている現象を、生態系レベルでも利用できる。授業でもあったように人工衛星を利用し、人が立ち入れないような生態系でも光合成量の測定ができ、全休規模での光合成量の算出も可能だ。一方で光呼吸などの影響で、推定値の正確さには問題がある。CO2濃度から光合成速度を測定する手法の利点は、どれくらいCO2を吸収したのか、その実測値がとれるところだと思う。しかし、局所的な推定には向いているが、スケールアップするときに測定したサンプルが生態系全体に広がっていると仮定するので誤差が生じることが考えられる。
A:そうですね。あと、クロロフィル蛍光の場合は、光合成速度以外に、光合成電子伝達の内部情報を与えてくれるところがCO2測定にはない特徴です。