藍藻の分子生物学2011~ゲノム15年:これからの藍藻研究~
光合成生物として初めて藍藻Synechocystis sp. PCC 6803のゲノム塩基配列がかずさDNA研によって世界に先駆けて報告されて今年で15年となりました。この間、ゲノム情報を活用した多様な研究が展開されてきました。最近、次世代シーケンサーの登場でゲノム解析への新しい手法が拓かれ、新たな研究の展開に向けての黎明期を迎えています。「藍藻の分子生物学」研究会は、1997年から2年ごとに国内の藍藻研究者が一堂に会して、最新の研究成果を発表し討論する機会として開催されてきました。第8回となる今回は、「ゲノム15年~これからの藍藻研究~」というテーマのもと、2011年をゲノム解析15年という一つの節目の年として、これからの新たな15年を見据えた藍藻研究の展望について議論したいと考えています。今回、1件の基調講演、11件の口頭発表、1件の提案および45件のポスター発表が予定されています。藍藻を研究材料として日々研究されている方ばかりでなく、これから藍藻を使った研究を予定されている方、藍藻研究から新たな知見やアイデアを得たいという方の活発な議論を期待しております。
2011年12月
オーガナイザー 藤田祐一(名古屋大学)
小俣達男(名古屋大学)
田畑哲之(かずさDNA研究所)
プログラム
第1日(12月2日(金))
13:20 - 13:30 藤田祐一(名古屋大) 開会あいさつ
13:20 - 14:00 池内昌彦(東大) シアノバクテリアの光受容体と光応答現象の研究の現状と将来
14:00 - 14:30 田中亮一(北大) 遺伝学、逆遺伝学、バイオインフォマティクス、複合体プロテオミクスの手法を利用した、ラン藻のテトラピロール代謝研究
14:30 - 14:50 休憩
14:50 - 15:20 土屋徹(京大) シアノバクテリアで新たに形質転換系を開発する際には何を検討するのか?
15:20 - 15:50 伊藤卓朗(慶応大) 安定同位体を利用したオイル産生微細藻のメタボローム解析
15:50 - 16:20 休憩
16:20 - 17:10 ポスタートーク
17:10 - 18:00 ポスターセッション
18:00 - 20:00 懇親会(ポスター会場)
第2日(12月3日(土))
09:00 - 09:30 田畑哲之(かずさDNA研) 基調講演:ラン藻ゲノム研究の誕生、発展、今後の展開
09:30 - 09:50 写真撮影・休憩
09:50 - 10:20 佐藤直樹(東大) 15年後の6803配列:リシーケンスのひろがり
10:20 - 10:50 岡本忍(DBCLS) シアノバクテリア情報基盤と微生物統合データベース
10:50 - 11:10 休憩
11:00 - 11:40 井原邦夫(名大) 原核生物の次世代遺伝学
11:40 - 12:00 広瀬侑(豊橋技術大) 提案:藍藻研究者間での新規ゲノム配列の共有化
12:00 - 13:00 昼食
13:00 - 13:30 吉田天士(京大) ファージゲノムに学ぶラン藻の分子生物学
13:30 - 14:00 増川一(神奈川大) シアノバクテリアの水素生産性向上に向けて:ニトロゲナーゼ改変を中心とした改良
14:00 - 14:30 休憩
14:30 - 15:00 大城香(福井県立大) ゲノム解析でわかってきたこと,まだわからないこと:ヘテロシストを作らないラン藻の窒素固定を中心に
15:00 - 15:30 久堀徹(東工大) シアノバクテリアを用いて解き明かした葉緑体型ATP合成酵素制御の分子機構
15:30 - 16:00 総合討論
16:00 閉会